Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

計画停電

2012-06-30 | vie... kurashi
関西電力圏内のわが家も先日、計画停電の可能性があるという案内と、その場合の当番時間をハガキで受け取りました。
そうかやっぱりそうくるのか、という感じ。期間は7月2日から9月7日までとのこと。


関西電力HPによると、昨夏8月の電力供給は2,947万kW、そのうち原子力は337万kW(11%)。←意外と割合が少ないのよね。
現在その分が不足予定で、現時点の供給力は2,542kWとのこと。
原子力以外には、揚水448万kW(15%)・他社融通522万kW(17%)・火力1,415万kW(48%)・水力225万kW(7%)、というのが昨年のデータだそうです。

対して反原発デモ首謀者の主張は、京大小出裕章助教の研究を証拠に掲げ、電気は足りている、とするもの。
★こちら★

・・・以下は上記リンク記事よりの抜粋・・・
関電は夏場のピーク時には10~20%不足すると盛んに危機感を煽っています。
しかしこれは真っ赤なウソ。
資源エネルギー庁の試算では、静岡以西の60Kh圏の発電力全てを合計すると、
ピーク時電力より130万kwもの余裕があるのです。
つまり、電力会社間で余剰電力の融通を行えば、電力は不足することはありえません。

このように、全原発が停止しても、電力が不足しないことは明白ですが、
電力会社は不足すると声高にウソを訴えます。
なぜでしょうか?

ご想像のとおり、そこに莫大なお金が絡むからです。

原発一機の建造費は現在では4000億円を超えますが、
すべて借金によって造られます。
発電して支払えば良いという考え方なのです。
ですから、発電のできない原発はとたんに不良債権となります。
動かない原発は赤字製造マシーンなのです。

一方、建造費の借金をすべて払い終わった古くて老朽化した原発は、ドル箱です。
40年を超えても、危険を冒してまで劣化した原発を動かし続けるのはそのためです。

震災後多くの原発が停止し、火力発電の燃料費がかさんで電力会社が赤字になっていると聞きます。
しかし、これほどでたらめな話はありません。

火力発電では、燃料をたくさん燃やし、多くの燃費がかかります。
しかし、電力会社は燃やした燃料代以上に高い値段で電気を売っているので、
燃料代で赤字ということは絶対にありません。

もうおわかりですよね。
そうです、電力会社が赤字になる理由は、
原発がとまり、その抱える借金が発電で返せず、まるまる負担となっているからなのです。
でも、そう言うと原発の立場がますます悪くなるので、燃費がかさみとここでもウソをつきます。
(東電の場合は超巨額の事故賠償が赤字の筆頭なのは言うまでもありません)

嘘をつくのは電力会社だけではありません。
原発の利権は”原子力ムラ”と言われるように、電力会社や関連産業以外に政界・官僚・マスコミ・学界が広く手を結び共有しています。彼らは一緒にウソをつくのです。

ここで、原子力ムラのウソの実例をいくつか挙げておきましょう。

最も有名なのは去年の夏の電力不足大キャンペーンでしょう。
電力も政府もマスコミもこぞって機器をあおり、原発のありがたみを訴え、節電せよと脅しました。
東電では福島始め多くの原発が止まり、古い火力発電所の整備・起動が追いつかず、電力が大幅に不足すると言われました。大口の企業のみならず、家庭でも”節電”が当たり前のように求められ多くの国民は黙って従いましたが、実態はどうだったのでしょうか?
最大電力だった8月18日のピーク時で4922万キ ロワットと、供給力5460万キロワットを大幅に下回っています。
家庭での節電分は約100万キロワットで、あれほど暑さを我慢しての頑張りは、実は全く不要だったのです。

この電力不足キャンペーンの大元を支えた国の試算のウソは最近バレてまだ記憶に新しいところです。
国は、原発7機分にもあたる759万キロワットの自然エネルギー分を勘定に入れず、本当は6%の余裕があったにもかかわらず、9.2%不足するとウソの需給見込みを算出、日本中が不必要な節電を強いられました。

電力不足キャンペーンの中でも特に印象に残っているのは、バレバレの燃料不足デマをブチあげ、石油協会に真っ向から否定されて恥をかいた九州電力のデマです。

震災直後の5月、九電の6機ある原発の内、すでに3機が停止、再稼動の見込みはまったく立っていませんでした。そこで、玄海2号・3号の早期再稼動をもくろみ、5月18日、九電は記者会見を行います。曰く、このままでは夏には火力発電用の燃料が不足するので、原発がこのまま再稼動できないなら電力が20~25%不足するとして、15%の節電を呼びかけました。これを受けて、九州中を節電の話題が駆け廻ることになったのです。ほとんど脅しに近い感じです。
しかし、何とこの発言は再稼動したいがためのデタラメだったことがたちまちばれてしまいます。
5月26日、石油連盟の会長が自ら記者会見を行い、燃料は足りている、足りなくなることは無いと、九電の発言を真っ向から否定したのです。
これで、九電の節電要請は全く説得力を失い、一気にトーンダウン。
その後ほどなく、やらせ問題なども噴出し、九電の信用は完璧に失墜していきました。

さあ、いかがでしょうか?
電力会社やムラがどれほど臆面もなく嘘をつくことができるか、
おわかりいただけたでしょう。

もう一度結論を書いておきましょう。


全ての原発が停止しても、日本が電力不足になることはありません。
”電力不足”という言葉は、原発の再稼働を仕掛けたい原子力ムラのでっち上げです。
電力は足りています。
家庭で節電の必要など全くありません。
(エネルギーの節約はとても良いことだと思うけど、それとこれとは別の話)


4月に全ての原発が停止し、そのまま再稼働させなければ、
この夏、原発がなくても電気が不足しないことが
そしてそれはつまり、原発は全く必要ないということが証明されます!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この理論も全面的に信頼するのは極端かなという気がするのですが、参考まで。


それにしても、その事実如何を問う前に、反原発デモがこれだけ大きくなったのは、とにもかくにも電力会社側の対応に問題があるからですよね。
消費側としてまず違和感あるのは、
計画停電というハガキを送りつけてきて、「これは天災なので、みんなで耐えましょう」的なムードを関電側が醸し出そうとしているけれど、
その対等目線あるいは上から目線は違うだろう。
まず出すべきなのは、

「当社が安定したサービスを提供できず申し訳ありません。
つきましてはせめて快適に利用してもらえるよう電気代を値下げします。
そのために企業内でやりくりをします。」

また再稼働意思表明については、たとえば
「地震など天災で施設が壊れ放射能が漏れた場合、これこれこのような手段を講じます。
もちろんそんなことが起きないよう、これこれこういう手段をとっています。
よって、当社トップ誰々の意思決定により、原発を稼働させます。
万一最悪の事態が起きた場合は、わたくしトップの誰々が、こういう責任をとります。」

という意思表示であって、

「電気の供給を止めます。
電気が足りないので値上げします。
協力してください。」

ではないんじゃないか、ということ。
(・・・と被害者目線で考えると、自分がミスしたときの参考にもなるなあ・・・。)

無料で供給を受けていたわけではないのだから、電気の無駄遣いをしている人って、もともとそんなにいるのかな?
今になって、電源をなるべく落とそう、とか節電のススメをいろいろするのって、
今まで知らず知らず電気の無駄遣いをしていた人たちを黙認してたんだな~売上アップのために・・・
と思う。
少なくともわが家は、これ以上節約する余地がありません。
毎月きちんと言われた通りの電気代を納めているのに、どうして、冷蔵庫が機能しなくなるぞという一方的な通知を、ハイハイと素直に受け取れよう?
これは多くの人が怒り心頭に発するのもむりない。


3・11震災の福島での事故で、お恥ずかしながら初めて原子力発電の原理と、そもそも日本がなぜ原子力を推進するにいたったのか ということを知ったわけですが、なんだか・・・、仕組みは驚くほど脆弱だし、原子力導入のきっかけにも、胡散臭い匂いがしますね。
国を挙げての重要な財源として導入されたことは、よくわかりました。
日本ってずっとアメリカの属国なのね・・・

wikiメモ:
日本の原子力政策
原子力(げんしりょく)ムラ


だから、原発に反対する以上は、そのウラをまるまる理解したうえでの有効な代替案を出さなければいけないんじゃないかと思います。
自分にはまだないから、エラそうに言えないけど。
でも、ただ不安を煽る「もう日本は汚染されまくっている、絶望だ」みたいな発言に、感情的に踊らされることがあってはならないとだけは、強くこの頃思う。
正体不明な不安を共有する連帯感は、未来への力を殺ぐから、間違ってると思う。
あるものの中でいかに上手に快適を作れるかの案を生み、有用度合いを判断していかなくちゃいけないと思っています。



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。