Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

かつてあったあの風景へ。『コロー展』@神戸市立博物館

2008-10-06 | art... bijutsu
コロー 光と追憶の変奏曲

大阪名家のご令嬢、光さんと神戸デート。
前から約束していた、『コロー展』へ行ってきました。

海外旅行体験も美術鑑賞体験も豊富、感情も豊かな方との絵画鑑賞はたいへん実になり楽しいものです。先日、やはり京都のお姫様・Sifoちゃんと行った京都市内の展覧会も、彼女のおかげで大変楽しみました。

今回も、光さんという美術好き・感性豊かなお友達に恵まれて、コロー展、ものすごく充実の鑑賞日でした。
この展覧会、ほんとうにすごかった。
ありていにいえば「マイナスイオンが噴出してくるような」緑深い大作の数々。
これ以上ない演出で、その素晴らしい作品たちを贅沢に味わわせてくれるものでした。

作家の人となりを作品から感じ取るのも、楽しい鑑賞法です。
緻密、かつ大胆なタッチと構図、色彩と光のリアルさが美しい。
大変厳格な芯を持った、信念ある人物を感じました。
「女の人の描きかたで、キャラクターが観えるわよね」
と、光さんがいいます。ほんとですね。一緒にルノワールやシスレーの絵も並んでいましたが、彼らの描きかたとの比較が、それぞれの人物像を考えながらしてみると本当に面白い。
あまり浮ついた俗っぽいことに興味がなかった、規則正しさを好む人じゃなかったかしらと展示作品の全体から思ったのですが、だからこそ、描く人物画があたたかく感じられて印象的でした。


絵葉書買ってきました


同じような構図で、様々な作家によって描かれた森たちの絵を前にして、
「ねえ、どれか手に入るとしたら、どれがいい?」
と光さんが楽しそうに訊いてくれます。
ただ漫然と綺麗だなあ、と眺めるよりも、確かにこうして色々ささやかにテーマ作りしながら見ると、目の前の大作への愛着もひときわ増しますね。



この展覧会を訪れるひとはただ美しい壮大な緑の風景を見るだけではありません。
作家の鋭敏な美的感覚を駆使して切り取られ・表現された、現物以上の最高の美に触れることができる。
作家、対象、時
これが高水準で揃ったセレンディピティ(素晴らしい偶然の瞬間)に恵まれることが芸術の誕生へつながる、
とは先日教わった言葉ですが、その宝物がこんなにたくさんある。
ものすごい贅沢ができました。
2人以上で体験することで、感動も2倍に。そうさせてくださった光さんに、心から感謝です。


満足を抱えて、神戸大丸内のショコラカフェでおやつのワレワレ。



『コロー展』の素晴らしい公式HPへは、この写真から飛べます↓^^

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