Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

“Mon mari pensant”

2008-10-01 | art... bijutsu
昨夜、夫は仕事のことをいろいろ考えているふうでした。
夕食後、テレビは消し、静かな音量でRavelを流していました。
ソファに沈みクッションを抱えたお気に入りのポーズで、考え込み寛ぐ夫。

最初傍らで本を読んでいたのでしたが、ふと衝動がわいて、目を閉じる彼を描きはじめてみました。
HBのシャーペンで簡単にですので筆致が弱いですが、そのためかえってやわらかい感じに肖像が仕上がりました。

“Le jeune homme sourira sur le toile autant que celle-ci durera”

とは、Gilles Deleuzeの著作『Qu'est-ce que la philosofie?』の、Spinozaを指した冒頭の言葉だそうですが、こちらはさながら

“Le jeune homme dormira sur le dessin autant que celle-ci durera”
(その若い男は絵が続く限り眠り続けるだろう)

というところ。
1時間弱、このポーズを続けてもらったところ、本人がそう苦笑しました。

絵は久々に描きましたが、やはりいいものですね。好きです。
時の記憶。
そして写真とはまた違う、空間の記憶がそこに残ります。


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