Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

とろりと、薫り。

2009-03-21 | parfum... kaori
実家にいた頃からずっと、寝室で眠りの時間を見守ってくれているアロマポット。
コンセントが胴体下部についていて、壁に直接差し込めるかたちをしています。
ふとんに入る数時間前には、この明かりを点け、てっぺんの小さな丸いくぼみにシャネルの『COCO』を数滴、注いでおきます。
睡魔に襲われ朦朧としながらこの部屋に入ってくると、香りがやさしく眠りを包んでくれる、という仕組みです。

ほんとは精油を入れるべきものですが、アロマオイルって不思議なものですよね、気分によって求める香りと不要な香りが、いやにしっかり分かれてしまいませんか。好きな種類なのに、場合によっては「邪魔」と感じてしまうこともある。
それはその香りの働きがもう既に自分の中でまかなわれているから、という説に納得しています。
知識も品揃えも足りないわが家では、そういうわけでこのせっかくの自然素材は使いこなせていません。

その点、香水というのは「補うべき自然」ではなく、鑑賞すべく作られて昇華された香りの芸術です。複雑な表情をあれこれ隠し持っていて、人間のよう。外見は同じでも、見え方がその日によって変化する、たいへん奥深いものです。
ひと壜に詰まった多様性に、魅力が尽きない。
COCOの香りは、学生のときに出会って以来わたしのスタンダードで、いまだ不思議と情熱が冷めませんが、幸いにして夫にも当初から評価が高く、日常的に心地良いようです。
ただし一度、トイレに元気良くしゃしゃしゃー!と撒かれたときは、出会って以来初めてその時だけ、猛然と彼にくってかかりましたが。。。
Nooooーー消臭芳香剤ではありません!
でもたしかにトイレはそのおかげでしばらくの間、この上なくいい香りの居心地良いお部屋になっていましたが・・・・・・


ボトルからオードパルファムを少しだけ注いだ、アロマポット。
最初はアルコールが揮発するツンとしたにおいがしますが、そのときは部屋を開放して空気の循環を良くしておく。
煮詰まると、甘い重い香りがやさしく部屋にこもります。
吹きかけるのと違って、これなら人間に香りが移らない。
良い香りを十分に楽しめつつ、人と会う仕事にでかける男性にも邪魔にならない方法と思います。
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2 コメント

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Unknown (nico*)
2009-03-24 10:24:05
なるほど・・・。
とっても興味深いお話でした。

香り・・・、特にフレグランスは私にとってとりつくしまのないほど偉大な存在で、
相も変わらず何の知識も持てずお手上げ状態のままでいます。我ながらがっかり。

miさんのように上手に香りと付き合って
愛せていけるように私もなりたいなと切に思ってしまいました。

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こんにちは~ (nico*さま(mi))
2009-03-25 12:48:26
依存している「カントリーマアム」の食べすぎ(完全に中毒です)でダウンしていたのですが、コメント頂き急に元気に復活ですよー。nicoさんも胃の調子良くなられてきたとのこと、なによりです!
春を元気に楽しみたいですね
どうぞお大事になさってください。

香りを上手に使うのはほんとに難しくて、私も憧れてやみません。「ほのかに」っていうのが真髄といわれますけど、なかなかどうして、そこが操作しにくいんですよね・・・。嗅覚は、ほんとに人間の体調の深いところとリンクしていて、とても繊細な領域ですね。
とかいって、nico*さんはとっても上手に香りを暮らしにおしゃれに取り入れていそう!な印象です
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