Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

『着ること、生きること』

2004-12-12 | rayonnage...hondana
光野桃さんのエッセイ。
一度読んでからしばらく経つと、またひさしぶりに読み返したくなる本のひとつです。

お洋服や小物、それを身につける自分に対する愛情まで湧いてくる本で、
もし、何が似合うのかよくわからない、など、着るものに迷うことがあったら、なまじな雑誌を買ってみるより、こちらを読んだ方が、よほど具体的におしゃれになれそうです。
また、おしゃれが好きな人にも、さらに、装う喜びを深めてくれる本でもあります。

なぜかというと、
この本は、筆者の光野さん自身が、ファッションが大好きで、『25ans』の編集者として働いてこられながらも、
パートナーの転勤に伴い、仕事を辞めてミラノに移ったりする中で、自分を見失いかけ、何が似合うのかに真剣に迷い、悩んだ時期をも、冷静に今、見つめているという、
おしゃれを通して一人の女性の内面の旅を綴った、深く優しい物語だからです。

悩んだ重みを、上手に糧にする。
これは、大人の精神の慎ましさがないと、なかなか難しいことのようです。
苦しみを経て、やわらかく優しく咲いていく、数々の女性の姿が描かれています。
どんなキャラクターの女性でも、どこか、この愛すべき誠実な登場人物たちに、自分を重ね合わせる部分があるのではないでしょうか?

内面があれば、外見なんて!
なんて、ナンセンス。
内面があるから、外見だって美しく輝くのです。
女性は、潜在的には誰もが器の大きいもの。
内面だの外見だのに偏ったりせずに、全体的に何もかもを、美しく楽しんでしまえばいいのです。
包み込むように、優しく暖かく、しかし一本ピシッと芯の通った、大いなる母性を感じさせるこの本に、私もまた、元気とやる気をたくさんもらっています。
コメント (6)    この記事についてブログを書く
« 快いホスピタリティ。 | トップ | スポットライト・ケア »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
本年もよろしくお願いします (lysander)
2005-01-03 18:59:11
mi さん、昨年はお世話になりました。

ザオの展覧会はここで知ることができました。

ありがとうございました。



『着ること、生きること』は語呂が良いので

覚えてしまい、年末に読んでみました。男の

私が読んでもなかなか面白かったです。もし

かしたら感想を書くかもしれません...

その時はTBさせてください。



年末はいろいろ大変だったようですが、

心機一転、良い年になりますように...



ではでは。
返信する
こちらこそ、よろしくお願いします (mi)
2005-01-03 20:30:34
lysanderさま、ありがとうございます。

本の感想&TB、楽しみにしています



lysanderさまにとっても、今年がさらに良い年になりますように・・・
返信する
ごめんなさい (lysander)
2005-01-07 00:35:55
酩酊感あふれる感想になりました。

削除していただいても構いません(^^;
返信する
とんでもない(*^^*) (mi)
2005-01-07 19:35:27
面白かったです!

ご紹介頂きまして、ありがとうございました♪

lysanderさまの素直な文章が、とっても微笑ましくっていいなあって思います、毎回

返信する
恐縮です (lysander)
2005-01-08 01:35:53
> 微笑ましくっていいなあ
返信する
Unknown (mi)
2005-01-08 13:30:38
ふかい人間性を感じて、読んでいる側が、安心するような何かです。

うまく表現できないのですが。。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。