噛み合せ。

あなたはなぜそんなに美しいのですか？
と、インタビューで訊かれて、

「両親が美形だから」

と答えたあの有名な美女の例もあるように、
生まれつきの美女は、美の秘訣を聞く相手として、適当ではありません。
“すごい美人というわけではないが、美人になりたい熱は人一倍高い人”のほうが、よほどたくさん情報を持っているし、努力もしていて、師と仰ぐに相応しいものです。そして、結果というものは、年齢を重ねてからどんどん明らかになる。
なんでもそうですが、ある歳月経てのちに際立つ結果を出している人に、教えを請うべきだと思います。

と書くと失礼なようですが、
最近もっとも美の参考になりましたのは、お笑い芸人のシルク女史です。
（文字通りの才色兼備芸人として、若いうちから有名だったそうですね！）

関西に来てからようやくお笑いが日常に入ってきたわたしなので、「シルク」という名前も最近知ったばかり。
でもこの人、ほんとにすごいですねえ。50歳頃に美容を語れるなんて、本物の実力者。
先日のテレビ番組で、唇と頬のエクササイズを女性芸人に教えていて、目からうろこ！でした。
唇を血色よくぷっくりさせるためには、鉛筆を唇の中心に差し込んで、唇の力で出し入れを繰り返すとか、
頬をこけさせないために、笑顔の状態で下あごを下げたり戻したりするとか、
「法令線は内側から押す」（！！）とか、
詳しくはブログやご本を直接見ていただきたいですが、
自力を活用する　というところが、ものすごく気に入った。
まずはそれができないと、どんな化粧品もほとんどぜんぶ気休めに過ぎず、ただただ無駄になる、と思う。

それでわたしもさっそく、鏡を見るときに顔の下半分のエクササイズをするようになったわけなんですが、ほんとにさっそく！違いが出てきました。
健康面でも大きな気づきがあり、何かというと、かみ合わせが良くなりました。
実は、口を大きくあけると蝶つがいにあたる部分が痛いときがあり、「もしや顎関節症？」と歯医者さんに相談したこともあったのですが、調べても別に異常はなし。
しかし、鏡をみて正しく蝶つがいを動かすエクササイズができたことで、骨が噛み合わさる感触に違和感がなくなりました。
なんだー、日常のかみ合わせ癖が、悪かったのか・・・。反省！

さらに自分で、両頬を手で挟んで固定させてから顎を上下させる、という動作も取り入れてみましたら、きちんとまっすぐ正しい位置に動くので、かみ合わせすっきり、頬のコリもなくなりました。
ビカッサしていて抵抗が減ったので、すぐわかりました。

ところで、
「美人だけど、しゃべるとバカっぽい」と言われてしまった美人女優さんの例もあるように（そんなにバカじゃないのに・・・）、口元は魅力の要です。
何を語るのか、どう語るのか、
容姿で人目を引いた後に注目されるのがそこで、容姿の数倍くらい、ここは比重高い。
とびきりの美人でなくてもここで挽回できることもあるし、ここでがっかりされて、外側で稼いだポイントがマイナスになってしまうこともある。

顎がきちんと動き、きれいな表情で話すことができると、
さらに、綺麗な声で気持ちの良い内容を語ることができると、
「品格」という難関をクリアできる可能性が出てくると思います。
その全ての基本である噛み合せが調っているという状態は、家でいうところの「門構え」を調える、と同じではないかと。
門がしっかりしていない豪邸は、恥ずかしい。もう、なっちゃないですものね・・・

重要な基本を教えてくれた美容番長に、感謝！です。



photo・・・[Ne te retourne pas]モニカとソフィの話題の共演。2人の大ファンのわたしが観てもガックリきてしまうような作品でしたが、モニカの「話す表情」の美しいこと。円熟した女性の美しさは、口元にとりわけ現れると思いました。