Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

美女シネマ 『愛の地獄』

2004-05-12 | cinema... eiga
エマニュエル・ベアールが、今年の横浜フランス映画祭の、団長を務めるそうですね(*^-^)
もう長いこと、彼女の大大大ファンである私は、もちろん、カメラ持参で、赴くつもりです♪

ってことで、来月6月に向け、楽しみなカウントダウンが始まったし、久しぶりにまた観たくなった『愛の地獄』。
すっごいタイトルですよね(^-^;
原題が"L'enfer"(地獄)ですから、それ以上には訳せなかったのかもしれないけど・・・。
これで引いちゃう人も、けっこういそう。

しかし、この作品のエマニュエルは、ほんとにもう、魅力満点!
もとディオールの専属モデルだっただけあって、スタイルは、フランス人の中にあっても群を抜いている。
のはもちろんなのですが、彼女の持ち味を全て生かした、なんてことないけどコケティッシュな装いが、全編を通して、楽しめます。
フランスにちょっとだけ滞在していた立場から見ると、正直いって、あんなかわいらしい格好した人は、そのへんにはそんなにいないと思う。
日本にも、いないよね・・・。
なので、とにかく、大変新鮮。かわいすぎる!
例えば、腰まで伸びた栗色の髪を無造作なシニヨンにして、耳にはゴールドのフープピアス、首元にはゴールドのクロスを吊ったネックレスチェーン、身にまとうのは、淡いエメラルドグリーンなど、彼女の肌を引き立たせる色の、ぴったりしたVゾーンの開いたニット(カシュクールが多い)に、フレアのミニスカート。
私自身が特に、こんな格好が好きなせいで、これほど目を奪われちゃうのかもしれません・・・。
さらに、子供をお風呂に入れた後、夫と二人きりになった彼女にも注目。
彼に微笑みかけながら、着ていたワンピースをさっと脱いでポニーテールの髪を下ろすと、悩ましい真紅のスリップ姿に。
いきなり母から恋人の顔に、一瞬にして変わってしまうのです。
見事!!(>_<>

こんな彼女がかわいらしく微笑みながら、大きな目をうっすら閉じて、赤く塗った爪の指に煙草をはさんで、それを赤い口紅の唇に持っていくシーンなんか見ると、確かに、こんな妻持った夫は、気持ちが休まらないだろうなあと思います。

そう、これはタイトル通り、夫が、妻の不貞を疑って神経を病み、嫉妬の地獄に落ちていくさまを描いた映画なのです。
作品の出来としては、うーん、△か×よりじゃないかと思いますが、そんなことは気にしない。
エマニュエルの存在が、全てを補って余りあります。(キッパリ。)

あらまし。
一見、貞淑な妻に見えるが、本当にそうなのか?と疑いを隠し持つ、小さなリゾートホテル経営者、と、その美しい妻、ネリー。
夫は、浮気を未然に防ぐべく、妻の行動を制限しにかかるのだが、妻の相手候補は、彼の中でどんどん増えていくばかり。
孤独な戦いを続ける彼には、しまいには、妻の浮気のどこからどこまでが現実で、自分の妄想がどこから始まっているのかさえ、わからなくなってしまう・・・。

と、こんな内容を支えるためには、やはり、妻が匂い立つばかりに妖艶でないと、作品が成り立ちません。
エマニュエルの、ファム・ファタルな存在感が、この映画の中心。
誘うようなまなざしや、優雅な動作が、彼女の雰囲気を、物憂い、ぞくぞくするほど謎めいた印象に仕上げています。

常々思うのですが、動作の美しさは、美人度を、2-3割は軽く上げちゃいますね。
仮にとりたてて美人じゃなくても、動作だけで優雅な印象を受けて、ハッとさせられることって、よくあります。
逆に、きれいでも、がさつな動きをする人は、魅力的に見えないことが多々あります。
あごを突き出して背中をまるめて歩いたり、歩き方と足音が乱暴だったり、道端で座り込んだり、大声であたりかまわずしゃべりまくったり。
きれいにお化粧しておしゃれしてる分だけ、こういう女性は、痛々しく見える気がします。
きれいにした人が、動作まで美しかったら、そのオーラはすごいものになるのに...。

と、いうことを、並外れた美しさと、優雅な動きと、見られている、という緊張感を最大に生かしきった、ネリーを演じる主演エマニュエル・ベアールに、あらためて気づかされます。
女性として学ぶところ大の、大変センシュアルな映画。







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