「髪の毛をもらうね」と母にひとこと断って、
皆が来る前に遺髪を一房切り取り、小瓶に詰めた。
六時半には下の兄が到着して、連れ合いさんも一緒に来てくれた。
葬儀会社に行くのにバイクで着いていくのは無理そうなので、
いったん自宅にバイクを置きに帰り、兄の車で病院に向けて出発したところ、
姉から連絡が入って、病院最寄り駅まで拾いに行くことになった。
姉を伴って病室に戻り、しばらくした所でドクターが死亡診断をしに来た。
瞳孔の収縮も無く、聴診器で呼吸の無い事も確認した。
心電図では02:44分に母の心臓は停止したそうだ。
間もなく上の兄が着き、午前九時前には兄弟全員が病室に揃った。
皆母の死に顔を見て、きれいで安らかだといっていた。
病院側の要望で葬儀社さんには09:30に病室に来てもらい、
母の遺体を乗せて葬儀社の車が病院を出た。
最後は看護師さん三人が見送ってくれた。
わたしは遠くから「ありがとうございました」と大声でお礼を言った。
葬儀の手続きは上の兄が一手に引き受けることになり、葬儀社の車に同乗していった。
下の兄と連れ合いさん、姉とわたしの四人は兄の車に乗り、
ファミレスで少しの間会食して、最寄り駅で姉をおろした。
不在配達の郵便物の受け取りが葬儀に重なってしまうとまずいので、
兄が郵便局の本局に連れて行ってくれることになった。
わたし一人で目的地までたどり着けるか、兄も気を遣ってくれたのだろう。
こんなことでホッとしているなんて、母が死んだというのに、
わたしは本当に気が小さい。エゴイストだ。
郵便物を無事受け取って兄に自宅まで送ってもらった。
ポストには先日注文した、今は亡き我が師の著作が届いていた。
わたしひとりきりになり、これから先何をしていいのか途方に暮れている。
昨夜寝る前に前歯のブリッジが取れてしまったので、
とりあえず明日は朝一で近所の歯科に着けてもらいに行く。
明後日は母の除籍などの手続きがある。上の兄と一緒に役所へ行く。
だが、その後はどうしたらいいのだろう。
付き添い
本当に大変でしたね
お母さまも
充分
お解りだったでしょう
きっと
側で見守ってくださってますね
ご冥福をお祈りいたします
>長い時間の... への返信
夢母さん、コメントありがとうございます。
5週間ほどでしたが、母の病室への滞在を
病院が許してくれて、本当に良かったです。
最後に手を握って声をかけられたので悔いもありません。
ぽっかりと胸に穴が空いた感じですが、
これは時間と共に埋められていくと思います。
母の冥福を祈ってくださってありがとうございます。