イカと好事家氏に、石川町で展覧会をいくつか梯子して、帰りに関内で読書会をしたいと持ち掛けられた。
絵を見るのは付き合わなくてもいいから読書会だけでも出られないか打診されたけれど、
インフルエンザやコロナが流行っているし、やたらと寒い中そのためだけに関内まで出ていくのは億劫なので辞退した。
連絡を昼頃入れて、ちょっと買い物に出た後、少し横になったら夜まで眠ってしまった。
目覚めたら、スコッチの瓶は空。燃料が無くなった。
使い捨てカイロをいくつか服に貼って、布団に潜ったまま大分毛色が違う二本の映画を観た。
『サロゲート』(ジョナサン・モストウ監督 2009 米)
『ピアノ・レッスン』(ジェーン・カンピオン監督 1993 豪)
前者は、サロゲートと呼ばれる現実世界で使えるアバターのような存在が一般に浸透した社会が舞台。
序盤は何となく見ているとただの刑事ものっぽい展開を予想させられたけれど、
中盤から物語の設定を生かしたサスペンスになる。
終盤は意外な人物がサロゲートなのか正体が判ったり、スリリングだった。
『ピアノ・レッスン』は以前から寝かせていて見ていない一本だった。
旦那さんは、迎えに来るのが遅れたり、ピアノを運ぶお金をケチったり、
さらには土地と交換するなどエイダの気持ちを逆なでする行動が目についてそれは無いなと思わされた。
最後に海中にピアノとエイダが沈んでいく場面は、彼女の生きようとする強い意志を描いたのだろうけれど、
神話や物語ならそのまま一緒に沈むのだろうな。
エイダの芯の強さが最後まで通った物語だった。