今日は母の転院日だった。
あいにくの雨で、駅までの道のりを歩いていて何だか陰鬱な心持になった。
10:30 に病院の最寄り駅で姉と落ち合う手筈だったけれど、
予定より30分早くついてしまい、待ち時間はスペイン語を勉強していた。
姉と一緒に病院に行くと、母は既に服を着せられていて
いつでも外に出られる状態になっていた。
会計を済ませたりナースステーションに菓子折りを持って
行ったりしているうちに、介護タクシーの運転手さんが迎えに来た。
母を車いすに乗せて、相談員さんや看護師さんに最後の挨拶をして
タクシーに乗り込んで転院先の病院へ向けて出発した。
途中渋滞にハマることも無く、転院先には思っていたより早く到着した。
わたし達が入院手続きをしている間、母はストレッチャーに乗せられて
一足先に上階に運ばれて行った。
姉も主治医の先生に呼ばれて上に行き、わたしはタクシー料金を支払っていた。
後からわたしも二階に上がり姉と主治医、看護師さんがナースステーションで
話しているところに顔を出した。
主治医の先生は年配で、穏やかな感じの男性だった。
話が終わり、指示を受けて待合室で待つ間、
どこからともなく地獄の亡者のような呻き声が聞こえてきた。
男性の入院患者のようなので、母と同室では無いだろうと
姉と話していたら、看護師さんが呼びに来て母の病室に行った。
母の入った室はあまり大きくない。そこに病床が5つ設えてある。
日光は十分入るので気が滅入るような雰囲気ではなかったが、
すぐ隣に別の入院患者が横たわっているので、
母に話しかけるにも声をひそめなければならない。
長距離の移動と受け入れ時の検査で疲れたらしく、
ベッドの母は口をきけなかったが、また明日会いに来る、
と言葉をかけたら理解しているようだった。
用事が全て済み、病院のシャトルバスで最寄り駅まで運んでもらい、
そこから電車で乗り換え駅まで行って、サイゼリヤで食事にした。
朝から最中を一つ食べただけだったので、わたしはかなり空腹で、
出てきた料理を片端から平らげていた。
ワインで酔ったせいか、それとも転院が無事終わった解放感からか、
母にまつわる束縛から早い所逃れたいと姉は言っていた。
つまり母が早く他界することを望んでいるのだ。
姉もいろいろな手続きなどで疲れているのだろう。
そう考えるとしても姉のことは責められないが、
その話を聞いてあまりいい気持ちはしなかった。
母が転院したばかりで心配なので、明日も二人で面会に行くことを決めて、
駅で姉と別れて帰って来た。
家に着くとポストに CD の包みが届いていた。
MISIA SOUL JAZZ BEST 2020
早速 PC に取り込んで聴いている。幾つかの曲はアレンジが良い。
気持ちを切り替えてスペイン語を勉強しよう。