ボゴールはオランダ植民地時代に栄えた避暑地だそうで(何かで読んだ)、いかにも古い町である。
言い方を変えれば、気取りがなく、穏やかで、ゆったりした町。道路も広々している。
辻辻にはベチャ(自転車タクシー)のおじさんたちが竹笠をかぶってたむろしていて、気軽に乗ることができる。
前の記事で、とても汚い町だと書いたけれど、今になって写真を見ると、それほど汚さは感じない。汚いという印象は、ひとえに、パサール(市場)のぬかるみとゴミ、道路の老朽化とほこり、家の裏のゴミと川への下水の垂れ流し、屋台でおなかを壊したこと、から来ている(余計に汚さを印象付けてしまったか……)。
ジャワ島の民家はれんが色の屋根が多い。ボゴールも同様。
ホテルの窓から、川の対岸の家並みが見えた。
古い町だけあって、緑が濃く、白い壁と赤い屋根との調和がきれいだと思う。
でもどの家も裏にゴミを捨てているのが見えてがっかりしてしまう。
悪口が書きたいわけではない。日本だって昔はそうだったのだ。
だから、これからきれいになる途上にあるのだと思う。
過渡期というのはそういうものだ。
日本の大都市のようにきれいになると、きれいなのはもちろんいいことだし好きだけれど
……事実、日本の清潔さの中にいるとほっとするけど……
その分無機的になり、生命の躍動感は減ってしまう。
ああ、どっちをフォローしていいものやら……キーボードを打つ指が迷って、苦悩。
ホテルのロビーで休んでいると、珍しく女性のガイドが来て、明日町を案内しようともちかけてきた。
「ボートに乗って、川をたどって、街並みを見物しませんか? それから……」
お断りした。ゴミだらけの川、ボートには絶対乗りたくなかった。
ボゴールは、1994年にAPECが開かれ「ボゴール目標」を含む「ボゴール宣言」という貿易・関税に関する宣言が行われたことで、経済に関心のある人にとっては有名らしい(ボゴール会議じゃなかった)。
でも、私にとって有名なのは、ボゴール植物園。
ボゴールに来たのはそれだけが目的だった。
写真/ジャワ島ボゴール(2008年)
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