東京に引っ越してきて一ヶ月が過ぎ、だんだんと満員電車にも慣れてきました。
しかしね、まだまだしっくりこないところも多くて、もっと時間が必要なのかなと思う。
あのね、窓を開けても匂いがしないよ。田舎では、窓を開けたら土や植物の匂いがしていた。時々、田んぼに撒く牛糞や鶏糞の匂いがすることもあって、夕方頃は何かを燃やしてるような煙が流れてくることもあったけれど、東京では窓を開けて匂いを感じることがあんましないよ。
あとね、自転車の人たちが歩道をガンガン走ってる。なぜかしら。危ないのに。
それから、満員電車に子供連れでベビーカーで乗っているママさんたちの根性がすごいよ。
この前、電車に乗っている時に子供がぎゃん泣きしているところに出くわしたのだけど、あまりに仕事で疲れて虚ろになってるサラリーマンのおじさんや、スマホをみてる若い人達が無表情で、ママさんも慌てることなく子供も泣き止むことなく、存在も音も消されたみたいで、なんか怖いなって思った。
私だったら「お願い!泣き止んでー!」っていっぱいいっぱいになって泣いちゃうかも。そんなことくらいで泣いてたら生活できないんだろうけど…。
でもね、別の日にね、スーパーからの帰り道、少しだけ坂になっている道をのしのし歩いていたら、自転車の後ろに子供を乗せたママが、明るく歌いながら颯爽と私を追い越してって、子供がママの歌にきゃっきゃ喜んでいて、それがすごく素敵だった。おぉ!ママ!タフだぜ!かっこいいぜ!って思った。
いっつも「東京の家はほんと狭いわね!どこ行っても人が多いわね!どうしてこんなところに住むの!」と旦那さんにブーブー言っているんだけれど、東京にはいいところもある。
私のふるさとの香川は、お買い物スポットがあんまりなくて、私が高校生の頃に大好きだった高松の商店街は元気をなくしてしまい、最近は再開発でまた盛り上がってきているとはいうけれど、全然そうは思えない。新しく綺麗になっただけで、別に歩いても欲しいものもないし楽しくも何ともないの。
郊外にはゆめタウンやイオンというような大型ショッピングモールができて、ニトリとか無印とかユニクロみたいなどこにでもあるお店が入っているだけ。そりゃぁ、ニトリや無印が車で行ける距離にあるのはす~ごく助かるけれど、癖のある古着屋の店員さんとか、ものすごくセンスのいい輸入雑貨屋さんとか、そういう個人経営のお店は田舎では生き残れなくて随分消えてしまったなと思う。ゼロではないけれど。
東京には、渋谷や二子玉川や下北沢や自由が丘や六本木や三軒茶屋、降りる駅ごとに雰囲気の違う街がいくつもいくつもあり、ちょっと路地裏に入っていくと、個性の強い個人経営の専門店がたくさんある。ここにしか売ってないんだろうなっていうような変なものが見つかるし、お散歩をするのがとても楽しい。
海外から輸入された可愛らしい箱や、小洒落た刺繍のハンカチ、見たこともないような可愛らしいものがどんどん見つかるから、欲しい気持ちを抑えるのに精一杯。
全ての路地裏を回ることはできないけれど、東京にいる間に楽しいもの美味しいもの綺麗なもの、少しずつ見つけていきたいなと思っています。