所沢バッハ・アカデミーの第37回定期演奏会。
曲目はミサ曲2本立てで
シューベルト ミサ曲第6番 D.950
ハイドン ネルソン・ミサ HoB.XX11:11
最初に演奏されたのはシューベルト。
先月はピアノ三重奏の1番、今月はミサ曲第6番とシューベルト晩年の傑作を立て続けに聴くことができてウレシイ。
静謐なキリエから親しみやすい美しさと底知れない深遠さが同居するシューベルト世界にどっぷり浸かり、正気を失った。
1時間近くの大曲であるが、ひたすら感動の連続!
そんな中で、感動の極致を一点だけ挙げるとすると、やはりアニュス・デイだろう。
冒頭はアニュス・デイというより「怒りの日」を思わせる。
ここを聴くと、どうしてもシューベルト自身の死への恐怖を感じざるを得ない。
この旋律はどこかで聴いたことがあると思っていたが、バッハの平均律第1巻4番嬰ハ短調のフーガを引用しているとのこと。
なるほど。このフーガは5声2/2拍子で極めて厳格な雰囲気。バッハの主題もグレゴリオ聖歌か何か古い音楽の引用を思わせる。
恐怖のアニュス・デイも、次のdona nobis pacemに進むと平安が訪れる。
独唱も加わり、普通ならこれで平和に終わるところ。
ところが、なんということか!平安は無残に断ち切られ、恐怖のアニュス・デイが戻ってくる!!
こう来る、と分かっていても戦慄せざるを得ない。
そして恐怖がクライマックスに達した瞬間にdona nobis pacemに切り替わるところは、もう表現のしようがない。
ここで感動しない人は音楽にはご縁がないのでは、と言いたくなるような感動ポイントである。
こちらは自筆譜最初のページにあるシューベルトのサイン。
1828とはっきり書いてあるが、かくも偉大な傑作を書き上げた年に世を去ることになると、シューベルト自身も含め誰が思ったであろうか。
かくしてシューベルトが終わると放心状態に陥り、休憩時間もミサ曲が鳴りっぱなし。
次のハイドンも名曲中の名曲なのであろうが、シューベルトでぐったりしてしまいどうも身が入らない、というのが正直なところであった。
フルコースの後に折詰弁当が出てきたような感じなので、やはりハイドン→シューベルトの順番の方が良かったかも。
それにミサ曲ダブルヘッダーはやはりキツい。
典礼としても変な気がするので、レジナ・チェリとかリタニアとか別の曲とミサ曲を組み合わせるのが良さげに思う。
と、まあ、つべこべ書きましたが、素晴らしい演奏会でした!!
曲目はミサ曲2本立てで
シューベルト ミサ曲第6番 D.950
ハイドン ネルソン・ミサ HoB.XX11:11
最初に演奏されたのはシューベルト。
先月はピアノ三重奏の1番、今月はミサ曲第6番とシューベルト晩年の傑作を立て続けに聴くことができてウレシイ。
静謐なキリエから親しみやすい美しさと底知れない深遠さが同居するシューベルト世界にどっぷり浸かり、正気を失った。
1時間近くの大曲であるが、ひたすら感動の連続!
そんな中で、感動の極致を一点だけ挙げるとすると、やはりアニュス・デイだろう。
冒頭はアニュス・デイというより「怒りの日」を思わせる。
ここを聴くと、どうしてもシューベルト自身の死への恐怖を感じざるを得ない。
この旋律はどこかで聴いたことがあると思っていたが、バッハの平均律第1巻4番嬰ハ短調のフーガを引用しているとのこと。
なるほど。このフーガは5声2/2拍子で極めて厳格な雰囲気。バッハの主題もグレゴリオ聖歌か何か古い音楽の引用を思わせる。
恐怖のアニュス・デイも、次のdona nobis pacemに進むと平安が訪れる。
独唱も加わり、普通ならこれで平和に終わるところ。
ところが、なんということか!平安は無残に断ち切られ、恐怖のアニュス・デイが戻ってくる!!
こう来る、と分かっていても戦慄せざるを得ない。
そして恐怖がクライマックスに達した瞬間にdona nobis pacemに切り替わるところは、もう表現のしようがない。
ここで感動しない人は音楽にはご縁がないのでは、と言いたくなるような感動ポイントである。
こちらは自筆譜最初のページにあるシューベルトのサイン。
1828とはっきり書いてあるが、かくも偉大な傑作を書き上げた年に世を去ることになると、シューベルト自身も含め誰が思ったであろうか。
かくしてシューベルトが終わると放心状態に陥り、休憩時間もミサ曲が鳴りっぱなし。
次のハイドンも名曲中の名曲なのであろうが、シューベルトでぐったりしてしまいどうも身が入らない、というのが正直なところであった。
フルコースの後に折詰弁当が出てきたような感じなので、やはりハイドン→シューベルトの順番の方が良かったかも。
それにミサ曲ダブルヘッダーはやはりキツい。
典礼としても変な気がするので、レジナ・チェリとかリタニアとか別の曲とミサ曲を組み合わせるのが良さげに思う。
と、まあ、つべこべ書きましたが、素晴らしい演奏会でした!!