(*優しい七色の環/光とシャボン玉2/Secret Gardenより)
Secret Garden
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数年前、短い期間だったが、職場に中国人の同僚がいた。
僕の持った彼の第一印象と特徴は、
① 友好的(特に当初)
② 喜怒哀楽が分かりやすい
③ 腰の位置が高い(足が長い)
などで、僕に対してはずっと友好的だった。(僕も気を使って微笑み返したし)
それになかなかのアイディアマンで、「有るものをうまく使う」ってことを彼から学んだ面がある。職場には彼が取り付けた「自家製的共用物」が今でも使われている場所がある。僕はそんな彼と付き合いやすかった。
数か月が経ったある日、盗難事件が発生した。保管金庫から現金が盗まれたのだ。
その少し以前から、もろもろの国民性「価値観の相違」的な問題で、彼は周りの日本人と合わなくなっていた、らしい。ローテーションの違いから、彼とは2時間程度しか一緒に働かなかったので、実情は不明だが、よく腹を立てていたという。
だんだん彼への疎外感が増す中、事件は起こった。
警察が入り夜勤の人間が真っ先に疑われた。というか、取り調べ上当然のことだとは思われる。(僕も主に夜勤が中心だ)
結局真相は分からなかった。誰かが容疑者として逮捕された、などという事態にもならなかった。僕は外部者の犯行なのでは・・・と勝手に考えていたが、会社としての公表も全くなかった。
そんな時、彼はついに上司とぶつかった。正面衝突だ。別フロアでの事なので理由は分からないが、その日はちょうど僕も居合わせた。彼は大声で何かを叫びながら部屋を出て行く。僕は後を追った。
「ジョーさん、ごめんね。くびになった。でも、わたしは大丈夫。」
それが最期の言葉で、彼はスッと手を差し出した。僕たちは握手をした。
「やめちゃうの・・・?がんばってね。」それしか言えなかった。
その後、当然のことのように、彼が犯人だと噂が立った。
中傷に腹も立ったが、それ以上に悲しかった。僕はいまでも別れ際の彼の笑顔を忘れていない。
あの時、「友人」の一人を失くしたことを知った、愚かな自分。
(*いつかもっと自由になって/空とオリーブの木/Secret Gardenより)
みなさん、世の中いつ何時、何が起こるか分かりません。できればなるべく後悔の少ない人付き合いしたいものです。
意外に気の合う人間が、ほら、あなたのすぐ近くにいるのかもしれません。
ゆりの歌う「Keep on smile」が聴こえてきました☆