フィレンツェ市内及び近郊に点在する
メディチ家の別荘群は
今年1月に正式にユネスコの世界遺産への
登録申請を行っています。
登録される建物群は下記の通り14件。
Giardino di Boboli(ボボリ庭園)
Giardino di Pratolino(プラトリーノ公園)
Villa di Cafaggiolo (カファッジョーロ荘/Barberino di Mugello)
Villa Il Trebbio (イル・トレッビオ荘/San Piero a Sieve)
Villa di Careggi(カレッジ荘)
Villa Medici di Fiesole(フィエゾレ・メディチ荘)
Villa di Castello(カステッロ荘)
Villa di Poggio a Caiano(ポッジョ・ア・カイアーノ荘)
Villa la Petraia(ペトライア荘)
Villa di Cerreto Guidi(チェッレート・グイディ荘)
Palazzo di Seravezza(セラヴェッツァ宮)
Villa La Magia (マジア荘/Quarrata)
Villa di Artimino (アルティミーノ荘/Carmignano)
Villa di Poggio Imperiale(ポッジョ・インペリアーレ荘)
このうち、主要構成建築は下記のようなものになります。
Villa Medicea di Castello(カステッロ荘)
フィレンツェ郊外カステッロ地区にあり、
ペトライア荘にもほど近い別荘。
ボボリ庭園に継ぐ、
豊富な植物の多様性を誇る庭園に囲まれています。
メディチ家の時代から
冬の間に柑橘類の樹木を保護する目的で作られた
温室リモナイアは有名で、
今でも特殊な接ぎ木などによる
柑橘類の新種交配なども行われています。
また、イタリア語純化を推進するべく
1583年に設立された
l'Accademia della Crusca(クルスカアカデミー)の
本拠地が置かれています。
Villa la Petraia(ペトライア荘)
カステッロ荘からほど近く、
非常に良く手入れされた別荘の一つ。
1800年代
フィレンツェが統一イタリアの首都となった時代には
イタリア国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世
(Vittorio Emanuele II)が
暮らしたことでも知られています。
建物内は絵画やフレスコ画、
調度品、タペストリーなどで装飾され
非常に華やかな雰囲気になっています。
多くの彫刻作品も残され、
特にジャンボローニャ(Giambologna)の
ヴィーナス(Venere)が有名。
宮殿の裏手のユートピア思想に基づくロマン主義の公園、
宮殿の手前には美しいイタリア式庭園が広がります。
Villa Poggio Imperiale(ポッジョ・インペリアーレ荘)
ミケランジェロ広場の裏手の丘(Colle di Aretri)にある別荘。
現在はネオクラシックの建物に改装されて
国立女子寄宿学校が置かれています。
かつてVilla di Poggio Baroncelliと呼ばれたころの
古い面影を残すのは
入り口を入ってすぐの中庭部分のみ。
ここにはフィレンツェ滞在中の
若きモーツァルトが奏でたというピアノが保存されていたり
メディチ家やロレーナ家の東洋趣味を反映した
中国陶器などの膨大なコレクションも収蔵されています。
Villa Careggi(カレッジ荘)
ロレンツォ・イル・マニフィコ
(Lorenzo il Magnifico de' Medici)が
当時のプラトン学派アカデミー
(L’Accademia Platonica)内の
メンバーとよく集った場所であり、
彼が晩年を過ごした別荘でもあります。
最もメディチ家らしさを残すメディチ荘であるともいわれます。
ここにも非常に種類の豊富な植物を擁する
庭園が残っています。
数年足を運んでいないメディチ家の別荘群、
季節がよくなったら久々に巡ってみたいです。