不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Cappella Rucellai annesso Museo Marino Marini

2013-02-27 18:54:44 | アート・文化

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会からも近く
ルチェッライ宮殿の裏手の
同名の広場にある旧サン・パンクラツィオ教会
(ex-chiesa di San Pancrazio)は
すでに神聖を解かれ、一時は葉巻製造工場だったり
軍隊の倉庫であった時代もありますが、
現在はマリーノ・マリーニ美術館
(Muse di Marino Marini)となっています。
ただ、この教会の一部のみは、神聖をとかれることがなく、
そこにルチェッライ礼拝堂(Cappella Rucellai)があります。
同名の礼拝堂はサンタ・マリア・ノヴェッラ教会内にもあり、
そちらのほうが一般には知られているのかもしれません。

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教会の名前に冠されているパンクラツィオは
4世紀の初めにわずか14歳で殉教したと伝えられる聖人です。
教会の起源は古く、
シャルルマーニュ(Carlo Magno)が建設した
との記述も残っているようです。
1300年代から増築改装が始まり、
1400年代後半になると
Giovanni Rucellai(ジョヴァンニ・ルチェッライ)が
お気に入りの建築家Leon Battista Alberti
(レオン・バッティスタ・アルベルティ)に
教会左脇の礼拝堂の改装を依頼します。
この改装は1467年に完了し、
ここには現在までアルベルティの小さな傑作が残されています。

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それがTempietto del Santo Sepolcro
(サント・セポルクロ神殿)と呼ばれるもので、
エルサレムの聖墳墓の忠実な縮小版復元でもあります。
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のファサードと同じように
白と緑の大理石をメインに使って幾何学模様で飾られ、
非常にシンプルでありながらエレガントな佇まいとなっています。
この神殿のなかに
制作依頼主のジョヴァンニ・ルチェッライが永眠しています。

神殿の外壁を飾る30枚のパネルには
全て異なるシンボルが描かれていて、
単純な幾何学模様もありますが、
中にはジョヴァンニ・ルチェッライの個人紋であった
「風を孕む帆」もありますし、
メディチ家のメンバーの個人紋も用いられています。

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ジョヴァンニ・ルチェッライの息子と
メディチ家のロレンンツォ・イル・マニフィコの姉が
1460年に結婚したことで、両家の絆ができたため、
ルチェッライ家の紋と並んで
メディチ家のものも使われているのです。

神殿の上辺は連続するゆりの紋章で飾られ、
柱頭やフリーズ装飾などの細工も
どれも均整が取れた美しい作品です。

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礼拝堂だけが時々見学可能になることもありましたが、
管理の問題と修復のため、
長年一般の見学ができませんでした。
今回、隣接のマリーノ・マリーニ美術館に組み込むことで
2013年2月18日より通常一般公開が実現しました。


Museo Marino Marini e Cappella Rucellai
Piazza San Pancrazio, Firenze
開館時間: 10:00-17:00
休館日:火曜日、日祝祭日
入館料:4ユーロ
インフォメーション: www.museomarinomarini.it
*ルチェッライ礼拝堂は混雑している場合は、
30分毎の入れ替え制で最大25名の入場


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