不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Un Flash Back

2014-09-11 02:01:51 | Tra la mente e il cuore
私は基本的に、あまり昔の記憶に縛られない。
というか、昨日の出来事でも結構簡単に記憶を喪失する。

別に日常生活に支障があるわけでもないんだけど。

そんなわけで、
結構昔のことなんか聞かれても覚えていなかったりするし
自分で思い返すこともほとんどない。

でも時々、自分の意思に反して突然蘇る記憶があったりする。

今朝早く激しい雨の音で目が覚めて
ふと何気なくスマートフォンのスクリーンの
日付と時間に目をやった時
思いもよらない景色がよみがえってきた。

2001年9月11日。
副校長兼秘書をしていた、
フィレンツェの語学学校での小さな専用スペースで
そのニュースを初めて知った。
当時の校長の、若い彼女がニューヨークに暮らしていた。
彼女は幸いにも無事だったけれど、
校長の慌てふためいた姿や動揺に
自分まで揺れ動かされているような感覚だった。

その時の光景がなんだか昨日のことのように脳裏に映し出されて
一瞬自分がどこで何しているのか分からなくなった。

あれからもう13年。
歳月の経つのは早い。
その語学学校で働いていた日々のことだって
いまでは全く思いださないくらい、昔のこと。

それなのに。
忘れている気がしているだけで、
自分の脳と肉体に衝撃があった出来事の記憶は
自分のどこかに眠らせてあるだけなんだってことにも
改めて気付いた雨の9月11日。

そして、東日本大震災からも3年半。
これについては、未だ忘れてもいないし
忘れさせようとさせる意図的な負の力に抗っていたいと思ってる。