不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Gatto Selvatico

2012-02-22 23:46:57 | 日記・エッセイ・コラム

2月22日はニャンコの日なんだ。
日本は語呂合わせでいろんな記念日作りますね。

そんな猫の日に
たまたま偶然見かけた記事は
Gatto Selvatico(Felix Sylvestris)についてだった。
イタリアにずっと昔から生息するといわれる
野生原生の猫、山猫というべきなのかな。
夜行性の非常に強い動物なので
ほとんど日中見かけることはないようですけどね。

でも見かけたら人目で他の猫とは区別がつくらしいです。
まるで宙に浮いているかのような
非常に軽く速い足取りで動くんだそうです。
チッチーノには到底真似はできまい・・・。

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トラ猫によく似た模様ですが、
体側に特徴的なはっきりした縞模様があり、
背中に一本筋が通っているらしい。
そして何より尻尾がかなり太いんだって。
尻尾の太さは
もしかしたらチッチーノも負けないかもしれない。

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というGatto Selvaticoの画像はこちらこちら

Selvaticoという名称が示すとおり
非常に懐きにくい種なのだそうです。

今イタリアの家庭で飼われている猫の先祖は
この山猫が起源ではなく
もっと性格が温厚なアフリカの猫が
元になっているそうです。
中東地域で何千にもわたり交配が重ねられて
家猫は作られたのですね。
人間が猫を買うようになったのは
ねずみ駆除のためという側面も強いのですが、
この山猫はねずみはもちろん
ウサギくらいまでの大きさの小動物も獲物にします。

トスカーナのマレンマ自然公園では
1970年代に一度絶滅し
イタリアのほかの地域から
番をつれてきて繁殖を試みて
現在は数を増やしてきているようです。

イタリア国内では中部から南部のアペニン山脈、
ガルガノ半島、シチリア、サルデーニアに多く生息し
北限はリグーリア・アルプスといわれています。
しかし、昨今では温暖化と
森林化政策による緑地の増加などもあり
北部イタリアでも目撃されるようになっているそうです。

そんな彼らの天敵は実は家猫なんだそうで。
もちろん喧嘩すれば山猫のほうが断然強そうですが
家猫を介して罹病したり
うっかり交配してしまったりすると
種が途絶えてしまいかねないのですね。


Tweet della giornata

2012-02-22 18:08:16 | Tweet Log



Dedalo Forgia le armi di Achille

2012-02-22 01:22:28 | アート・文化
ギリシア神話に登場するDedalo(デダロ/ダイダロス)。
偉大なる建築家であり、彫刻家であり、
発明家であったとされています。
Metione(メティオネ/メーティオン)の息子で、
出身とされるアテネでは
優秀な彫刻家として知られていました。
自身のアシスタントであった、
甥に当たるTalo(タロ/タロス)の才能を妬んだ挙げ句に殺害し
それを理由にアテネを追われ、
Minosse(ミノッセ/ミノース王)を頼って
クレタ島に移住します。

ミノース王の保護下で才能を発揮したダイダロスは、
Poseidone(ポセイドン)が送り込んだ
美しい聖なる牡牛に恋をした
Pasifae(パシファエ/パシパエ王妃)のために
木製の雌牛のかぶり物を制作し
それを使ったパシパエが身籠って産み落としたのが
牛の頭をもつMinotauro(ミノタウロ/ミノタウロス)。

元々は自分がポセイドンを裏切ったことに端を発する
一連の出来事でミノタウロスを殺すわけにもいかず、
しかし、自身の妻であるパシパエ王妃の醜聞を隠すために
ミノース王が依頼してダイダロスに作らせたのが
有名なミノタウロスの迷宮。

ミノース王はミノタウロスの食料のために
9年毎に7人の少年と7人の少女を
アテネから送らせていたのですが、
3回目に送り込まれたTeseo(テセオ/テセウス)に
ダイダロスが迷宮の脱出方法を教えたことで、
ミノース王の怒りを買い、
息子であるIcaro(イカロ/イカロス)とともに
自分が制作した迷宮に閉じ込められます。
ダイダロスはそこから脱出するために、
鳥の羽を使って二組の翼をつくり
蝋で自分と息子の身体につけ、
その翼で飛んで見事脱出したのですが、
そのときにイカロスは調子に乗って太陽に近づきすぎて
蝋が溶けて海に墜落してしまうのです。

クレタ島から逃げ出したダイダロスはシチリアに逃げ、
その後サルデーニアに移住して
平穏に暮らしたと伝えられています。

このダイダロスがEfesto(エフェスト/ヘーパイストス)の元で
Achile(アキーレ/アキレウス)の武具を作った
と伝えられています。

Patroclo(パトロクロ/パトロクロス)はアキレウスに隠れて
彼の武具を身につけトロイ戦に臨むことになり
そこで敵軍のEttore(エットレ/ヘクトール)と一騎打ちになり
パトロクロスは命を落とし、
アキレウスの武具は戦利品として
トロイ軍に持ち去られてしまいました。
友人の死を悲しみ、
トロイ軍に再び挑む決意をしたアキレウスは
母であるTeti(テティ/テティス)に武具の調達を懇願し、
テティスが即座にヘーパイストスに依頼して
武具を準備したのですが、
そのヘーパイストスの工房に
ダイダロスもいたと伝えられているわけです。

ヴェッキオ宮殿のSala degli Elementi(四元素の間)には
壁三面に「火」、「水」、「土」、
天井に「空気」のアレゴリーが描かれています。
このうち「火」の面の右脇に
鉄を鍛えてアキレウスの武具を制作する
ダイダロスが描かれています。
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しかし、相変わらずギリシア神話は複雑です。