不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Forse Eataly a Firenze

2011-12-07 14:03:20 | アート・文化

日本にも進出しているEataly。
しかし、フィレンツェにはありません。

Eatalyの発案者は
ピエモンテの実業家
Oscar Farinetti(オスカー・ファリネッティ)。
高品質の食材を扱う巨大な食材店を
イタリア国内だけでなく
全世界に展開しています。

3年ほど前から
Farinetti氏はフィレンツェへも進出をもくろみ
あちこち物件を物色しているようなのですが
条件の合うものが見つかっていなかったようです。
それがここに来て急に事態が進展したらしい
という噂が流れています。
ドゥオーモからサン・マルコ広場に向かう
Via Martelli(マルテッリ通り)に
Martelliという巨大書店があったのですが、
残念ながらコスト肥大化で9月半ばに閉店しました。
この空き物件に
Eatalyが入るのではないかといわれています。

Farinetti氏本人が物件下見をしたときには
Eatalyを展開するには
スペースが小さすぎると懸念していたようですが
フィレンツェでは市長をはじめ、
かなり乗り気になっているようで
色々後方支援を始めている様子。

市街地全体が歴史地区に指定されているフィレンツェでは
既存の建築物を保持したまま、
新しい事業を開始することになりますが
なかには用途の決められている物件もあります。
経営が変わっても
基本的に本屋は本屋、レストランはレストランなのです。
共和国広場の老舗映画館Gambrinusが
Hard Rock Cafeに切り替わったときにも、
その利用用途がネックになったのですが、
どうしても欲しかったフィレンツェ市は
特別措置で用途の一部変更を許可したのです。
今回のMartelli→Eatalyの件も
表面積の70%は書籍販売、
30%が食材取り扱い可という条件ですが
これを特別措置で
変更許可する可能性も十分出てきました。
というのも食材販売がメインとなるEatalyにとって
Martelliの物件の表面積の30%は
小さすぎて使えないのです。
フィレンツェ市にとってみれば、
そこまでしてもEatalyに入居してもらいたい
ということなのでしょう。

しかしながら、
Eatalyの現時点での最優先項目は
どうやらローマにショップを開けることのようで、
フィレンツェはその後になる可能性もあります。

いずれにしても実現すれば、フィレンツェにもEataly。
そして
これまでのこの物件の伝統事業であった書籍販売と
高級食材販売が同居する、
新しい事業が展開されることになります。
Eatalyの目指すところは
「自覚をもって食や食材に向き合う人々を増やすこと」。
関連書籍の販売なども強化することによって
彼らの理想に近づけるのかもしれません。