不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Un pittore per due nemici

2010-10-12 12:57:18 | アート・文化

先週La Pala di Brera(ブレラの祭壇画)を紹介したのは
久しぶりにこの絵画を確認して「卵」が気になったからですが、
なぜ久しぶりに確認したのかといえば、
この絵画がメインとなる展覧会が予定されているから。

ピエロ・デッラ・フランチェスカが仕えた
ルネッサンスの時代の二人の豪傑、
Sigismondo Pandolfo Malatesta
(シジスモンド・パンドルフォ・マタテスタ)と
Federico da Montefeltro(フェデリコ・ダ・モンテフェルトロ)は
どちらも野心家の傭兵隊長でありながら、
非常に公平でまた教養もあり
支配したそれぞれの都市で芸術を保護し、
善政を行ったことでも知られています。
マラテスタのリミニ、モンテフェルトロのウルビーノ。

またどちらも自己のイメージ戦略として
文化や芸術を巧みに利用し
当時の最先端を行く芸術家に多くの作品を発注しています。

そして当時大人気だった
稀代の画家ピエロ・デッラ・フランチェスカに
二人とも目をつけたのです。

ブレラ絵画館とルーブル美術館の間で
取り交わされた交換契約では
2010年からの5年間で
両者の作品を交換し合うことになっています。
この契約に基づきブレラ絵画館では
ルーブルの作品を迎えて
この先6つの展覧会が予定されています。
今回の展覧会では
ブレラ所蔵のPala di Breraがモンテフェルトロ側、
ルーヴルからの貸し出しとなる
Ritratto di Sigismondo Pandolfo Malatesta(肖像画)が
マラテスタ側。

大きさの異なる2点ですが、並べて鑑賞することによって
ピエロ・デッラ・フランチェスカの
画風の明晰さを再認識することができます。
フェデリコとシジスモンドは
どちらも左側面からのプロフィールで描かれていることから
ひとつのテーマ(横顔肖像)での分析も可能です。

Sigismondopandolfomalatesta

Piero della Francesca
Un pittore per due nemici
会場: Pinacoteca di Brera(ブレラ絵画館) ミラノ
会期: 2010年10月27日から2011年1月30日まで
開館時間: 08:30-19:15
休館日: 月曜日、12月25日、1月1日
入場料: 11,00ユーロ