不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Giovanni Bellini a Scuderie del Quirinale

2008-10-07 13:11:05 | アート・文化

アルブレヒト・デューラー(Albrecht Durer)が
「すべての画家の中の最高峰」と称えた
ジョヴァンニ・ベッリーニ(Giovanni Bellini)は
1400年代半ば以降のヴェネツィアで活動し
当時ヴェネツィア周辺で活動していた画家たちの
基準点となった人物。

画家を父に持ち、弟も画家となり、
義兄弟にアンドレア・マンテーニャ
(Andrea Mantegna)をもつという
非常に恵まれた環境にあり、
彼自身の工房からは
Giogione、Sebastiano del Piombo、
Tiziano、Lorenzo Lottoなど
次の世代のヴェネツィア絵画を代表する
画家が輩出されています。
当時から常に評価が高く、そのため依頼主の払いもよく
1516年にこの世を去ったときには
相当な遺産を残したといわれています。

「マエストロたちのマエストロ」と呼ばれるベッリーニは
宗教的な題材であっても世俗的なテーマであっても
人物像と背景のバランスが非常によく取れた
まとまった作品を製作することに長けていました。
その光のやわらかさ、人物のリアルさ、
細部への異様ともいえるこだわりなどは
ヴェネツィア絵画の特徴として受け継がれたもの。
特に背景に描かれる植物描写などは
その詳細さに目を見張るものがあります。

1949年にヴェネツィアでBellini展が開かれて以降、
彼のモノグラフィー展は企画されず、
今回ローマの
Scuderie del Quirinale(スクデリエ・デル・クイリナーレ)で
約60点を集めた戦後初のベッリーニ・モノグラフィー展となります。
彼の生涯で作成し、文書の残っている確かな作品は
約120点といわれていますので
その約半数が出展されることになります。

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彼の代表作として知られる多くの聖母像をはじめ
傑作の多く選ばれている展覧会ですが
特に今回初めて出展となる
ヴィチェンツァのサンタ・コロナ教会(Santa Corona a Vicenza)
のために描かれたBattesimo di Cristo(キリスト洗礼)や
通常ヴァチカン博物館所蔵のPala di Pesaro(ペーザロの祭壇画)
といった祭壇画は必見。

Giovanni Bellini
会期:2008年9月30日から2009年1月11日まで
開館時間:10:00-20:00、金曜日・土曜日は10:00-22:30
会場:Scuderie del Quirinale ローマ
入場料:10,00ユーロ
詳細インフォメーション:
http://www.scuderiequirinale.it/canale.asp?id=774

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