不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Senza velo

2006-08-23 01:05:00 | 日記・エッセイ・コラム

前のエントリ用に写真撮影もかねて
サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会広場へ向かったとき。

蒸し暑い8月の終わりの日曜日の午後。
ドゥオーモから広場に伸びる
Via dei Serivi(セルヴィ通り)にはあまり人影もなく。

道行く人もまばらで
そんななかを右左きょろきょろしながら
広場へ向かう途中、
平穏な夏の日曜の午後にあっていいのか悪いのか
判断しかねる映像が私の視界をかすめ、
反射的にその映像を確認しようと思って
そちらに目を向けると・・・。

通りに面した二階の窓に白い人影。

一瞬わが目を疑う光景。

窓辺には一糸纏わぬ姿の女性が仁王立ちして
憂い気にタバコに火をつけようとしている。

見ちゃいけないものを見た気がして
目をそらそうとしたそのとき、
彼女がふと目をあげた。
若い東欧形の顔。
私の視線と彼女の視線が絡んだ瞬間に
彼女がすごく意味ありげに微笑んだ。

負けた。
いや、いろんな意味で負けたなぁと。

logo_albero4 banner_01