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不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Tra la mente e il cuore 24.02.2013

2013-02-24 22:31:25 | Tra la mente e il cuore
別にオスカーの行方が気になるわけでもないんですけど、
先週末みた作品はそれぞれノミネートされているようなので。

日本では未公開らしいけれど、
Re della terra selvaggia。

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YouTube: Re Della Terra Selvaggia - Trailer Italiano


作品紹介などに書かれているほど
父と娘の愛情が描き込まれているとも思えないし、
すごく大雑把な作りすぎて、
あとからよく考えないと理解できない部分もあるんだけれど、
私は好きだなぁと思った作品。
印象的なのは、主人公の女の子ハシュパピが
色んな動物に耳を当てて心音を聞くシーン。
生きていることの確認をしているんだろうけど、
葉っぱも耳に当てて心音確認して
とくんとくんいってないから食べちゃうシーンは
可愛らしいし、なんかとても自然だなぁって思ったり。
L’intero universo si regge sull’incastro perfetto di tutte le cose.
Se un pezzo si rompe, anche il più piccolo,
l’intero universo si rompe.
地球の温暖化による地上の様々な変化についても、
自分の周りの人間関係の調和についても、
同様にいえることなんだろうなと思う台詞。
たとえ小さなものでも壊してしまうと、
それはやがて宇宙全体を崩壊させてしまう。
我々人類が犯し続けている過ちに対する警鐘でもある作品。

Lincoln

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YouTube: Lincoln - Trailer Italiano Ufficiale HD


アメリカ史に興味がなく、アメリカの歴代大統領についても
ごくわずかな知識しかないので、
この作品も友人に誘われなかったら
観に行かなかったかもしれない。
作品の中で描かれているリンカーンは
よくいわれる喧嘩っ早さはあまり強調されず、
むしろ、すごく穏やかで
自分の求めるもののために
ひたむきに立ち向かう人物として描かれているような気が。
彼自身はもともと白人と黒人が平等だなどとは
これっぽちも思ってなかったし、
奴隷制の解放は市民戦争終結のための
単なる政治的手段としか考えていなかっただろうけれど、
それでも歴史を変えたということには間違いない。
政治ってそういうものなのかもしれないなぁって。
理想や真実を誠実に追い求める人は
きっと政治家にはなれない。
政治には常に裏工作があるんだなっていうのも
改めて思い知らされる作品でもあった。

Djangoから始まって、
アメリカの奴隷制や、
そこに根幹のある、一種の地域差別を取り扱った作品を
立て続けにみた1ヶ月。
未だに人種差別問題を克服できない愚かな人類なんだけれど、
リンカーンの奴隷解放から100年ちょっとで
オバマ氏がアメリカ大統領になったことだし、
2月28日で退任する教皇を次いで
次期教皇の座につくのが白人でなかったら
また少し、世界は変わるのかなと、淡い期待を抱いてみたり。


Tra la mente e il cuore 11.02.2013

2013-02-11 18:29:31 | Tra la mente e il cuore

ベネデット16世辞任表明で揺れ続けた月曜日のイタリア。

私は別のもっと下世話なニュースを検索しようと思って
(ミラノのM5線開通というニュースをね)
いつも見ているサイトを開いた瞬間に、
トップニュースが入れ替わって
教皇辞任の第一報に出くわしちゃったわけです。
最初は2行しかないニュースで
直後のラジオでも詳しいことは何も報道されず。

徐々に全容が明らかになっていったわけですが、
最初は信じられなくて驚くばかりで
エイプリルフールだったっけとか疑ってみたり。
そして、ここ数年不祥事続きの
ヴァチカン内部の様々な捜査の手が
教皇本人の身辺に及んでいるからではないのかとも疑ったりも。

結局、齢を重ねることで
教皇であることの重責に耐えられるだけの体力がなくなったから
というのが教皇ご本人が発表した辞任理由。
本人がそういうのなら、
それは尊重もしようと思うけれど、
重病を患い、公衆の面前で涎を垂らすような、
ともすれば情けないともいえる姿を晒しながら
最後の最後まで教皇であり続けた前教皇を見ているだけに
あまりにも潔い辞任表明に
実感が湧かなかったのが正直なところ。

表明全文を読んでみて、
多分裏には色々あったとしても
彼自身の気持ちは
かなりその表明文に近いものなんだろうなと思った。
そして、カトリック教会総本山のトップを辞任するって
自らの意思を表明するまでは
それこそ、
我々庶民などには想像のできない心の葛藤があり、
決意を伝えるのはとてつもない勇気が必要だったろうし。
何よりも、自分はその任務を遂行するレベルにないと
自分の無力さをも認めなくてはならないというのは
相当な謙虚さを強いられたんじゃないかと思うと、
今度献灯しに行く機会があったら、
ベネデット16世の
心の平穏のために祈ろうと思ったりもする。

教皇って少なくとも
この世の中のカトリック教会の最高位であるとはいっても
もちろん神そのものではないし、
単なる神の仕えであり、
我々と同じ世界にいて、とても人間的な部分もあって当然。
そういう一面をさらけ出したという意味では
前教皇と同じなのかもしれない。

私はベネデット16世にまったく親近感が持てず、
これまでもずっと
前教皇ジョヴァンニ・パオロ2世と比べてばかりいた。
私程度がそうなのだから、
世界にはそういう人が多かっただろうし、
ヴァチカン内部にも
そういう人は多かったんじゃないかと。
前教皇が偉大だったことは
ベネデット16世も認めてはいるけれど
ずっとその陰に生き、比べられ続けるというのも
実際にはかなりの忍耐力が必要だったんじゃないかと、
ふと思った。

教皇の辞任表明という
イタリアに居るからなおさら
その震撼の振れに敏感に触れてしまうできことで
それがどんな職務であろうと
辞任するというのは
ものすごいパワーのいることだということや
人間を比較せず
それぞれの能力で評価しなくてはということを
改めて知る機会になったかも。


Tra la mente il cuore 25.01.2013

2013-01-25 00:07:56 | Tra la mente e il cuore

新車の販売台数が減っているといわれるイタリアですが、
いくら経済不況とはいっても
やはり既に所有している自家用車を
乗り捨てる人は少ないですよね。
維持費かなり高いのに。

2012年のイタリアでの自家用車の維持費。
燃油費、保険代金、税金、修繕費結構かかるよねぇ。

私は18年のイタリア生活、
街の便のいいところに住んでいることもあって
自家用車の必要性を感じたこともないし、
維持費の高さを考えればもたないほうがよいと思っていて
別段困ったこともなかったんだけど。
以前はフリーランスで仕事していて
フィレンツェの外に出る仕事もあったので、
その場合には必要に応じてレンタルは利用したけど。
そんなのも年に多くて5回とかそんなものだったしなぁ。

自家用車の維持費なんて、
各家庭で異なるものでしょうけど、
イタリア自動車クラブがたたき出した平均値では
2012年の自家用車維持費は3500ユーロだそうです。
ヨーロッパ諸国に比べると平均1500ユーロも高いみたい。
高すぎじゃないの??

燃油費は世界的に値上がりしましたが、
2012年イタリア国内では15%増。
過去に年では25%増だそうです、驚き。
これに加えて、こっそり高速代金も
年間平均53ユーロ増と値上がりしていたので、
都市間移動している人には痛手だったでしょうね。
そして自動車保険にいたっては1年で平均78ユーロ増。
保険に入らないと不安だろうし、
入れば懐が痛いみたいな。

確かに高いとは思う。
思うけれど、
維持費が高いって文句いっている人のうち、
街中に住んでいて、
実際自家用車の必要性が低い人は
一回手放してみるといいんじゃないかと思うけどね。
そりゃぁ、郊外の人里離れた、
バスは一日一度くるような
狐や狸と仲良くなれそうなところで暮らしている人には
自家用車なしで暮らせというのは酷な話だろうけど。

環境のことも考えたら、
自家用車の数は減らしていくべきだと思うけど、
そんなこというと
日本やイタリアの産業を支えている
自動車産業に打撃を与えかねなくて、
いろんな方面から反対されるんでしょうけどね。

そういえばイタリアでもプリウス本当に増えたねぇ。
特にタクシーでプリウス使っているドライバーは
フィレンツェでも増えているものね。
NCCといわれる、
旅行代理店がよく使っているドライバー付専用車。
これは高級感出さなきゃいけないせいなのか、
はたまた安全性のせいなのか
ベンツが多いんですけどね、
これがハイドロカーに移行していくのは
いつごろなのかしらねぇ。


Salvare la tomba di Galdiatore

2013-01-17 19:15:38 | Tra la mente e il cuore

2007年に募集された「新世界の七不思議」のひとつに
ローマのコロッセオが選ばれたみたいですね。
全世界9000万人の投票によるといわれているけど、
裏工作もあったかもしれないみたいで。

まぁ、何はともあれ、
コロッセオって
やはりイタリアを代表するモニュメントなんだわなぁ。
フィレンツェにいるものとしては
なんかそれを認めたくなかったりもするし、
特別の思い入れがあるわけではないんだけどさ。

コロッセオというと、
条件反射的にグラディエーターを思い出す、単純な私。
そういえば、
ちょっと前にGladiatore=Russell Croweが
「グラディエーターの墓を守ろう」って
立ち上がっていたけど、
あれはその後どうなったんだろう??
関連オンライン署名運動では
5000署名を目指しているけれど
署名開始から1ヶ月で今のところ3700弱。
署名はこちら (イタリア語) (英語)

彼が映画の中で演じた
Gladiatore Massimo Decimo Meridioは
実在したMarco Nonio Macrinoから
インスピレーションした架空の人物。

2008年にローマの郊外で見つかった遺跡は
このMarco Nonio Macrinoの墓廟だといわれ、
過去30年間での重要な遺構の発見のひとつだと
騒がれました。
しかし、イタリアには資金がないので、
修復されることなく、
再び地中に埋めてしまわなくてはならぬ憂き目に。
修復には300万ユーロが必要だといわれていて、
文化予算絶賛削減中のイタリアには
とても出せる金額じゃない。
これを知ったラッセル・クロウが
「じゃぁ金集めようぜ」ってことだったんでしょうけど。
彼自身がMassimo Decimoに
きっとものすごく思い入れがあるからだけれど、
それにしても最近は
こういう動きがイタリア国内からではなく、
外国から起こることが頻繁にあって、
なんかそれがひたすら残念なんだよね。

ウフィツィ美術館の芸術品も
外国の資金で修復されるものが増えてきているしね。
イタリアはもっと自国の財産に
目を向けたほうがいいと思う、本当に。

この一件も含め、
イタリアの誇る文化遺産がよい方向に導かれますように。


Tra la mente e il cuore 06.01.2013 Amore e Psiche

2013-01-06 22:49:46 | Tra la mente e il cuore
雑誌を読んでいたら、こんな統計が。

「モンティ政権一年後、イタリアは・・・」
良くなった 22%
悪くなった 59%
変わらない 19%

まぁ実際かなりの緊縮財政政策で
苦汁を飲んだ人も多いし、
じわじわと生活に影響も出ているので
悪くなったという印象も
理解できなくはないけれど。

ベルルスコーニに踊らされているよりは
ずっとましじゃんと思うのは
私だけではないはずなんだけどなぁ。

上記を更に細かく分けると、
良くなったと答えたのは
中道左派支持層 40%
中道右派支持層 6%
中道派支持層 48%

悪くなったと答えたのは
中道左派支持層 36%
中道右派支持層 77%
中道派支持層 27%

変わらないと答えたのは
中道左派支持層 24%
中道右派支持層 17%
中道派支持層 25%

つまりは中道右派は
自分たちの思うようになってないと思うから
「悪くなった」印象が強いのじゃないのかねぇ。

あとは悪くなったと答えているのは
女性(60%)、低学歴者層(69%)なのだそう。
つまり、緊縮財政政策の結果
日常生活の中で節約を強いられ、
一番打撃を受けたであろう人々が
自分たちの生活が苦しくなったことで
「イタリアは悪くなった」と判断したということだよね。

お金持ちには痛くも痒くもなったのか、
昨日のミラノのモンテナポレオーネ通り辺りは
高級車が軒並み停まって、
ブランド店の買い物袋もった人々が闊歩してましたけどね。

貧富の差がどんどん広がっているとしか思えない、イタリア。