シリウスの環

時事問題を弄るblogと化してしまいましたw
初めの主旨から大変革・・・。

三匹の子豚

2008-11-15 20:01:34 | お勉強会
かれこれ1年以上前ですが、面白いニュースがあったようです。

***以下一部引用***

煮えたぎる鍋でオオカミを死なせた子ブタの行為は「殺人」か、それとも正当防衛か-。長野県上田市の上田第2中で、童話「三匹の子ブタ」を題材にした社会科の授業が行われた。
生徒は裁判制度について学んだ後、刑法に照らして子ブタの行為を議論。
「子ブタが湯を沸かした鍋はあまりに大きく不自然。計画的な犯行だ」
と殺人罪を主張する生徒がいれば、“無罪派”は
「オオカミは子ブタを食べようとしており正当防衛が成り立つ」と反論。
別の生徒からは「煮えたぎる湯の中でオオカミが出られないようにふたを
したのは防衛の程度を超える」と、過剰防衛を主張する意見も出た。
多くの生徒が下した量刑は「懲役3年から5年」。
裁判官に「実際なら10年から15年のケース」と聞かされると、驚く声が上がったという。

***以上、引用終わり***

三匹の子豚の話は皆さん、ご存知のことと思います。
物語の最後で、煙突から進入した狼を煮立った鍋に落とし殺害、めでたしめでたしという話です。
しかし、この行為が法的に問題ないかという記事です。

論点として以下の2点が大きいのではないでしょうか。

1 子豚に殺意があったか?
2 計画的な犯行だったか?

物語の展開から、殺意があったと思われます。
しかし、一部の生徒が指摘していた計画性については疑問です。
犯行を行うために大きな鍋を用意したのであれば計画性ありと判断できます。
しかし、今回の犯行に用いられた鍋は、狼に襲われる前からあったものです。
また、狼が入るような鍋の水が煮立つまでに要する時間を考慮すると、狼が煙突から侵入しようとする以前から火にかけられていたと思われます。

物語では、進入しようとしていたから鍋を火にかけたという表現でしたが、上記のように煮立つ時間と煙突からの進入に要する時間を考慮すると不自然です。

この状況から察するに、今回の事件の発端は、不法侵入を図った狼の不慮の事故と言えます。
ただし、鍋に落下した後、子豚が鍋に蓋をした行為については別の議論が必要です。

煮立った鍋に落ちた狼を救護することなく、追い討ちをかけるように蓋をした行為は殺人と言えます。
ただし、狼と子豚の日頃の関係(襲い襲われる関係)を考慮すると防衛行動と言えるため、情状酌量の余地があるのではないでしょうか。
個人的には、無罪とまでは行かなくても執行猶予付き有罪でいいと思います。

間違っても、専門家のあげた10~15年の実刑判決はないわw


間もなく、裁判員制度が始まるのでいろいろ考える必要がある・・・という記事でした^^

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