確認されぬ「２段目」、指定区域外れ日本側に落下か

確認されぬ「２段目」、指定区域外れ日本側に落下か(読売新聞) - goo ニュース
北朝鮮の発射したミサイルは、１段目のブースターが秋田県西方沖約２８０キロの日本海に落下し、２段目のブースターの落下場所は特定されていない。
北朝鮮は当初、１段目のブースターは秋田県西方沖約１３０キロ～２８０キロの海域への落下を予測、さらに２段目については房総半島の東方約２１５０キロ～３０００キロの太平洋海域への落下と予測してきた。

朝鮮中央通信「衛星発射に成功」「将軍の歌、地球送信」(朝日新聞) - goo ニュース
北朝鮮は５日午後、「運搬ロケット『銀河２号』によって人工衛星『光明星２号』を軌道に進入させることに成功した」と発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
同通信によると、ロケットは３段式で５日午前１１時２０分に発射され、９分２秒後に衛星が軌道に正確に送り込まれたという。衛星は地球から最も近い地点で４９０キロ、最も遠い地点で１４２６キロの楕円（だえん）軌道を回っており、周期は１０４分１２秒だとした。衛星は「金日成（キム・イルソン）将軍の歌」「金正日（キム・ジョンイル）将軍の歌」などを４７０メガヘルツで地球上に送り、衛星を使いＵＨＦ周波数帯域で中継通信も行われているという。

＊＊＊以上一部引用＊＊＊

4月4～8日の間で発射をすると言っていたミサイル（北朝鮮曰くロケット）が遂に本日11時30分頃発射されました。
一段目ブースターの落下地点は秋田県沖280km（予定では130～280km）、二段目は2100km以遠（予定では2150～3000km）に落下と北朝鮮が出していた予想にかなり近いものでした。
二段目と三段目及び弾頭部の切り離しが成功したとした場合、発射は成功したと言えます。（従来のテポドン2号であれば二段式ですが、テポドン2改良型であれば三段式と言われています）
今回の実験が、ミサイルにしろロケットにしろ基本的技術は同じなので、北朝鮮は射程8,000～10,000kmのミサイル製造技術を手に入れたことになります。

今回発射されたテポドンは射程が長いため、日本に直接的脅威を及ぼすものではありません。
日本にとって脅威なのは、射程1,000～1,300knのノドンです。
つい先日、ノドンに搭載可能なサイズの核弾頭を開発しているのではという記事もありましたし・・・。
ただし、テポドンに搭載可能なサイズとなると更なる小型化が必要なため、アメリカ等にとって現時点では脅威となりません。

今回、北朝鮮は一貫して「通信衛星の打ち上げ」と主張してきました。
先にも述べましたが、ミサイルとロケットの基本構造はまったく同じです。
違いは、弾頭を大気圏に再突入させるか、衛星軌道まであげるかの差です。
目標地点に弾頭を落下させるための軌道計算など難易度は若干あがりますけどね。

北朝鮮では、「衛星軌道までの到達成功」と伝え、朝日新聞でｈ470MHz帯での放送が開始された報じています。
北朝鮮が発表した軌道は、低軌道（350～1400km）であり、通信衛星として利用するには通信可能時間の制限があり1基での運用には適しません。
ちなみに、先ほど受信機で470MHzをサーチしてみましたが、それらしい電波は受信できませんでした。
通常、通信衛星を打ち上げる時は、国際電気通信連合への申請が必要ですが、北朝鮮は一切申請していないようです。
本来は、発信する周波数や出力を事前に調整する必要があるはずなのですが・・・。

今回の発射について、4月6日に安保理に付議される予定です。
もし批難決議が出されなければ、「通信衛星の発射であれば批難されない」という間違ったメッセージを送ることになりかねません。
とはいえ、中国やロシアが慎重な対応を求めている以上、あまり期待はできませんが・・・。