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ぴあのぴあ~の うたのある生活

音楽、グリーグ、芸術、イタリア、北欧、旅…大好きなことを、ゆったり、気ままに書いています。

ぴあのコンサート

2015年04月29日 16時56分41秒 | ・コンサート感想
可愛い姪のピアノコンサートに足を運びました。2台のピアノと大きなパイプオルガンが置かれた音の良いホールでした。習ってから間もないのに堂々とした弾きっぷりに頼もしさを感じました。

また、師匠や地域にもよるのかもしれませんが、ピアノの発表会やその有り様も、時代と共に変わっているのではとも思いました。

私が習っていたピアノ教室では、小中学生が圧倒的に多く、殆どが女の子。年功序列でプログラムされ、弾く曲や舞台も一回ぽっきり。観客が集中でき、その後家族の団らんもできるよう開演時間も休日午後の2、3時間。親戚や近所の友人にも囲まれる中、自分も親も真剣そのもの。ライバルや先輩の演奏も食い入るように観ていて、あんな曲や弾き方があったのかとか、いつか自分もあの曲を弾くんだと選曲にも力が入りました。また、コンサートの中でどの順番で演奏するかについても、そこを任される嬉しさと覚悟がありました。

今日のコンサートは、半日がかりで生徒は老若男女、男性のピアニストも3分の1を占めました。歌あり、フルート、ヴァイオリンあり、ピアノもソロだけでなく、連弾や2台ピアノデュオ、音楽劇などもありました。ピアニストも何度も出演機会があります。趣味で続けている方、大人になってから始めた風情のある方も、結構いらっしゃり、ランダムに登場します。各部にはいくつか小テーマが付されていて、客を飽きさせないしくみになっています。リラックスした空気の中での演奏で、小さい子供であっても、できるだけ弾きたいものに挑戦させ、音や呼吸に宿る個々のポテンシャルを大切にしながらご指導されているのを感じました。

このコンサートで印象的で、とても良いと思ったのが、ソロだけでなく、先生と奏でる2台ピアノの部があることです。子供たちが弾きなれてしまっているブルグミュラーなどの小品に新たな輝きを吹き込み、それを子供たちが楽しんでいる気持ちもダイレクトに伝わってきました。けれども連弾ならまだしも、自分と離れた別のグランドピアノと合わせて弾くのは子供にはかなり難しいのではとも思いました。上手くいっている時は、ソロの数倍楽しいし、パワーもありますが、ミスをした時のリカバリーが難しいし、性格が現れます。同じパッセージを永遠と弾き続けてとうとう道を探せずフェイドアウトする人、分かるところからやり直すも、完全にテンパって同じところで再現できずに飛ばす人、自信がなくて、小さい打鍵で弾き続ける人…。けれども先生はそれぞれが一番良い塩梅に輝くように合わせて下さるのが、とてもハートフルで素敵なひと時でした。そしてこれは、年齢が経るにつれ、段々丸く一つになってゆき、成熟していく心のキャッチボールを味わえます。

親子や兄弟で参加されていた方も何組かお出ででした。このコンサートへ向けての日々のプロセスが滲み出た温かい音色に包まれ、アンサンブルっていいなと思いました。

最後までいることはできませんでしたが、ノルウェーの作曲家シンディングの演奏を聴きながら、名残惜しくも会場を去りました。

アプサラス第5回演奏会

2015年03月26日 22時04分24秒 | ・コンサート感想
久しぶりに現代音楽を聴きに行きました。私はあまり現代音楽のことは分かりませんが、もっととっつきにくいかと思っていましたが、自然の中にいるようでした。日本の作曲家の作品だったからでしょうか。でも、近現代的であるようでいて、昔懐かしい音色に出逢ったり、日本的というより、アジア的な感じがしたり…。

旅に出かけると、そこにしかない大自然に包まれ、大地に腰を据えてぼーっと空を仰ぎます。何も考えずに目の前をゆく雲たちを眺める。刻々と形を変え、思いも寄らぬ形が巡ってくる。その時の感激のように、幾つもの美しい音色が聞こてきました。曲が変わるとどこか違う風土の風が吹いてくる、ような気もしました。

身構えずに作曲家の描く世界と交信できたのは、何より素晴らしい指揮者と、素晴らしい演奏家のお陰です。

素敵な時間でした。また聴きに行きたいです。

グリーグ ピアノ 抒情小曲集全曲演奏会

2014年12月07日 21時27分30秒 | ・コンサート感想
最後はピアノの演奏会。歌の練習で第二部の後半からの鑑賞となりました。

ひょんなご縁で足を運ぶことになりましたが、10人の演奏家の個性も楽しめ、変化に富みながらも、グリーグという一人間の人生をゆっくり辿り、何か一貫した流れに身を委ねることも出来て、なかなか味わい深い演奏会でした。

グリーグは特に歌の時代、ピアノの時代とジャンルで時代を分けることなく、それぞれが呼応しながら創作活動が展開していくのも特徴です。

演奏家たちのグリーグの音楽を通してこがれてきた夢が、この日本で織物のように紡がれていく様を見ているようでとても美しく思いました。

ノルウェー少女合唱団 コンサート

2014年08月03日 18時45分28秒 | ・コンサート感想
発売日当日に買いに走った、待ちに待ったコンサート。ノルウェーの作曲家の合唱をコンサートホールで聴くのは、2007年9月のDET NORSKE SOLISTKORの「4つの詩篇」などが演奏されたコンサート以来でした。

合唱大国北欧の国からの、少女たちの演奏とあって、会場には全国の少年少女合唱団らしき人たちが沢山いました。また、北欧音楽の関係者よりも、老若男女かなり雑多な層のお客様が多かったのが印象的でした。

すみだトリフォニーは2回目ですが、大ホールは初めて足を運びました。

オープニングのBrunemarsjから、サプライズでした。北欧の合唱コンサートではよくやる演出ですが、民族衣装をまとった団員が客席廊下に降りて来て、大きな空間で沢山の和声を天高く放ち、我々は忽ちそのハーモニーの中に包まれます。けれども怒鳴ることはなく、クリアな響きと、伝統と体感から育まれたバランスで、大きなガラスの建造物を見ているようでした。

前半は民謡をベースにしたトラッドで構成されており、伝統や少女らしさが活かされた演奏でした。少女たちの澄み渡る初々しい声も魅力的でしたが、指揮者アンネが振り返る度に見せる笑顔や、時折日本語で入るMCも場の雰囲気を和ませました。

個人的にはグリーグ「春」のアンネの音叉から生み出すあの3つの音が、何気なく何処か自分の奥深くしまい込んでしまったものを震わせました。私も先生から、そして数々の歌の仲間から、何度このハーモニーを鳴らして始める機会を与えて頂いたことか。その一つ一つに沢山の方々への感謝の気持ちが込み上げてきました。

後半はノルウェーの現代作曲家の作品が取り上げられました。言語も英語、ラテン語のものが取り上げられ、ノルウェーの合唱曲の日本への普及も考慮されたプログラムだったのかなとも思いました。「花は咲く」と「神が沈黙しても」の掛け合いが、音楽に気持ちが沁みていて好きでした。

Knut Nystedは、来年生きた重鎮として生誕100周年を迎えられるとのこと。私にノルウェーの音楽を授けて下さる諸先生や友人は、皆彼の薫陶を受けています。来年2015年は北欧音楽所縁の方の記念年が重なっていて、現段階でも来夏あたりの企画まで目白押しの様相ですが、私も何らかの形で、彼の作品を演奏できる機会があれば嬉しいなと思いました。

ドリカム コンサート !

2013年12月21日 20時20分53秒 | ・コンサート感想
今日はDreams come trueのコンサートに行きました。母が伝でチケットを取ってくれました。デビューの時から大ファンなので、半年ほど前にチケットが取れたとの報を受けた時は夢のようでした。まるで、私がスペインに初めて行ったのと同じように、そのチャンスは訪れました。

前座が終わり、いよいよサポーター総立ち。遠くながらも、生のドリカムと同じ空気の中で音楽できる!
吉田美和は歩みを止めず、ぶっ通しで世界の皆に愛の歌を届けました。あんなに華奢な身体の中にどうしてこんなにもパワーが溢れているのか。そして一々可愛い!
昔からのラブソングも一緒になって全身で歌いましたが、新曲「さぁ鐘を鳴らせ」はまるで今の自分に、自分だけに歌ってくれているような気がして、泣きながら後を追いました。別に私は男に失恋したわけではないけど、今年は今迄真面目に生きてきた自分の半生を「ザ日本」という世間にふられたような年だったので。そんな時でも一日一日鐘を鳴らしていくしかないと!

この年末にこの歌で締められるのは実に美しいと思ったのでした。

やはり彼らは永遠のスーパースターだと思います。

日米親善ジョイントコンサート in 稲城

2013年12月08日 16時39分17秒 | ・コンサート感想
本日は友人の所属するジャズバンドのコンサートに足を運びました。
私にとっては2回目でしたが、今回はこちらのバンド10周年を迎える記念すべきコンサート。
しかも、米軍バンドとの共演でした!

聴衆は立見も出る程の大盛況。カメラも何台も入っていて、会場の空気は大変温まっており、魔物が出る雰囲気が漂っていました。

第一部が日本のバンド、第二部が米軍バンド。曲も馴染みあるプログラムが次々展開していきました。

日本のバンドも渋みと切れのある演奏で前座とか余計な遠慮を感じさせないスパイスの効いた熟成された名演でした。米軍バンドは、技術に裏打ちされた謡とダイナミズムが圧巻。最後は共演でアンコール2曲。

さくらさくらのアレンジ、凄く良かった!

円熟ブラス王道の音に包まれ、久しぶりに青春時代に舞い戻りました。


スウェーデン音楽の夕べ ~W.ステーンハンマルの世界~

2013年06月21日 23時32分38秒 | ・コンサート感想
今日も府中の森へ向かいました。前回よりも早くに出ましたが、何と…人身事故で電車が止まってしまいました!

私は特に歌を楽しみにしていたのですが、その時点で遅刻確定…。中央線に乗っても終演に間に合う時間に着くかどうかわかりませんでしたが、とにかく前進しました。

さらに下車後、どこのバス停も長蛇の列で選択間違えたら終わるなと思いながら、バスを待ち、幸い最初のバスに乗れました。

降車後、何度も曲がる道を間違え、スマホ地図の光だけを頼りに真っ暗な変なおじさんしかいない道をひた走りました。開演より30分経過。1幕最後の歌に賭けました。

ホールに入ったら、歌声が!このままでは1幕が終わってしまうと「すみません、入ってもいいでしょうか?」と聞いたところ、何と「はい。でも、始まったばかりです。」到着するまでは、自分はよほど日頃罰当たりのことをしているんだなと運命を恨んでいましたが、30分遅らせて開演して下さったそうです!

めでたく向野さんの美声を堪能。力の抜けた艶やかな声がしっとりとホールの隅々に響きわたり、そのフォームの良さは一番後ろから眺めてもぶれることなく目に焼きつきました。また、今日は久しぶりのオールステーンハンマルで彼の音楽の魅力も改めて感じました。

和田さんのピアノソロも圧巻でした。出だしはまるで歌が始まるかのようでした。息が淀みなく流れ、そこに音達が響きあっているようでした。

第二部の弦楽四重奏、スヴェンセン原曲のピアノコンチェルト版も素敵でした。あまり自分の中では弦楽四重奏を聞く機会がないので、このホールで様々な編成の音楽を一度に堪能できるのも贅沢な一時です。華やかな女声の弦をガッケさんがしっかり支えるアンサンブルが展開する中、それぞれの演奏家の個性も味わえとても面白かったです。

最後アンコールで私の大好きなスヴェーリエが聴けたのが最高でした!何度聴いても胸が熱くなり、聴く度に、頭の中を駆け巡るものが多くなっていきます。その音を聴くのも音楽の醍醐味だなあと思います。

気がつけば、沢山の聴衆の方がお集まりでした。都心からはかなり離れたところですが、私よりも長い旅路を経て少しでもこの音楽に包まれたいと焦がれていた方々の思いがそこにありました。私も行って良かったとしみじみ思いながら喝采にまみれました。

結(ゆい)~日本とスウェーデン~

2013年06月17日 21時18分33秒 | ・コンサート感想
久しぶりにステンハンマル友の会が主催する音楽祭に足を運ぶことができました。

ここのところの体調不良で会社には「たるんでいる社員」として上司から公然で苦言を呈される中、まず定時に出られるかが難所でしたが、何とか間に合いました。雑踏の中から夏至の時期に広い空のある府中の森に向かうことができるのは、日本からスウェーデンに散歩に出かけるような風情でした。

ウィーンホールの響きは初めて味わいましたが、第一声から何とも言えぬ木の豊潤な響きに酔いしれました。まるで自分がいいワインの樽の中にいるような香り立つ音が歯の隙間から入ってくるようでした。

また、空調が心地よいのが歌い手には見逃せないポイントでした。夏の薄着でも寒くならない環境は舞台に立っても身体に優しいはず。

プログラムは和田さん、ガッケさんが曲の解説を入れながら進められました。現代音楽を聞き慣れない自分にはそれがとても有難かったです。そして長きに渡り入念に練られたものであることがひしひしと伝わってきました。

私が気に入ったのは、三善晃とベリエルの「子守唄」です。三善晃の曲は学生時代に何曲か合唱の大作を演奏したことがあり、和声を聞き慣れているせいもあったかもしれませんが、私たちが生まれた原初に還るような響きの中から、微かに昔聴いた、そして唄ったうたが聞こえてくるような仕掛けがあったように思いました。ベリエルはベースには民謡があることがこの演奏会を通して体感できた集大成のように感じました。

ところどころに出てくる日本の馴染みの曲に出会えるのもホッとする瞬間であり、且つそのメロディの美しさを再発見する貴重な機会でした。

その後、また雑踏の中に帰るのが大変億劫でしたが、また、週末を楽しみに頑張ります!

先輩のコンサート

2013年06月15日 18時31分49秒 | ・コンサート感想
大学時代の合唱団で大変お世話になった先輩が当時よりお好きだったバッハをお振りになるとのことで、コンサートに足を運びました。

私が入団した当初から指揮をされ、そのまま卒団され、その先の若手OBの合唱団に入団してみても、10年たっても姿を現さず、もう歌をやめてしまったのか、いやまさか、などと思っていたら思いがけずのご案内を受けとても嬉しかったです。

私くらいの年になると、今は歌なんてとても…という方か、子育てが終わったのでぼちぼち、という方が殆どの中、生きるためのお仕事が多々ある中ご自身の音楽を、研鑽を重ね温め続けてこられたことを思うと、自分自身のことも25年前にタイムスリップして走馬灯のようにいろんなことが駆け巡ります。

プログラムは、日本の歌とジョン・ラターの歌、そしてバッハでした。
どれもとても良い曲で、よくまとまった声質の合唱で、指揮者の背中から変わらぬこだわりが聞こえてくるようでした。

会場も素晴らしいところで、沢山の来場者の方がお見えでした。ステージの演出も、とてもゆき届いていて、飽きることなく何か熱く込み上げるものがありました。

これからも、益々のご活躍をお祈り申し上げます。

エドヴァルド・グリーグ生誕170年記念コンサート

2013年04月24日 23時42分09秒 | ・コンサート感想
本日は聞き逃せないコンサートがありました。
場所は代々木上原のムジカーザ。
この辺りは自分の母校のあるところで、懐かしいところのはずなのですが、
30年前とくらべてしまうとやはり大分変わってしまい、道の形から面影を辿り足を進めるのです。

ゆったりとした空間に、グリーグを愛する人達だけが集まりました。
何度か足を運んだことのあるその場所は、異次元から光を浴びているようで、
いつになく、日常の雑踏からかけ離れた別空間に包まれるようでした。
このホールがこんなに素敵なところにみえたのは多分初めてです。

ウッラはチラシの印象より小柄で目が印象的な可愛らしい方でした。
お母様が作って下さった民族衣装を身に纏い口角をあげて立っていました。

オープニングは「ソールヴァイの歌」で「凄い!」の声につづき拍手が湧きました。
その後
作品15より「愛」「母の嘆き」「マルグレーテの子守唄」
イプセン詩の作品25から「睡蓮に寄せて」「白鳥」「鳥の歌」
作品67「山の娘」
と続きます。

第二部は
ビョルンソン詩の作品21
ドイツリート作品48より4曲

各部のインテルメッゾにピアノ曲
「春に寄す」
スロッテルから2曲

ウッラの息遣いと目の表情から、どんな場面のどんな気持ちを歌っているかが手に取る様にわかります。
まるで私のために歌ってくれているようでした。
今まで言葉のリアリティとして謎だった母音の型やフレーズの処理で目を見張るものが沢山ありました。

また、アイコンタクト無しで、彼女の軽快なテンポをリードし、わたしが何回かに分けてリサイタルで取り扱った曲たちを飽きさせることなく展開していく加藤さんの伴奏も素晴らしい。グリーグ歌曲とウッラの魅力を様々な角度から余すところなく味わうことができました。

ピアノと歌はやはりデュオだなあと。二人の最後に見せた固い握手は聴衆にも共感と感動を与えました。

会場に辿り着くまで目が痛くて、何度も行くのをためらいましたが、
この演奏会に立ち会えて本当に良かったです。
お二人のお姿から見失っていた大切なことを教わり
終わる頃には、目に潤いが戻り、後頭部の緊張がほぐれ、私にも歌う勇気が湧いてきました。

叶うならば、また近い将来、来日公演があることを願ってやみません。