通夜 その5
18年余りの月日を経て再会した二人だが、5分と経たない間に昔の会話が蘇った。 「能美は若...
通夜 その6
「何もなかった。二人の間に原稿のやり取りとその推敲という他に何もなかった。 携帯で電話...
通夜 最終章
能美の小型のノートに書いてあったのは、昔の学友との恋に悩む妻の細やかな告白であった。 ...
ラストソング その1
1990年、バブルが危うい綱渡りをする頃、そのホールは煌びやか輝いていた。 歌姫の声は満場...
ラストソング その2
楽屋に続く道の脇にビロードの幕があって、そっと引くと扉が見える。 鍵を回して扉を開け...
ラストソング その3
翔は愛しそうに舞の前髪をかきあげて言った。 「又会いたい」 「私もだけど」 舞はやるせな...
ラストソング その4
みすぼらしい痩せた少女は音感の鋭い声の魅力を見出された。 見出したプロダクションの社長...
ラストソング その5
翌朝、松濤にある舞の邸宅から大きなマスクをした女性がベンツに乗った。 舞に扮した百恵で...
ラストソング その6
「歌姫大場舞が航空事故で行方不明」 「太平洋上空で突然の旅客機墜落事故。原因は不明」 ...
ラストソング 最終章
海に続く公園の道を翔と百恵は歩いていた。 二人ともラフなジーンズ姿で、それが翔は勿論百...