年賀状
多分、郵政省が存在する頃まで、私にとって年賀状は特別な意味を持っていた。 「ただ成り行...
年賀状 その2
今、年賀状はお互いの気持ちの確認なんかじゃない、その一年の健康を祈り合う挨拶なのだと...
年賀状 最終章
彼女のご主人は、高校の先生だった。 温厚で真面目そうな人で、極めて細やかな心配りを妻に...
堪えがたければ我
「堪えがたければ我 空に投げ打つ 水中花 全てのものは 我に向かいて 死ねという 我が水...
私だけが知っている
金山梨花が亡くなって16年経つ。 16年の月日を経て、正木敬吾と藤野冴子はやっと再会した。...
私だけが知っている その2
「初詣にT神社に行こう」と言い出したのは梨花である。 冴子と敬吾の仲を知っても梨花はク...
私だけが知っている その3
「それで僕たち全員事情聴取されたんだ」 警察は梨花と敬吾たちの関係を知っていた。 なぜ...
私だけが知っている その4
「梨花は自殺じゃないって。殺されたんだ。僕たちあの時何故気がつかなかったのか?」 敬...
私だけが知っている 最終章
悟はキュートな梨花を初めて見た時から好きだった。 無色透明の悟の存在に梨花は全然気がつ...
海峡
冷たい夜の事だった。 外の雨音が急に強くなった。 「今夜はもう誰も来ない」 小料理屋「海...