セピア色の昭和20年代
私にとって、昭和20年代の思い出は一様でない。 外側から見ると、惨めだったとしても、内側...
セピア色の昭和20年代 その2
小学校に入学したては何もかも新鮮だった。 給食には、家から野菜を持参し、味噌汁の中身に...
セピア色の昭和20年代 その3
東京から祖母がやって来て、強引に私は連れていかれた。 「お前たちに育てられたら、この子...
セピア色の昭和20年代 最終章
祖母と一緒に、伯父の経営する町工場で暮らした。 工場と同じ敷地に母屋があった。 今の東...
東京メトロ
G新聞記者の浅岡俊は、久しぶりにメトロに乗った。 母親の胎内で揺られるような独特の心地...
東京メトロ その2
俊はキャップの谷に熱心に相談した。 「亡くなった母に俺は誓ったんです。 真実を追及する...
東京メトロ その3
小体な店は、谷の名前で予約を入れてあった。 狭い座敷に徳利が並び、コタツの上に鍋が置か...
東京メトロ その4
同じ会社の人事部に勤める梨花は、快活で頭の良い女性だった。 どこか母と似た印象を受ける...
東京メトロ その5
しかし、それから俊は、大手町の雑踏の中で母を捜していた。 大手町に限らず、歴史の古い...
東京メトロ 最終章
朝の光が差し込んできた。 俊が目を覚ますと自分の布団の中だった。 起きようとすると頭が...