読書の森

大江千里 『第二の人生を踏み出す勇気をくれた本』



ブログを暫く休むと何か忘れ物をした気分になる。
肝心な用事をしている最中に、今度のブログに何を書こうと思案し出す。
とうとうネタ探しにコンビニに行き、一冊残ってる週刊誌を購入した。

頁をめくっていくと、大江千里氏のエッセイが目に付いた。

『わが人生最高の10冊』という有名人の書評を載せるコラムである。

大江千里は元々かなり名の売れたシンガーソングライターだった。
それが、47歳の時一切のキャリアを捨てニューヨークにジャズ留学した。
そして52歳で再びジャズピアニストとして再デビューし、レコード会社も立ち上げた。
57歳の彼は、好きな道に跳んだ事に満足し、次はどうなるだろうとワクワクしてるそうだ。



自分の人生は自分で選べるとは限らない。
様々な制約を受け、好きな道より安全な道を歩む人が多い。
仕事に於いても、何処か消化不良気味の思いを抱える人はもっと多いだろう。

大江千里は好きな道に進める勇気、才能、財力、成功に導く努力、環境、人気、全て備えたとても幸せな人だと思う。
しかし、彼は一人で考え、何も顧みずに行動してきた訳でない。

読書も彼の行動に大きな影響力を与えた。
次のステップに踏み出そうかとモヤモヤしていた彼に支えになったのが、五木寛之の『林住期』だった。

『林住期』とは50〜75歳で、これこそ人生のピークではないか、と書かれている。
この変化の時期の前にウツが来るそうだ。

私自身を振り返っても変化する前に、年の変わり目の得体の知れない迷いはあった。

この本は「迷ってもいい、ウツになってもいい、そういう時期があるから跳べるのだ」と大江さんを励ました。

跳ぶか跳ばないかは本人の自由だが、失った若さは戻らないと落ち込むよりも、今持つ力を活かす人生に進む方が遥かに楽しいだろう。




堀江謙一『太平洋ひとりぼっち』を始めとして、大江千里氏はその柔らかな頭で、読書から学んで人生に活かしたのは素晴らしい。

「だから今の仕事を捨てて好きな道に行こう」なんて安易な事は決して勧めていない。
用心深く出発する迄の準備を周到にしたいとアドバイスする。

私自身が相当失敗したから言えるが、見切り発車は絶対禁物である。

第二の人生、好きな事が自分のペースで出来て、そこそこ食べていけるなら私としては最高だ。
今この様に好きなブログを作って読んでもらえるのも大御馳走なのだろう。

読んでいただき心から感謝します。 宜しければポツンと押して下さいませ❣️

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