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読書の森

池波正太郎『小説の散歩みち』に出てきた『小川未明童話集』

このエッセイ集は、落ち着いた晩年の池波正太郎氏の読者へのプレゼントみたいに感じました。

この中に、先日拙文で挙げた『小川未明童話集』が出てます。

太平洋戦争中、召集令状をもらった池波正太郎、出征までの半月間何をしたか?
飛騨高山から京都を遊び回って最後の2日を修善寺へ泊まって、その町の本屋へ立ち寄ったそうです。
殆どめぼしい本の無い中で、やっと小川未明の童話を見つけて購入、修善寺で読み耽り、修善寺から横須賀海兵団へ向かう車中でも読み耽ったとか!
これが戦争のただ中の話で、しかもこれから兵隊に入る著者です、横須賀駅で待ってた従兄弟が呆れるのは当然でしょうね。
残念ながらこの本は彼の実家と共に灰になってしまいましたそうです。

池波正太郎は幼い頃から苦労してますが、相当能天気な方だったと思えます。この本もその人柄そのままで、肩肘張らずに読めて、ホッと息が楽になるものばかりです。

『鬼平犯科帳』や『必殺仕事人』の原作者の、あの池波正太郎が小川未明好きだったと知り嬉しくなった私、さらにエッセイを読み進めると、
「おやまあ!」「あらまあ!」の連続だったのです。

例えば仇討ちのお話、時代もののネタ探しをしてる内に面白い(?)話があるのに気づいたとか。
仇を討つ方も討たれる方もお互いに見つけたら、原則どちらか死なねばならない訳ですよね、それが嫌さに双方が隠れんぼうをし続けた話とか、年老いてヨボヨボで盲になった敵にこれも老いた討ち手が同情して一緒に老後を共にする(盲の敵の方は最後まで知らない)話や、変な話ばかりご存知でした。

池波正太郎氏の生い立ちや家庭生活もありのままに描かれて、随分ご苦労な事が有ったでしょうが、お幸せな方だったと思えてしまう。

という事で、おまけは有り合わせばかりの料理です。
冷凍しといた青菜の味噌汁、甘酢に漬けといた大根とトマト、ハムオムレツ、モヤシとピーマンの胡麻油の炒めものです。

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