アイヌ民族関連報道クリップ

アイヌ民族・先住民族関連の報道クリップです。各記事の版権は発信元にあります。

アイヌ遺骨:11大学に1633体 管理ずさんさ浮き彫り(毎日新聞)

2013-04-19 21:25:00 | 事件・差別問題・領土問題など

アイヌ遺骨:11大学に1633体 管理ずさんさ浮き彫り
毎日新聞 2013年04月19日 21時25分(最終更新 04月19日 23時12分)

アイヌ遺骨返還訴訟で意見陳述を終え、札幌地裁前で話す小川隆吉さん=札幌市中央区で2013年4月19日、貝塚太一撮影
拡大写真
 明治時代から戦後にかけて大学が研究目的で墓地から掘り出したアイヌの遺骨が、11大学で1633体保管されていることが19日、政府のアイヌ政策推進会議作業部会で報告された。遺骨返還のガイドラインも示され、今年度中に速やかに手続きに入る方針が打ち出された。しかし、個人特定できたのは全体の約1%の23体。管理のずさんさが浮き彫りになった。

 保管している大学は、北海道大が医学部関係の1014体を含む計1027体。ほかに札幌医大249体▽東京大198体▽京都大94体▽大阪大39体−−など。個人が特定できたのは北大19体、札幌医大4体だけだった。

 アイヌの遺骨収集は北海道を中心に樺太(サハリン)や千島列島でも広範囲に行われ、1972年まで続けられた。アイヌの起源を探る人類学研究が目的で、頭骨を中心に調査された。

 返還のガイドラインは、個人特定できた遺骨を子孫に返すことを原則とし、墓がある市町村の協力を得ながら子孫を捜すとしている。だが、時間の経過で難航が予想される。

 身元が特定できない背景には、研究を終えた頭骨と四肢骨をばらばらに保管するなど管理が不十分だったうえ、身元につながる副葬品を一体的に保管しなかったことなどがある。身元特定が不可能な遺骨は、民族共生の象徴空間として北海道白老町に建設する施設で国の主導で慰霊する。

 全国の遺骨調査は、文部科学省が11年11月から国公私立大を対象に1年余りかけて行った。【千々部一好】

 ◇「過去うやむや許せぬ」返還訴訟で遺族が批判

 北海道大が研究目的でアイヌ民族の墓地から遺骨を収集したのは供養の妨害にあたり、憲法で保障された信教の自由の侵害にあたるとして、子孫3人が北大に遺骨の返還と慰謝料900万円を求めた訴訟の第3回口頭弁論が19日、札幌地裁であった。原告の小川隆吉さん(77)=札幌市=が意見陳述。「過去をうやむやにする北大の態度が許せない」と強い口調で批判した。

 訴状によると、北大の医学部教授らは1931〜55年、北海道浦河町杵臼(きねうす)地区のアイヌの墓地から、少なくとも78体の遺骨を掘り出した。

 小川さんは、曽祖父らの遺骨が墓から持ち出されたと主張。意見陳述では、81年9月に北大医学部に案内された際、エゾオオカミなど動物の骨格標本とアイヌ民族の頭蓋骨(ずがいこつ)が並べて置かれているのを見て「怒りで目の前が見えなかった」と証言した。
http://mainichi.jp/select/news/20130420k0000m040089000c.html


最新の画像もっと見る

コメントを投稿