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北大・アイヌ民族遺骨 新たに85体確認(朝日新聞)

2013-03-29 00:00:00 | 事件・差別問題・領土問題など
北大・アイヌ民族遺骨 新たに85体確認
2013年03月29日

■ずさん管理あらわ 

 【泉賢司】学術研究を目的に発掘・収集したアイヌ民族の遺骨の収集や保管の状況について調査を進めていた北海道大学は28日、医学部所管分について、これまで分かっていた964体のほか、新たに85体が確認されたと発表した。身元が分かるものについては返還する意向だが、遺骨の管理や発掘記録などの資料整理がずさんな状況だったことも明らかになった。


■発掘原本、大半見つからず


 発表によると、返還済みの35体を除き、保管が確認された遺骨の総数は1014体。解剖学講座によるアイヌ墓地の発掘は1931年から1972年まで行われ、収集した遺骨による研究は80年前後まで続いた。


 新たに確認された85体は、一つの骨箱に複数人数分が納骨されていたものなど。研究過程で頭骨と四肢骨などが別々に保管され、1014体のうち全身がそろったのは372体だった。研究後、全身の骨をそろえる管理が行われていなかったためで、多くの遺骨については発掘当時の状況などを記録した原本も見つからなかった。三上隆副学長は「学術資料の収集、保存、管理に問題があり、遺憾に思う」と述べた。「無断発掘」などの問題はなかったとの認識を示した。


 遺骨の人名が、骨箱に同封されていた資料などから判明したのは19体のみ。遺骨の返還について、三上副学長は「遺骨の個人名と祭祀(さいし)継承者が特定できれば、(文部科学省など)国が作成するガイドラインに従って返還する」とした。


 アイヌ民族の遺骨は北大をはじめ東大、東北大など11大学に約1500体が保管されているとされ、北大はその3分の2を保管。調査結果は昨年12月、文部科学省に報告したという。


 北大のアイヌ民族の遺骨を巡っては、80年にアイヌ民族の男性から返還などを求められたり、不適切な保管状態が指摘されたりした。北海道ウタリ協会(現・北海道アイヌ協会)の要請を受け84年、医学部敷地内にアイヌ納骨堂を建設。毎夏、イチャルパ(先祖供養)が行われている。


 北海道アイヌ協会の加藤忠理事長は、遺骨が1体ずつまとまっていないものが多数あることなどに「誠に無念きわまる思い」とコメント。遺骨の速やかな返還を要請するとともに、返還できない遺骨については「一日も早く一括した先祖供養ができるよう、国が取り組んでいる慰霊施設に集約されるよう取り組まれることを求める」とした。

http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001303290001


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