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祭典通じ、先住民とも融合を=バンクーバー五輪、「カナダを一つに」〔五輪・関連〕(時事通信)

2010-02-12 15:16:00 | 事件・差別問題・領土問題など
祭典通じ、先住民とも融合を=バンクーバー五輪、「カナダを一つに」〔五輪・関連〕
 【バンクーバー時事】バンクーバー五輪の開会式は華やかに彩られ、フィギュアスケートは大会の目玉となる。しかし、ひときわ光りを放つ両五輪会場に挟まれた市の東側一帯には退廃した空気が流れている。鉄柵で閉ざされた店が立ち並び、路上には衣食住にこと欠く人たちがたむろする。都市人口の数では圧倒的に少数派である先住民族出身者が、その3割以上を占めている。
 かつて、カナダでは先住民に対する言語や教育面における同化政策が長く続いた。市東部の荒れた一角にある地域センターで聞いた先住民女性の実体験も交えた語りは、怒りや悲しみというより、嘆きだった。寄宿学校や教会では日常的な虐待を受け、無学と心身の傷を背負って都市へ逃げる。家がない。金もない。あきらめの境地で売春や麻薬へ流れ、落ちていく人もいるという。
 五輪組織委員会は招致活動の初期段階から先住民との連帯を意識。開催地域にゆかりのある四つの先住民族で構成された4先住民協会が大きな影響力を持った。同協会の最高責任者テワニー・ジョセフ氏はカナダ全土の先住民族地域に足しげく通い、五輪への協力を訴えた。
 「儀礼的な五輪参加ではない」という同氏によれば、五輪を機に先住民にかかわる5700万カナダドル(約47億9000万円)のビジネスが生まれ、2000人の先住民の若者が職を得た。カナダ西部の先住民が持つ信仰の象徴(トーテム)が今五輪のメダルやマスコットのデザインに採用され、聖火の通り道などにはトーテムポールが数多く建てられた。「カナダを一つに」が大会のテーマの一つだ。それでもまだ、現実は路上に色濃く残る。カナダ政府が同化政策の過ちを公式に謝罪してからまだ2年もたっていない。五輪という祭典を契機に変わっていくことを願う一方、歴史の根も決して浅くはない。(2010/02/12-15:16)


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