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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

東日本大震災とあしなが運動

2012年02月29日 | 【エッセイ・コラム】

あしなが育英会から、受領証明書と詳細な事業報告書が届きました。

 

今回の受領証明書は、弊社の東日本大震災の支援運動に対するものです。

震災当初、赤十字への寄付等は個人的にしてはいましたが、より具体的な支援を長期的にできないかと考えてた結果、弊社のメインアートの吉岡浩太郎氏の協力で、オリジナルアート「福光」を制作しました。

この作品は、幸福の光を復興に変え、300部限定で売上の一部1点につき1,000円をあしなが育英会の東日本津波遺児支援に寄付すると言うものです。

今回届いた詳細の資料を見ると、現場の声や活動の詳細もよく理解できました。報告書での使途も明瞭でした。

寄付をするとき、基準として公共的な組織に重きを置くのは、個人的な支援をするときに必要不可欠です。日本赤十字など、組織の歴史や規模で考えざる得ません。

ネット社会においては、大なり小なりNPOに対する批判にさらされるのは、避けられない点だと考えています。少なくとも、現在の政府の対応に比べれば極めて迅速であると思います。

弊社も大きな支援は困難ですが、地道に長期的な支援したいと思います。そのためにも、こうした団体の透明性を確保することも大切な点です。

ともあれ、今後も被災遺児のための更なる成果を期待しています。

 


印象派を知ると言うこと

2012年02月28日 | 【エッセイ・コラム】

先日の土日にかけてBSで放映された「天海祐希パリと女...」新装なったオルセー美術館の魅力とパリと絵画にまつわるエピソードを絡めた魅力的な番組でした。

オルセー美術館と言えば、世界一の印象派コレクションをもつ人気の美術館ですが、展示室が、ブルーグレーの濃い壁面となったことで、印象派の作品が、とても観やすくなったと評判です。

今後の印象派の展覧会で、影響を与えることは間違いないと思います。

バブル景気で、企業がこぞって絵画を購入した頃に、日本人は印象派が好きと揶揄されたことがありました。

果たして日本人だけが、印象派好きなのでしょうか?モネやピサロ、シスレー、ドガなどで、後期のポスト印象派のゴッホやゴーギャン、セザンヌ、ルノワールと美術界において、人気の画家たちを多数輩出したのも印象派です。

印象派の画家たちは、世界中で愛されているのです。残念ながら、バブルの崩壊ともに企業の倒産が相次ぎ、日本にあった印象派の作品は、手を離れていきました。

結局、企業宣伝の道具となっただけで、印象派の作品のすばらしさを、歪められた結果となったのは残念です。

現在、日本にある印象派の時代を中心したコレクションは、美術に理解のある先人のパトロンによるものが大半です。

現代アートが、もてはやされる昨今、実は、美術展を支えているのは印象派を愛するアートファンのおかげです。

印象派の名前の由来は、当時の評論家が酷評し嘲笑の意味を込めて、影も形もない「印象」と言う蔑称で呼ばれたのです。美術は、常に時代の革新には批判的でした。逆にそれがエネルギーとなって新しいアートが誕生していきました。

実は、印象派を知ると言うことは、もっとも革新的なアートを知ると言うことにつながると、僕は確信します。

 


映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」

2012年02月28日 | 【映画・ドラマ・演劇】

9・11から家族再生のドラマを描いた映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を観ました。

9・11で父を亡くした息子が、生前二人で探した宝物のヒントとなるに合う錠前を探すストリーです。

息子の唯一の親友でもある父をなくし、喪失と絶望にさいなまれていた息子が鍵のヒントとなる「ブラック」と言う名前の人々に会うために、ニューヨーク中を歩きます。

ものすごく繊細で、ありえないほど臆病な息子オスカーが、様々な人々の出会い人間関係の恐怖と戦う姿をオスカー・ホーンが見事に演じきっています。特に彼の、吐き出すような長セリフは圧巻です。

今回の作品は、9・11から10年が過ぎ、残された遺族の心の傷にスポットをあて、残された家族の再生へのヒントとなる作品のように感じます。

少年の深い悲しみとその悲しみに寄り添う、母と父の両親。その家族が、静かに、時に、苦悶し激しく少年と向かい合う姿に感動を覚えました。

9・11から10年、そして3・11。この映画が、日本で今上映される意味は大きいと思います。少年の悲しみを、自分ならどう受け止めるか考えてみてはどうでしょうか。

映画の挿入歌U2の約束の地(邦題)が印象的で親子の目指すもののヒントにもなっている感じがする。


第84回アカデミー賞授賞式

2012年02月27日 | 【映画・ドラマ・演劇】

第84回アカデミー賞が決定しました。

作品賞は、下馬評通りフランス映画の「アーティスト」が受賞。監督賞、主演男優賞と主要部門を含め5冠とライバルの「ヒューゴの不思議な発明」も5冠と賞は分け合う結果となりましたが、やはり作品の評価は、アーティストの圧勝と言えます。

83年ぶりのサイレントムービーの受賞とは言え、アカデミーも近年、現在のエンターテーメント性の強い作品は、評価が低いように感じます。

アーティストが受賞したのも、サイレントを21世紀にぶつける斬新さが、異なるエンターテーメントを導き出した結果ではと思います。

今回の主要部門での受賞作品。アーティストを含め、主演女優賞のメリル・ストリープの「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」や、助演男優賞のクリストファー・プラマー「人生はビギナーズ」助演女優賞のオクタヴィア・スペンサー「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」等の作品は、茶々丸オヤジが観たい作品で、主要部門での受賞が作品に華を添えたのは、うれしい限りです。

また、脚本賞を受賞したウディ・アレン「ミッドナイト・イン・パリ」アートな要素があふれた作品で早く観てみたいと思ってます。

映画ファンとしては、今回の受賞内容を見て、今から観てみたいと思わせる作品が目白押しで、今からワクワクしてます。


メナード美術館所蔵企画展 ひかり

2012年02月26日 | 【美術鑑賞・イベント】

先日の歴史秘話ヒストリアの北斎特集で取り上げられていた北斎の娘、応為の作品「夜桜美人図」を観賞に、メナード美術館の所蔵企画展「ひかり-絵画にみる光の表現」を観賞しました。

くらしアート研究所所長の僕は、以前から、近くの美術館に足を運び、所蔵品の中から、お気に入りの作品を見つける、アート探しを勧めています。

僕の家から程近い、ここメナード美術館は僕が好きな画家で多数あり、身近でお気に入りの美術館です。そして、好きな画家北斎の娘、応為の作品に初めてめぐり合いました。

夜桜美人図は、北斎が、美人画なら自分より実力は上と言わしめた、北斎唯一の弟子とも言えます。きらめく夜空の星、上下に配された大小の灯篭の灯りのなか、夜桜を見ながら句をしたためる女性。女性に顔は、大きな灯篭の明かりに、まばゆく照らされ、下部の小さな灯篭のうっすらな灯りが女性に着物の柄を優しく照らす。2種類の光の陰影が見事に表現され、女性の妖艶さを際立たせていました。

光をテーマに内外の画家たちが、様々な光の表現で展開され、アートの歴史を超えて展示される展覧会は、無限に光を放って魅惑的な展覧会になっています。

春のこの時期、巨匠の光の表現に触れてみませんか。


coba20周年記念コンサート

2012年02月25日 | 【音楽・ライブ】

coba20

出会いは突然に、気ままにライブ。そんな雰囲気で、ライブに出かけています。

今回は、可児市芸術創造センターで、アコーディオン奏者cobaさんの20周年記念コンサートに。

coba tour 2012 20th anniversary FESTA cobaと題された、今回のライブは、cobaさんの20年目のアルバム「mond coba」を中心にした内容です。

舞台には、cobaさんのトレードマークのボーダー柄のTシャツが飾られています。すべてcobaさん着用したものが飾れて、カジュアルな雰囲気でした。

演奏が始まると、一転、cobaさんのイタリア留学時代の、アコーディオンやバンドネオンの名曲を演奏。重厚でシックな音色が響き渡ります。

二部は、オリジナル曲を中心にしたカジュアルな雰囲気に。ベースのJIGENさんのオリジナルバンド「桃梨」のボーカル上村美保子さんが、地元岐阜出身で特別ゲストして花を添える時間が設けられたり、東日本大震災を通じて生まれた「アリガトウ to the world」を合唱しました。この曲は、cobaと宮城県山元町の皆さんの協力のもと完成した歌です。

一部、二部あわせて2時間半の濃密な時間を堪能できました。アンコールで演奏した「マイ・ウエイ」がcobaさんの20年のアコーディオン人生を物語っていてラストを飾るにふさわしい演奏でした。

僕と同い年のcobaさん、これからのその素敵な音色でみんなを幸せにしてくださいね。


歴史秘話ヒストリア「負けずギライ北斎」

2012年02月23日 | 【美術鑑賞・イベント】

最近のアート系番組は、実に面白いです。茶々丸オヤジは、朝からBSプレミアムの「額縁をくぐって物語の中へ」を観賞。アートな気分にひたってます。

先の番組でも、葛飾北斎の「富嶽三十六景」が取り上げられていました。伊藤若冲や曾我蕭白など江戸の絵師が注目を浴びていますが、なんと言っても、別格の存在は、葛飾北斎です。

昨日夜10時から、僕の好きな歴史番組のひとつ「歴史秘話ヒストリア」でいつだって負けずギライ
~葛飾北斎 横町のオヤジは世界一~と題して北斎が取り上げれてました。

サッカー好きの茶々丸オヤジ、五輪予選のマレーシア戦をライブで観戦。歴史秘話ヒストリアは、録画でゆっくり観賞しました。

今回は、ひとり芝居で人気のイッセー尾形さんが、北斎を演じて番組が進行していきました。余談ですが、3月9日と10日名古屋公演も、小松の親分こと、小松政夫さんとの共演で注目です。

今回の秘話は、グレートウエーブと言われる「富嶽神奈川沖浪裏」にまつわるエピソードを通して、北斎の画業に迫っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

富嶽神奈川沖浪浦は、狩野派、琳派、そして南蛮貿易で得た望遠鏡等により、北斎の画工のすべてを網羅した作品であることや、浮世絵師から晩年信州で居を構えて肉筆画の世界に足を踏み入れ画狂人としての生涯を生き抜いたエピソードがつぶさに描かれ、とても興味深い内容でした。

その画業は、海を渡りパリの印象派の目に留まり、多大な影響を与えたエピソードは有名ですが、アメリカ合衆国の雑誌『ライフ』の企画「この1000年で  最も重要な功績を残し世界の人物100人で、日本人として唯一86位にランクインしたことでも 、北斎の絶大な人気が伺えました。

今回のもうひとつ注目したいのが、晩年の北斎を支えた娘の応為の存在です。北斎が、美人画では彼女の方が上と言わしめた応為の作品「夜桜美人図」が小牧のメナード美術館の所蔵品として紹介されました。現在、ひかり展のひとつで展示されています。 こんな近くで観賞できる幸運にも恵まれました。 

現在、京都府京都文化博物館で、開催中のホノルル美術館所蔵北斎展も、今回の番組で、さらに北斎の興味が沸く美術展となりそうです。


サッカー五輪日本代表勝利で王手

2012年02月23日 | 【スポーツ】

昨日のサッカー五輪日本代表の試合、みなさんは、どう見たでしょうか?

マレーシアに4対0の快勝と報道では盛り上げっていますが、サッカーファンの茶々丸オヤジとしては、いささか不満です。

おそらく、この報道の背景には、試合後にシリアとバーレーンの試合でシリアが破れ日本が首位に立ち、五輪切符をほぼ手中に収めたからだと思うのです。

一方的に攻めた日本も、荒れたピッチで足をとらえ、決定力を欠き前後半で2点づつ挙げたとは言え、もっと大量得点が望めたのではと思います。

U23の代表メンバーはタレントが豊富ですが、抜きん出た選手がいない。強いてあげれば、柏の酒井くらい、今回でも、酒井のサイドバック攻撃が効いてました。トップが固定できないのも、攻撃のバリエーションが多すぎて、個人の利点を生かしきれていないです。もっとチームの色が出る編成を僕は望みます。

もし、シリアがバーレーンに勝っていたら、シリアは、マレーシアと日本は、実力が伯仲のバーレンとともにホームで最終戦決着になります。その場合が、首位での予選突破も難しくなります。

なでしこのモチベーションは、あくまで予選突破は、五輪金メダルへの試金石であると感じました。

くらべて、U23のモチベーションは、五輪突破が目標で、五輪でのメダル獲得など頭にないと思えます。

アジアのライバルチームの韓国が首位突破が確定し、五輪切符を手にし、UAEも2位に勝ち点3差をつけて最終戦を有利にしています。

日本が、五輪でメダル獲得を目標にして戦わない限り足元を救われかねません。最終戦の3月14日、ホワイトデーのこの日を快勝の白星で飾ってもらいたいです。


休眠口座の活用

2012年02月21日 | 【エッセイ・コラム】

今、数冊ある休眠口座を解約する手続きをしています。面倒な手続きで、待たされることも多い手続きです。

実は、今回の浮上した政府の休眠口座に反対意志を示すためにやっています。内容は、預金者と連絡がとれない「休眠口座」を経済活用に使用すると言う案だそうです。

連絡がとれない預金者に限り、基金を作り、雇用対策や企業資金に活用しようとするものですが、銀行もこの案には、反対だそうです。まして、基金を作れば、また官僚の天下り機関が生まれ、そこに、また余分な予算が付くのではと疑いたくもなります。

更に出たきたのが、被災地の企業支援。この期に及んで実現可能にしようとする姑息な手段に思えてしかたないです。

一応は、預金者と連絡がとれない口座に限ってとありますが、銀行側がどこまで対応するか疑問です。少額の口座の場合、連絡が無いですし、解約手続きも煩雑ですからなし崩しになる可能性が大きいです。

解約手続きに銀行業務をとられるのは、銀行側ものぞまないでしょう。合併のメガバンクなど、申し込みか1週間もかかるそうです。しかも、残金は振り込み。他行への口座振込には、手数料までかかります。

最後は、銀行の財産になるわけですから、政府に口座を引き渡すわけがないです。

国民は、大なり小なり、自らの意志で被災地支援をしています。進まない被災地支援の現状を見て、お金の使い道が明確なNGOなどのボランティア団体に直接寄付する動きも出てきています。

僕自身も、あしなが育英会を通した被災地の子ども達の支援活動を少なからずしています。

使い道が、不明瞭、または自分の意志と反した被災地支援のあり方には「NO」といわざる得ません。

 


人形劇に見られる形

2012年02月20日 | 【エッセイ・コラム】

日曜日に放送されているNHKアーカイブスで懐かしい人形劇の新八犬伝が紹介されていました。

人形師、辻村ジュサブロー氏の操り人形は、妖艶で繊細、子どもながらに人形の姿に魅了されて夢中に見ていた、記憶があります。

辻村さんの、操り人形は、棒遣いで、自らが制作した人形だからこそ出来る工夫で、繊細な動きを実現されています。八犬伝前に人気を博した人形劇「ひょこりひょうたん島」も棒遣いの手法です。

他には、糸で操るマリオネット。手や指で操るパペットなどがありますが、たとえば、マリオネットで印象が深いのサンダーバード。パペットは、何といってもセサミストリートが強いです。

人形劇の世界は、世界中で人気が高く、それぞれの文化を象徴しているように思えます。

中でも、特筆すべきは文楽の人形浄瑠璃。ユネスコの世界無形遺産でもある日本が誇る操り人形世界は、頭は、と手、足にそれぞれ糸や棒などの細工が施された、究極の操り人形と言えます。

様々なジャンルで繰り広げられる操り人形の世界。老若男女を魅了する永遠の芸能文化だと感じます。

 


田川弘個展 ザ・スモール・ワールド

2012年02月19日 | 【美術鑑賞・イベント】

当店の古くからのお客様の田川弘さんが、フィギュアの個展を名古屋のギャラリー名芳洞に開かれています。

 

田川さんとは、岩倉に居を構えておられた縁で、作品の額装依頼をお受けしており長年の知人です。久しぶりの再会に楽しい時間を持てました。

名古屋芸術大学を卒業して、アクリル絵具を用い時代の女性を表現したイラスト画を発表。中日展大賞を受賞した東海地区の洋画壇の新鋭だった彼が、今は、フィギュアの世界にのめり込み、今回の個展を開催されたことは、驚きと未知の世界への期待を持って観賞しました。

今回の個展は、フィギュアの世界でもごく少量生産されるガレージキットによる展覧会です。

会場を訪れた時、ガレージキットの製作者である原型師やファンが多数来場され、この世界の深さを素人の僕でも感じました。

田川さんのフィギュア作品を見ると、画家の持つ独特な色彩感覚発見できます。それは、まさしくフィギュアのフィルターを通した田川弘のアートの世界だと感じました。

今の時代、アートの領域など存在せず、ボーダレス化し、誰もが持つ感情や感動と結びつく時、まさしくそれがアートなんだなと実感する個展でした。


中原淳一とカーネーション

2012年02月18日 | 【エッセイ・コラム】

先日、ふと番組欄を観ていて、歴史秘話ヒストリア中原淳一さんが取り上げられ、楽しく番組を見ました。

朝ドラのカーネーションでコシノヒロコさんが、主人公の母、綾子から雑誌のイラスト画の洋服を作ってもらい、学校で注目の的だったとのエピソードを述べられてました。

戦前、戦中、戦後にわたり、現在のかわいいファッションの原点となった「中原淳一」のイラスト画。

カワイイ洋服姿のイラスト画で、当時の少女に絶大な支持を得ていた中原が、彼女たちのセーラー服姿を見て、ファッション画に、生地の色や柄を加えたり、季節のコーディネートを提案するなど、少女マンガの影響を与えた星が輝く大きな瞳や現在のスタイリストやファッション評論家にも通じる活躍されていました。

贅沢は敵の戦争時代も、工夫を凝らして「カワイイ」を貫き、戦後の復興共に、ファッションを通して夢を与えは走りぬいた中原淳一さんの生き方は、世の中に「カワイイ」を広めた「カッコイイ」人生を感じました。

晩年は、病に倒れながらも、不自由な手で人形を制作。その人形が、イラスト画とは違う男性の作品。それらは、センスの良い美男子ばかり。それらの作品を観ながら、次のメンズファッションの道を作ろうとしていたのかなと感じました。

番組の最後に紹介された言葉

  もしこの世の中に、風にゆれる「花」がなかったら

  人の心はもっともっと、荒んでいたかもしれない。

  もしこの世の中に、「色」がなかったら、

  人々の人生観まで変わっていたかもしれない。

  もしこの世の中に「信じる」ことがなかったら

  一日として安心してはいられない。

  もしこの世の中に「思いやり」がなかったら、

  淋しくて、とても生きてはいられない。

  もしこの世の中に「小鳥」が歌わなかったら、

  人は微笑むことを知らなかったかもしれない。

  もしこの世の中に「音楽」がなかったら、

  このけわしい現実から逃れられる時間がなかっただろう。

  もしこの世の中に「詩」がなかったら

  人は美しい言葉も知らないままで死んでゆく。

  もしこの世の中に「愛する心」がなかったら、

  人間はだれもが孤独です。


  中原淳一

中原さんの美的感覚を象徴していて、美に携わる者として、とても勉強になりました。


大人の美的カフェ「あうら珈琲」

2012年02月17日 | 【グルメ・名古屋めし】

以前の記事「大人の美的カフェ」が好評でした。

大人の美的カフェとは、主の意志が反映された美しい佇まいとおいしい珈琲や飲物が楽しめる空間です。茶々丸オヤジの価値基準で選ぶ、そんなカフェをご紹介したいと思います。

今回は、名古屋近郊、北名古屋市役所の隣にある「あうら珈琲」さんです。

小さな森に囲まれた、コンクリートのモダンな外観。入り口の扉を開くと、カウンター越しに木々が、林の風景画のように広がります。カウンターの椅子は、ウエッグナーのYチェア。

中庭のテラスには、石のオブジェが。テラスの隣のテーブル席はコルビュジェ。クロームと黒で統一され全面ガラス張りの無機質な空間を演出しています。

主の六浦貴子氏の意志が、現代彫刻家の国島征二氏、庭園デザインで名高い造園家の糟谷護氏、そして佐久島や新潟のおひるハウスを手がけた建築家の南川祐輝氏により三味一体となって反映された洗練された空間です。

四季の移ろいを感じながら、陽だまりのなかで、主の淹れる珈琲を飲みながら、ゆったりとした寛ぎの時間を味わってみてください。


映画「ドラゴンタトゥーの女」

2012年02月16日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画「ドラゴンタトゥーの女」を観てきました。

ずいぶん前から、映画館の予告で何度も流れ、探偵会社のアシスタントの奇異な女性の姿とダニエル・クレイグの渋い編集長役と、映画セブンではまったデヴィッド・フィンチャー監督と三つの好奇心要素が重なった期待をもって観ました。

内容は、敗訴により多額の賠償金を抱える、雑誌ミレニアムの編集長ミカエルが、スエーデンの財閥から40年前に失踪した一族の娘ハリエットの事件調査を依頼され、ミカエルの身辺調査をした、背中にドラゴンのタトゥーを入れた小柄な女性リスペットをパートナーに、事件の真相を暴くというスリラーです。

今回の内容が、聖書の引用による連続殺人事件と絡んでいくのが、映画「セブン」での7つの大罪と重なってすんなり、作品の中に入っていけました。

セブンの場合は、ベテランと新米刑事の相棒でしたが、今回は渋くてセクシーなダニエル・クレイグが編集長をそして表題のドラゴンタトゥーの女が才媛ルーニー・マーラが、特異なキャラクターを見事に演じきり目をそむけそうになるシーン(実は茶々丸オヤジ、エグイのは苦手なんです)も直視してしまうほど、彼女の魔力で惹き込まれました。

ストーリー展開もスリリングで、事件の紐解きが、今のネット社会を投影し、リスベットの私生活を重ねることで現代社会の闇を暴き、さらにミカエルへの恋心までも描くをスリラーにラブロマンスが加わって、贅沢で魅力的な映画でした。

今回は、三部作の第一弾、今後の作品に今からワクワクしています。

 


ベン・シャーン展

2012年02月15日 | 【美術鑑賞・イベント】

名古屋市美術館で開催中の「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」を観賞しました。

ベン・シャーンは、アメリカを代表する画家ですが、一般には、なじみのない画家でしょう。

しかも、今回の展覧会は1990年以来、約20年ぶりの回顧展です。茶々丸オヤジ自身も、その全貌はあまり知りませんでした。

ポップアートの台頭が著しいアメリカで、ベン・シャーンのような社会派アーティストの存在が広く知れわたることのないのも仕方ないことですが、彼の作品や行動を知るに付け、今の時代に最も注視すべきアーティストであることを認識しました。

ユダヤ人家庭に生まれ、家族と迫害を逃れアメリカに移住した彼が、その後に冤罪事件を告発する作品を発表し、普通の人々の日常を描き続けた彼は、まさに大衆と共に行き続けた画家といえるのではないかと、作品の数々を鑑賞しながら感じました。

展示方法も、日常にアートがかかわってくるような趣向が凝らされ楽しめました。そして、彼の代表作でもあり、日本での深い関わりを感じる、ビキニ環礁での水爆実験により被爆事故の「第五福竜丸事件」をテーマにした、ラッキードラゴンシリーズが、今ある日本への警鐘に映りました。

今、日本でこの展覧会が開催される意義は大きいと思います。この機会に、べン・シャーンの実像に触れてみてください。きっと何かを感じ取れると思います。

3月25日まで、名古屋市美術館で開催。その後、岡山県立美術館。福島県立美術館を巡回。