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DVD ジュリアン

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、グサヴィエ・ルグラン監督のDVをテーマにしたサスペンス作品「ジュリアン」です。

今回の作品は、ルグラン監督の初長編作品で、ヴェネチア映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞しています。今回の作品は、世界中で問題となっているドメスティックバイオレンスがテーマです。離婚した夫婦とその子供たちの関係を描きながら、夫が徐々に精神が崩壊し、最後の行動に至ってしまう過程を90分の映像でコンパクトに、しかも詳細に描ききっています。

物語は、離婚調停により共同親権となり11歳の少年ジュリアンは、隔週の週末に父と過ごすことに。母は、父と会おうとせず連絡先も教えない状況を知るジュリアンは、母を守るために父を拒絶します。そんな態度が逆に父の怒りを増幅させ、暴力的になりとうとう彼の怒りは沸点に達し衝撃的な行動を起こします。

この作品の見どころは、高校生の姉とジュリアンの感情です。離婚した父と母への反発心から逃げようとする姉と父と母の間で板挟みになりながらも、必死に母を守ろうとするジュリアン。僕自身も離婚を経験し、二人の子供に悲しい思いをさせた時期があるので、二人の子供の置かれた立場も、よく理解できます。幸いにも今は、元妻と子供たちとは、時間の経過と共に良好な関係にはありますが、DVは、人間の正常な思考をも崩壊させてしまうので、この作品のようなことは、大なり小なり起こりうることで、起こっているのだと感じます。また、本作では最悪な事態を回避した対処作的な部分もあって、もし、当事者となりうる人がいるならば、目を背けることなく観てほしいです。

40歳の若き監督の突き付けた重いテーマを通して描かれた激しい衝動と恐怖に耐えながら、僕たちの周りに起こりうる事実を社会の問題としてとらえてほしいと思います。

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