前回、イギリスが、「強大な日本帝国(事実です
よ!)に宣戦布告などするでしょうか?」と書き
ましたが、ここで、太平洋・インド洋に於ける、
開戦時の日米英の海軍戦力を見てみましょう。
海軍戦力(太平洋配備、1941年時点)
日本 米国 英国
戦艦 11 9 2
大型航空母艦 8 3 0
重・軽巡洋艦 41 24 8
駆逐艦 129 80 13
潜水艦 67 56 0
です。
如何でしょう?
それが、真珠湾攻撃で、米戦艦8隻が沈没。2日
後には、英戦艦2隻撃沈で、大型艦で比較すると
ザッと日本は、米英の3~5倍の戦力! 正に、
両海洋を睥睨(ヘイゲイ)するほどの戦力と言え
るでしょう!
それだけで無く、武器は優秀<世界最大の18イン
チ砲や16インチ砲搭載艦を多数保有、酸素魚雷、
戦闘機・艦爆機・雷撃機など。しかし、暗号解読
された事と電探(レーダー)配備遅れは最大の痛
手>、兵は勤勉なうえ不惜身命<本当に、現場
(前線)は最強>。練度も極上(世界一と言って
も過言ではありません。この練度は今日の自衛隊
にも引き継がれています。世界の軍隊が認める所
です)。軍歌に『月月火水木金金』がありますが,
休日返上(土日が無い)で猛訓練を行っていたサ
マを表しています。
この戦力なら、連合艦隊を太平洋・インド洋と二
つに分けても、お釣りが来るほど圧倒的です(実
際、セイロン沖海戦でイギリスを破ってからは、
英東洋艦隊は、アフリカ東岸のマダカスカルやケ
ニヤ基地に逼塞してしまいます。日本が負け戦に
なってから、また出てきた次第)。にも関わらず,
何故、これほど惨めな敗戦を迎えてしまったので
しょう!? まともに考えれば真実、信じられな
い程です。
偏(ひとえ)に、軍部及び戦争指導部の愚鈍さ!
に尽きるのですが、加えて、政界・軍上層部に配
置された敵スパイ網の巧妙な存在を無視出来ませ
ん。結局、日本は、隠れたスパイの思惑通りに誘
導され、次々と泥縄式の戦術を繰り出し、当然の
ように自滅して行った次第です(防諜の貧弱さに
負けた!)。
⑥に、「多数の敵国スパイ工作(ソ連のコミンテ
ルン等)により、日本の上層部が、かなり汚染さ
れてしまったことに尽きる」と書きました。1935
年第七回コミンテルン(国際共産主義組織)大会
でのスターリン演説は、
「ドイツと日本を暴走させよ! しかし、その矛先
を祖国ロシアに向けさせてはならぬ。ドイツの矛
先はフランスと英国へ、日本の矛先は蒋介石の中
国へ向けさせよ。そして戦力の消耗したドイツと
日本の前に、最終的に米国を参戦させて立ちはだ
からせよ。日、独の敗北は必至である。そこで、
ドイツと日本が荒らしまわって荒廃した地域、つ
まり、疲弊した日・独両国をそっくり共産主義陣
営にいただくのだ」(Wikiより)と、言われてい
ます。事実かどうかは分かりませんが(論争中),
事態は、ホボこの様に展開していったのは間違い
ありません。また、コミンテルンのスパイ網は、
ルーズベルトの周辺にもハワされていたのですか
ら<ソ連のスパイであったハリー・ホワイトが、
ルーズベルト政権下で財務次官補として、ハル・
ノートの草案作成に携わり、「それは日本に開戦
を決意させた」、と>、敵ながら見事としか言い
ようがありません!
日露戦役は明石元二郎大佐などが、欧州で八面六
臂のスパイ活動を繰り広げ(工作資金は今のお金
で、400億円~1兆円とか?)、大国ロシアに勝て
ました。果たして今次大戦では、一体、日本は世
界でどのような諜報活動を行っていたのでしょう
か? まず、功績を聞いたことがありませんので
殆ど皆無に近いと思います(惨敗です!)。これ
には、明石大佐など先人達は草場の陰で、サゾ、
嘆いているに違いありません。
繰り返して結論を述べれば、日本は、防諜・諜報
活動に弱く、折角の大戦力を所持しながらも(大
和など、折角の18インチ砲を一発も撃っていない
のでは無いか? 馬鹿!としか、言いようがあり
ません)、生かすこと無く敗れ去ったと言う事で
しょう(*_*)
<続く>