5.さいごに
この四年というもの、フィギュアスケートファンが、どれほどの憤りを抱えて
きたか、おそらくフィギュアを五輪でしか見ない人には想像もつかないでしょう。
けれど、ここまでのまとめで少しだけでもわかっていただけたでしょうか。
それでも・・・と思われるでしょうか。
私たちが忘れてはならないのは、浅田真央は間違いなく、世界的に見ても何十
年に一度の稀有な才能の持ち主であり、キムヨナは凡庸な選手でしかないという
ことです。
凡庸な選手を、何年もかけてさもものすごい選手であるかのように仕立て上げた。
五輪という大きな舞台で、世間に文句を言わせないために。
キムヨナの演技というのは、フィギュアをよく知らない人から見れば、パーフ
ェクトで素晴らしいものに見えるかもしれない(点数という後押しもあり)。
しかし、フィギュアを少しでも詳しく知る人間から見れば、キムヨナの行っている
演技は、五輪10位の選手ともたいして変わらない、平凡なものです。ただ難易度
の低いプログラムを、自信たっぷりに滑っているから、素人目には素晴らしく見え
るだけなのです。ジャンプ以外の要素・・・ステップ、スピン、スパイラル。すべ
ての要素について、それは言えることです。
では、自信たっぷりに滑れる彼女の精神力を讃えるべきだといわれるかもしれま
せん。ですが、上記にあげたように、キムヨナは様々なものから守られている。採
点基準・審判・マスコミ・・・。
バンクーバー五輪フリーにおけるキムヨナの得点はどのようなものか、簡単に言
ってしまえば、あのプログラムから、3-3のコンビネーション+3回転を一回、
すっぽぬけたとしても優勝してしまえる。そのような異常な高得点なのです。です
が、コアなファンでなければ、そんなことはわかるはずもありません。1回や2回
転んでも優勝できると分かっている選手と、世界最高の技をパーフェクトに滑っても
優勝できないかもしれない選手が、同じプレッシャーであるわけがありません。
そのような、プレッシャーのない状況ですから、キムヨナがノーミスで滑れるの
は、別に驚くべきことではないのです。
フィギュアスケートは、芸術的要素を多分に含んではいますが、スポーツです。
それなのに、難易度の低いプログラムをプレッシャーのない状況で滑った選手が勝
ち、異常なプレッシャーの中で、それでも大技に果敢に挑戦した選手が負ける・・・。
そんなことがあって許されていいのでしょうか?
高得点が出るのはキムヨナのほうが、表現力に優れているからでは?と思われる
方は、上にある画像をもう一度見ていただきたい。明らかに、浅田真央のほうが技
術だけでなく表現力にも優れていることがよくわかるでしょう。
平凡平凡と何度も書きましたが、それは浅田真央と比べたらの話であって、キム
ヨナに才能がないわけではありません。トップレベルであることは間違いない。ただ、
浅田真央が天才すぎただけです。浅田真央が天才すぎなければ、ここまで念入りに、
キムヨナを「世界最高」に仕立て上げる必要もなかったかもしれない・・・とも思
います。ある意味、キムヨナも被害者かもしれないというのは、そういうところに
あります。
「仕立て上げられた世界王者」この言葉を、私はこれからもずっと忘れないでし
ょう。そして、浅田真央がこの四年間で何をされてきたか、そしてそれをいかにし
て乗り越えてきたか。それを、私はできるだけ多くの人に伝えていきたいと思って
います。冒頭にも書きましたが、私はフィギュアスケートを愛しているからです。
浅田真央は、間違いなく、もっともっと、世界的に評価されなければいけないス
ケーターです。私は、浅田真央とキムヨナが甲乙つけがたいと評価されるだけでも
我慢がならないのです。
どうか、この思いが、少しでも多くの人に伝わりますように。
そして、フィギュアスケートの現状が少しでもいいから変わりますように。
**********************★**********************
以下の写真はここのブログ主がたまたまネットで拾ったものですが、両者の比較の
足しになればと思い載せます。
両方とも綺麗だけど、「浅田真央が闘ってきたもの」の筆者の人のおっしゃるとおり、
やっぱり真央ちゃんのほうが姿形というか全体的にラインが滑らかで、その分体が
柔らかいように見えますね。