この西田さんとの対談で初めて脇議員を知ったけどこの人いいですね。自民党参議院の国体委員長。国対委員長として民主党と渡り合った経験からの視点を西田さんに語っています。自民党はほんとに層が厚い。大勢の議員たちがそれぞれの専門分野で研鑽して知識と技術を深め、次から次へとそうそうたる論客を生み出しているかんじ。
民主が政権とってからこのかた、鳩山の外交迷走、沖縄普天間ちゃぶ台返し、日米関係ぶち壊し、管の震災・原発事故時の犯罪的な対応の失敗と醜い責任逃れの自己正当化、ちょっとはマシか?と思った野田の、凄まじいマニュフェスト違反の消費税上げと、だらだらと引き伸ばした末の空虚でずる賢い「かっこつけ解散」。脇さんが対談で言っているように、こんな酷いでたらめな政権をなんをなんで3年間も引きずり下ろせなかったのか。。これほどの失態続きと法律軽視の民主党「不道徳政権」をここまで生き延びさせてしまったのは、メディアの確信犯的な「民主の失政隠し」とやっぱり国民の民度(民主主義という政治制度に対する理解度という意味で)の低さだと、今となっては思いますね。
この3年間日本人は、飛行機についてなんの知識もない全くのド素人が操縦する旅客機に乗っていたも同然。我々のように窓の外を眺めて酷いダッチロールや急降下に気付いた人たちは生きた心地がしなかったが、ほとんどの乗客たちは機内で本を読んだり居眠りしたりでコックピットの中で我々の命を預かってる人間が誰なのかなんて知りもせず、知ろうともしなかった。とにかく一刻も早く民主党を政権から引きずりおろして、いろいろ批判はあったが、少なくとも政治のプロ集団ではある自民党に日本の統治権を戻さねば。。これが、良識ある保守派のこの間の悲願でした。選挙は水ものだから、まだ油断はできないし、連立如何では自民の政策実行も自由がきかないこともあるけど、とりあえず選挙に行って「自民」と書いてきましょう。
「週刊西田 西田昌司×脇雅史 政治対談VOL1」のビデオからの抜粋
西田 今日お招きしましたのは、私の尊敬する自民党の参議院国会対策委員会委員長の脇雅史先生です。
参議院の司令塔であり、今回の野田総理解散に対する解散戦略も脇先生のもとで実現されてきた
と言ってもいいと思います。
民主党政権がようやく終わりますが、3年間民主党政権を振り返ってみてどうですか?
脇 ちょうど3年3か月くらいになりますが、振り返ってみて最初の印象はですね、そもそもあのマニフェスト
が出てきたときに、こりゃダメだ、と。実現できるわけもないし、馬鹿じゃないかと(笑)
これはすぐにつぶれるだろうと。まあ、でも1年くらいやらしてみらもしかしたらいい結果を出すかも
しれないと。そんな目で見てましたが、もう1年間で完全に破たんしてた。それをここまで引きずってしま
ったということでやっぱり権力をを引き摺り下ろすっていうのがいかに難しいかをつくづく感じました。
これほどダメなめちゃくちゃな政府であっても取り替えられないってことにある種の感慨を覚えます(笑)
西田 官僚もどんな大臣総理大臣の下でも動かなきゃならないという使命感もあるんでしょうが、マスコミ
もマニュフェストについては、やる前からできないとわかってたのに「できる」と言ってやらせた。
まさに振り込め詐欺のようなもの。マスコミも止めなきゃいけなかった。
脇 マスコミはもしかして本気でだまされたんじゃないの?マニュフェストも変だったけど、当時、自民党
もいろいろな矛盾を抱えて行き詰ってた。政権交代すれば何か新しいことが起こるだろうと。民主党
議員の言うことを聞いているとそれなりに話し方がうまい。だからなんとなく希望を抱かせた、まさに
オレオレ詐欺そのもの(笑)それでマスコミは本気でだまされた。あんなにひどいとは思わなかったと。
私たちは初めからわかってましたよ。マスコミも国民もだまされた。公開オレオレ詐欺ですね。
西田 まあ、ここまでだまされたら二度と引っかからない、というのが本当だと思うんですが、そういう状況
にもなってない。というのは、最後のあの(解散宣言のときの)党首討論で、野田さんが、覚悟を決め
てできて来たんでしょうが、安倍さんに向かって「議員定数削減を呑めば解散する」と突然言った。
それを見てマスコミは「野田もなかなかやるな、安倍さんが押されてた」と言うが、そうじゃないでしょ
と。そもそも今回の解散は谷垣さんとの約束で、野田はうそつきと言われ、これ以上解散引き伸ばしでき
なくなって解散を言った。だから本当は彼は条件つける資格なんてなくて、ただ解散するしかなかった
のに、まだそこで条件付けたりして違う球を投げてくる(笑)。これはまさに詐欺師の常套句。
脇 うまいんですよね。また更に騙されるという、まさに騙しのテクニックで。。国会議員の定数削減をする
ということの意味をまともに議論もせずに解散と引き換えにするっていうのはもう飛んでもない話です。
ところがその飛んでもないことを飛んでもないことだと受け止める識者が少ない。民主党の誕生から今日
までを見てるときちんと評価したり判断したりできる人たちがあまりにも少ない。今の政治はまさにパフ
ォーマンスだけで動いていて、それに行政が引きずられる。だからこの国をどう統治するかというときに
政治家と行政官の役割分担をどうするかなんですが、それを行政なしで進めようとてるわけです。行政
なしで政治が進むわけがない。立法府の国会議員が大臣になるわけですが、それだけで済むわけがない
んですが、これを政治主導という間違った考えでやった。そして、一番の問題は彼ら(民主党)が憲法を
始めとする法律の規則を守らない、ということ。行政というのは法律を忠実に実行しろと憲法に書いて
あるのに、その精神すらわかってない。だから、ものすごい不道徳な政権だったと思いますね民主党政権
というのは。
西田 まあ、彼らはとにかく政権さえ取ればなんでもできるんだと。そして三権分立も否定し全権力を自分たち
に集中させ、最後は検察まで牛耳って全くでたらめをやった。脇先生は国対の委員長ということで民主党
と直接対応する最先端にいらしたわけですが、交渉相手として彼らはどうでしたか?
脇 交渉能力というか、本体がまったく間違ったことをしてるわけですから弁解のしようもないし、私はただ、
憲法を始めとする法制度に基づいて、国会というの過去の慣行慣例で動いているこの立法府をいかに歴史
と伝統を踏まえてきちんとやっていくか、ということだけを考えていたので、とりわけ足を掬ってやろう
などと思っていたわけじゃないが、一人ひとりの大臣を見ていてもあまりにも酷すぎる、こんな酷い内閣
がなんで許されるんだろうと。よく参議院が横暴で「何かというとすぐに辞めさせる」というんですが、
こんなひどいものを辞めさせなかったら、議員たる資格がない、それくらい酷いと思う。個人的な恨みが
あると思われたらも心外だが、この(民主党の)国家を統治する機構を見ていて、なんという酷い人たち
かと。もうそれに尽きますね。だから、参議院で問責出して、勝手に法律に決まってもないのにおかしい
とかいうけど、参議院が本当にダメな内閣を倒すことができたら、それは素晴らしいことで、衆議院には
できないんですから、それがなんで批判されなくちゃならないのか、倒すに当たらない内閣だというのな
ら私も甘んじて批判を受けますが、これだけ酷い内閣を倒すことでなんで非批判されなきゃならないのか
と、暗澹たる思いです。・・・(後略)
週刊西田「「西田昌司×脇雅史 政治対談VOL 1」