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NHK問題を考える奈良の会

2017-03-27 21:42:11 | 記者会見・声明

                                2017年3月23日

奈良地方裁判所御中

陳 述 書         

                       原告  奈良県生駒市壱分町953-3

                                                  池田 順作

                       

 私は1941年2月9日生まれの76歳です。大学卒業後、大阪の私立高校に理科専任教諭として就職し、65歳で定年退職し、以後理科の非常勤講師として4年間勤務し、69歳で退職し、現在に至っております。

 理科教育の関係で、NHKの教養番組、特にサイエンス特集の番組は、優れたものが多く、大変参考になり、何度も理科教育に活用させていただきました。しかし、理科のみならず、私は教員が持つべき一般的素養として、テレビや新聞が報道する幅広い多くの社会的また政治的ニュースに、特に仕事がら平和と人権に関するニュースに興味と関心を持ってきました。

 

Ⅰ. その中で、私が最初にNHKの放送内容に違和感を持ったのが、2001年1月~2月に教育テレビで4夜連続で放送された「ETV2001 戦争をどう裁くか」の第2回「問われる戦時性暴力」です。これは、戦争中の「慰安婦」問題など日本軍による性暴力の実態を検証しようとしたもので、放送の前年に開かれた、7カ国の団体が国際実行委員会を構成する民衆法廷「女性国際戦犯法廷」に焦点をあてた番組です。

 戦争中の人権尊重の観点から編成された4回の放送のうち、他の3回はメッセージが極めて明快で、はっきりしていたのに、この第2回だけは「何をいいたいのかわからない曖昧な番組」でした。後に「女性国際戦犯法廷」実行委員会団体の1つ「バウネットジャパン」が、「法廷」の真実を伝えなかったこの番組作成の真相を求めてNHKを提訴し、この裁判の中でNHKの長井デスク(当時)や永田チーフプロデユーサー(当時)らが、政治的改変の実態を内部告発し勇気をもって真実を証言したこと、2007年1月の第二審東京高裁判決では、NHKが自民党国会議員の発言を「忖度して・・・、その結果修正を繰り返して改編が行われた」と政治介入があったことを認め、NHKに200万円の損害賠償を命じたことは、社会に大きな衝撃を与えました。さらに放送倫理・番組機構BPO放送倫理検証委員会が、「この改変は公共放送の自主・自律を危うくし、視聴者に放送の真実に重大な疑念を抱かせた」と、報道倫理に真正面から向き合った意見書を明らかにしました。

 サイエンス関連の番組はともかくとして、社会的・政治的または歴史的問題について、NHKは真実を報道しているだろうか? 今後NHKが、自民党議員やそのときの政権からの有形無形の圧力に抗して、どのように報道しているか、このことが私の大きな関心事になりました。

 あの2001年の「問われる戦時性暴力」問題から、NHKはどんな教訓を得て、その後の放送にどう活かされるのか、私は重大な関心をもって見てきました。ところが、高裁判決後NHKが上告し、2008年6月の最高裁判決では政治介入の問題には全く触れず、「編集権の自由」という抽象的一般論に終始して、損害賠償請求を否定してしまったため、これをNHKは「正当な判断」とし、以後この事件について「自らの手で番組改編の真相を明らかにする」ことはありませんでした。蓋をして、この問題から逃げたのです。

 

Ⅱ. 最近では、2017年1月24日放送のNHK番組「クローズアップ現代+、韓国・過熱する“少女像”問題 初めて語った元慰安婦」の内容が問題です。

 日韓両国は、2015年12月に慰安婦問題で合意に達しました。第2次世界大戦当時に日本軍によって慰安婦にさせられた韓国・朝鮮人の多くは未成年でした。強制的に慰安所に閉じ込められ、逃げることもできず、性奴隷にされた少女たちの悲惨な状況を考えるとき、この当事者の方々に何の相談も、まったく1人の意見を聞くこともなく、両国政府によって政治決着されたもので、今日に至っても韓国内の「日韓合意」批判は厳しいものがあります。2017年2月17日に発表された韓国世論調査では、韓国国民の約7割がこの「日韓合意」に反対しています。

 いま、なぜ当事者(被害者)や韓国の若い世代が「日韓合意」に抗議し、少女像の設置を進めるか、少女像を自らの分身と言い、愛情を注ぐ多数の被害者の声や、長期にわたる募金活動で少女像を新たに作り、記憶を継承しようとする若い世代の思いを、この番組は伝えていません。

 番組キャスターは、「日韓合意は問題解決の最後のチャンス」「どうしたらこの合意を進めていけるか」などと発言し、少女像設置運動や合意反対運動は、当事者を置き去りにして、一部の人達が過熱・先鋭化しているのだ、という番組の立場を伝え、「合意」による「支援金」を受け取った被害者と家族の声は伝えたが、「合意」に反対し「支援金」受け取りを拒否する被害者の声はまったく無視しています。

 今日の事態の責任は、被害者に謝罪する意思は「毛頭ない」と言い放つ安倍首相、10億円は「賠償ではない」と繰り返し、被害者の法的賠償請求権を無視し、一貫して「法的に解決済み」と主張する日本政府にあります。これらの政府の言動は、「合意」がいう「日本の反省とお詫び」が、実は口先だけのものだと韓国民に知らしめたのです。

 メデイアの役割は、政府の立場を忖度して報道することではなく、「日韓合意」の問題点を客観的に分析し、日韓両国民の多様な意見をさまざまな角度から明らかにすることです。

 

Ⅲ. 籾井氏がNHK会長に就任して、NHKの今後に私は暗い予感がしておりました。籾井氏は「政府が右というものを左というわけにはいかない」と述べ、NHKは政権の意向を忖度して放送する、と宣言したのです。

2015年は、5月から9月にかけて安保法制の国会審議が行われ、与野党の激突国会となりました。国会内外の動きをどうニュースにまとめて伝えるか、にメデイアの立場が問われます。

国会の審議内容や、国会外の市民や学者の動きのうち、政権にとってマイナスになる内容を、民放は放送したのに、NHKが放送しなかった例はたくさんあります。(時間の関係で、ここでは割愛します)

 

以上3点は、ほんの1例です。籾井氏から上田氏にNHK会長が交代し、NHKが放送法第4条を本当に遵守して放送するようになることを求めて、私の陳述を終わります。

 

以上


森友疑惑徹底究明!安倍内閣は退陣せよ!緊急官邸前行動・3月9日

2017-03-27 21:37:19 | 緊急署名

 森友学園は、8,770平方メートルの学校用地を事実上200万円というタダ同然で手に入れています(注)。政府は、時価約9億5,600万円の国民の財産をただ同然で払い下げたのです。これは、官僚の判断でやれることではなく、安倍首相などの政治家が関っていることは明らかです。だから、政治家に類が及ばないように、交渉記録を破棄したと主張し、官僚が疑惑隠しに終始し、安倍首相をはじめ、政府・自民党が真相究明を拒否しているのです。野党が共同してぜひ真相究明をしていただきたい。

  安倍首相は、当初、森友学園の籠池泰典理事長は「私の考えに非常に共鳴している方だ」「妻から(籠池)先生の教育に対する熱意はすばらしいと聞いている」と持ち上げていました。ところが、森友学園問題がメディアで報じられ、国会でも追及を受けるようになると、「教育者の姿勢としていかがなものか」などと、「籠池切り捨て」に露骨に動きはじめました。

 森友学園が経営する塚本幼稚園の偏向教育は異常です。毎朝の朝礼で、園児に国旗「日の丸」の前で、「教育勅語」を暗唱させ、「君が代」を一斉唱和させ、「日の丸行進曲」や「愛国行進曲」、「海ゆかば」などの軍歌も斉唱させています。年1回伊勢神宮に合宿参拝させ、自衛隊の行事に園児を参加させ、「軍艦マーチ」などを演奏させています。極めつけは、15年の塚本幼稚園の運動会で次のような「宣誓」を園児たちが唱和したことです。<おとなの人たちは、日本がほかの国々に負けぬよう、尖閣諸島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心改め、歴史教科書で嘘を教えないようお願いいたします。安倍首相、ガンバレ!、安倍首相、ガンバレ!、安保法制国会通過よかったです!>

 幼稚園児が教育勅語や「宣誓」で叫んだような内容が理解できるとは思えません。それを暗唱させるのは洗脳教育以外の何ものでもありません。森友学園が開設する小学校は、校内に神社を造り、日本で唯一の神道系小学校で、日本の文化や伝統、歴史を学ぶことによって愛国心を育むことを教育理念としています。

 名誉校長を引き受けていた安倍昭恵夫人は、何回も塚本幼稚園で講演していますが、2014年4月には、園児たちが、「日本国、日本国民のために活躍されている安倍晋三内閣総理大臣を、一生懸命支えていらっしゃる昭恵夫人、本当にありがとうございます。ぼくたち・わたしたちも頑張りますので、昭恵夫人も頑張ってください」と唱和すると、安倍昭恵夫人は「感動しちゃいました」と涙を流していました。15年9月の講演では「こちらの教育方針は大変、主人も素晴らしいと思っている。(卒園後)公立小学校の教育を受けると、せっかく芯ができたものが揺らいでしまう」と、公立学校の教育内容に否定的な発言をし、だから、塚本幼稚園の洗脳教育を続けるためにも小学校をつくるのだと、その意義を語っていました。

 塚本幼稚園に学んだ子どもが、街を歩いている時に、旗(日の丸ではない)が飾ってあるのを見て、突然、直立して「きょういくちょくご、チンおもうに・・・」とはじめてびっくりしたというお母さんの話や、テレビに安倍首相が写ったら子どもが「ばんざい!」と叫んだというお母さんの話もあります。これはもう、教育ではなくて洗脳、刷り込み、マインド・コントロールです。戦前、戦中の子どもたちも、こうした洗脳によって、「軍国少女」「軍国少年」にされ、戦場に駆り出されたのです。

 学園の籠池泰典理事長は日本会議大阪の運営委員、妻で副園長の諄子さんも日本女性の会大阪の幹部です。森友学園の幼稚園教育や開校を目指す小学校での教育は、日本会議の教育方針の具体化といっても過言ではありません。それは同時に、安倍政権がめざす教育ではないでしょうか。

 いま、安倍政権は戦争法によって日本を「戦争する国」に変え、それに必要な「人材」育成をめざす道徳の教科化や新学習指導要領など「教育再生」政策を進めています。安倍首相が「自分の考えに非常に共鳴した」「素晴らしい教育」といった森友学園の教育は、この安倍首相の教育政策を先取りして実行したものではないでしょうか。安倍首相がめざす、憲法改悪を先取りして国のかたちを変える教育のモデルが森

友学園の教育ではないでしょうか。そのことは、文部科学大臣が、こういう洗脳教育を行なっている森友学園の教員を3人も優秀教員として表彰していることが示しています。しかも、全国で11人しか表彰していない内の3人です。また、稲田防衛相も森友学園に感謝状を出しています。だから、学校用地をただ同然で払い下げたのではないでしょうか。

  戦争したがる総理、そして「戦争する国」の偏向教育、洗脳教育をめざす安倍首相に子どもたちの教育、未来を託せません。一日も早く退陣に追いこむように力を合わせて頑張りましょう。

 子どもと教科書全国ネット21の俵義文

(注)評価額9億5,600万を8億1,900万円値引きして1億3,400万円で売却した。その前に、国交省大阪航空局は埋設物・土壌汚染除去費用として1億3,176万円を森友学園に支払っている。したがって、これを差し引けば、森友学園が国に支払った金額は約200万円ということになる。