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「共謀罪」法案の廃案をめざす市民連合の声明

2017-04-25 08:11:33 | 野党共闘・市民連合

 2017年通常国会に提出され、現在本格審議が始まった「共謀罪」法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の改正案)は、「既遂犯処罰の原則」にもとづく日本の刑法体系を大きく変え、さらに捜査範囲を一般市民に広げ、人権侵害をもたらすものです。
 安保法制の廃止と立憲主義の回復とともに「個人の尊厳を擁護する政治」の実現を訴えてきた私たち市民連合は、「共謀罪」法案に反対し、その廃案を求めます。

「共謀罪」を口実にして、一般の市民が広く捜査対象とされる危険
2017年「共謀罪」法案は、安倍政権の整理に従ったとしても、277もの罪について「共謀罪」規定を設けるものです。「共謀罪」が法制化されると、警察・捜査機関は、広く一般市民に対しても、組織的犯罪集団に関わっているかいないか、犯罪を遂行することを合意したか、犯罪に関わっていなくても、犯罪が起きていなくても、監視や捜査をするようになります。
政府は、一般人が「処罰の対象」となることはないと主張する一方で、一般人でも「捜査の対象」となることは否定せず、ごまかしの答弁を繰り返しています。これはまさに、一般の市民が捜査の対象となるからにほかなりません。
例えば、捜査機関が特定のSNSグループやそのなかのメンバーに疑いをかけたら、メンバー全員のリストを作成し、関係性を把握し、必要に応じて取調べなどを行うようになります。このような捜査活動は、一般の市民を日常生活の場で監視し、委縮させるものであり、プライバシー・自由に生きる権利を侵害するものです。

国連越境組織犯罪防止条約(パレルモ条約)はテロ対策のための条約ではなく、またその批准は「共謀罪」法の制定を必要としない
安倍政権は、国連越境組織犯罪防止条約(いわゆるパレルモ条約)に対応するために「共謀罪」法案を成立させる必要があると述べています。しかしパレルモ条約は、国際的な組織犯罪としてのマネーロンダリング(資金洗浄)対策を主な目的とする、いわば「マフィア対策」の国際条約であり、「テロ対策」ではありません。
またパレルモ条約の批准が「共謀罪」法の制定を前提とするという主張も事実ではありません。

そのため「共謀罪」の捜査対象となる罪の多くが、テロ対策と関係がない
安倍政権は、組織的犯罪集団が実行を計画することが想定されるかという基準で、「共謀罪」の捜査対象となる罪を選んだと説明しますが、実際には、著作権侵害など組織犯罪ましてやテロ対策とは無縁のものが大半を占めていて、立法の必要性を裏付けることはおよそ不可能です。

国会における説明責任を放棄し、「共謀罪」法制定を強行することは許されない
日本における刑法体系を根本から揺るがし、広く一般市民の日常生活を捜査機関の監視下に置く危険をうむ「共謀罪」を、安倍政権はあたかもテロ対策のために必要であるかのように国民をあざむこうとしていますが、現実には、テロ対策のためにあるわけではなく、マフィア対策としてさえ説明がつかず、またパレルモ条約批准のために必要というわけでもありません。
このため安倍政権は、国会での審議をないがしろにし、「共謀罪」法の必要性を説明することができない金田法務大臣が、大臣としての説明責任を完全に放棄する事態を早くも引き起こしてしまいました。自ら法案を理解し説明することができない法務大臣の任命責任を負う安倍首相もまた、説明責任を果たそうとはしていません。独裁的な安倍政権のふるまいによる議会民主主義の劣化、空洞化は、目を覆うばかりです。

市民連合は、2017年「共謀罪」法案の廃案をめざし、市民と立憲野党の共同をさらに広げるために全力で取り組みます。

2017年4月22日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合


関西市民連合 野党共闘へシンポ

2017-01-27 11:12:48 | 野党共闘・市民連合

 

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(写真)リスペクトの政治を話し合うパネリストたち=22日、京都市

立憲主義の回復、個人の尊厳を守る政治をつくり、市民の日常に立脚した政治を求めようと、関西市民連合は22日、京都市左京区の京都大学で「リスペクトの政治に向けたシンポジウム」を開き、約120人が参加しました。

 西牟田祐二・京都大学教授があいさつしました。

 日本共産党の、こくた恵二衆院議員・国対委員長、民進党の福山哲郎参院議員があいさつし、社民党、自由党がメッセージを寄せました。

 こくた氏は「お互いに尊敬し、敬意を払い、一致点を見いだしていくことを基礎にすえてがんばりたい。安倍政権打倒の一点で団結したい」と述べました。

 福山氏は、安保法制の廃止や共謀罪の問題に触れ「国会のたたかい、市民の協力をしっかりやりたい。もちろん立憲4党の国会での共闘はいうまでもない」と語りました。

 牟田和恵・大阪大学教授が記念講演し、個人や家族の問題と見られてきたことを社会の問題とし政治化させてきた女性解放運動と、トランプ政権に対する大規模な抗議行動「ウィメンズマーチ」とのつながりを指摘。牟田氏は「個人的な『小文字』の政治と、国家予算といった『大文字』の政治は一体のものだ。政治をわたしたちのものにすることでしか希望は生まれない」と強調しました。

 パネルディスカッションでは、市民グループ「SADL」や「ママの会」のメンバー、大学教員らが、子育て、介護、LGBTなど「生きづらさや生活しているなかでのもやもや」を出し合いました。


関西市民連合主催「リスペクトの政治に向けたシンポジウム」のお知らせ

2017-01-04 17:11:34 | 野党共闘・市民連合

 関西市民連合は、2017 年 1 月 22 日(日)に、「リスペクトの政治に向けたシンポジウム」 を行います。

 

 次期衆院選に向けた野党の共闘は一進一退の状況ですが、立憲野党の間でも、市民の間でも、 違いを認め合いながらも、再びお互いの目を見て真摯に話し、立憲主義の回復や、個人の尊 厳を擁護する政治の実現といった一致点を前に進めるための、「リスペクトの政治」の実践 が求められています。

 

 「リスペクトの政治」の実践にあたり、立憲野党と市民の一致点となり、重大かつ喫緊の 課題として、女性を中心として個人が生きづらさを感じる社会、というものがあります。こ の問題意識から、本シンポジウムでは、ジェンダー論がご専門の大阪大学の牟田和恵先生に 「政治をわたしのものにする」と題して講演していただきます。また、この間の新たな市民 運動に参加してきた主婦や学者、学生により「いま、市民が政治に求めること」と題してパ ネルディスカッションを行います。

 

 2016 年、「保育園落ちた、日本死ね」という言葉が大きな反響を呼びました。 仕事と子育てや介護を両立させたい。組織のなかで働きに見合った評価をされたい。結婚し ても慣れ親しんだ従来の名字を使用したい。女性に対する様々なハラスメントを受けるこ となく、安心して暮らしたい。これらの願いは、個人のわがままなのでしょうか?

 

「 すべて国民は、個人として尊重される」と日本国憲法第 13 条にもうたわれているように、 元来「個人的なものは政治的なもの」であり、「個人の生きづらさ」に関する課題は、政治 的な課題として解決に向けて取り組まれなければならないはずです。しかし、自民党改憲草 案の第 24 条にみられるような、男尊女卑的な家族観に基づく自民党を中心とした政権のも とでは、「選択的夫婦別姓」や「政治分野における男女共同参画推進」など基本的人権にか かわるような分野の取り組みですら、実現することが極めて厳しい状況です。

 

 本シンポジウムを通じて、私たち市民1人1人が、日常の体験のなかから、政治に求めるこ とを掬い上げ形にする術を身につけることで、主体的に争点を設定できるようにしてきた いと考えています。

何かとお忙しい折ではありますが、大勢の皆様のご参加をお待ちしております。

 

「リスペクトの政治のためのシンポジウム」

 

日時:2017 年 1 月 22 日(日曜日) 13 時半開場 14 時開会
場所:京都大学 法経第 5 教室(京都市左京区)


講演:「政治を私のものにする」 牟田和恵(大阪大学教授 ジェンダー論/歴史社会学)

 

入場料:無料

 

 *今回は託児コーナー及び手話通訳があります。どうぞ安心してご来場ください。 主催:関西市民連合(会場管理:西牟田祐二(京都大学大学院経済学研究科教授)

 

 

 

「第3回全国市民意見交換会」・「市民連合」と「総がかり行動実行委員会」主催

2016-11-26 18:18:18 | 野党共闘・市民連合

「市民連合」と「総がかり行動実行委員会」主催の「第3回全国市民意見交換会」始まりました! 最初に総がかり行動実行委員会の高田さんの挨拶。 「個別には反対の多い政策を進めながら安倍政権の支持は高い。安倍政権に代わる選択肢の確立が必要」

立憲デモクラシーの会の山口二郎教授より、この間の参院選含む各種選挙戦の総括。 「アメリカ大統領選の結果や、都知事選以降の小池知事の勢いなどを見ると、立憲野党が、早く、再分配も含む幾つかの共通政策を、市民も関わって確立する必要あり」

北海道「市民の風」の小林さんより報告。「北海道5区補選では、野党共闘は中央に任せていただけでは進まなかった。地元で、政党と市民も入った協議を進めたことが後押ししたと思う。中央マターと言われるが、衆院選に向けても地元から盛り上げたい」

市民連合みえの森原さんより。「野党統一候補で候補者が減ることにより、選挙の雰囲気が盛り上がらず、投票率が下がるのでは?との懸念もあった。しかし実際には、争点の明確化や、接戦に持ち込むことで全国的な注目を集め、投票率が上がった。」

「三重は野党共闘で与党に勝つにあたり、市民が選対の中に入り込んだことが重要だった。但し、市民としての自律性を持って関わることが大事。市民にしか出来ないことをやるということ。 また、地域の、長年運動を続けて来られた方々との連携も重視した。県内各地を回った。」

「三重の野党共闘は、市民団体を仲立ちにしたブリッジ共闘方式。民進党が元々強い地域だったということもある。しかし共闘の形式はともかく、選挙戦を通じて、候補者自身が、市民の姿を見て変わっていった。 今は、衆院選に向けて、小選挙区単位で市民の器になる場所を作るべく動いている。」

東京よりTeN2016の森田さん「民進党の代表選も重なり、なかなか候補者の一本化ができなかったことで、本格的な動きが告示間際になったことが厳しかった。ただ、ブリッジ形式とはいえ、市民と野党の政策協定を結ぶなど成果もあった。」

新潟に新しいリーダーを誕生させる会の横山さん「新潟県知事選挙の勝利の伏線としての、参院選の勝利があった。政党や市民、労働組合の包括的な野党共闘が組まれ、県内各地域のキーマンが人を集め、広がりを作ることで勝利した参院選だった。」

「新潟県知事選挙の候補者選出プロセスは困難を極めたが、米山さんが決断してくれた。 また、森ゆうこ参院議員が、必ず候補者を出すのだという意気込みで、事前に様々な準備をしてくれていたことも、後々とても役に立った。」

横山さん「市民の声を、候補者に直接ぶつけることで、候補者自身が更に決意を固める、市民の声に耳を傾けてくれるようになる、というプロセスを、参院選と県知事選と続けて見てきた。 引き続き、米山新県政を見守っていきたい。」

自治体議員立憲ネットワークの、市来とも子さん(杉並区議)「市民の後押しのもと、貧困・格差に関する政策や、所得に関わらずに困難に直面する保育や介護に関する政策を、野党統一側はきちんと打ち出す必要がある。 つまり、野党統一が、一体何を産み出そうとしているのかを明確にすることが大事。」

市来さん「技術論でいくと、政党間で、選挙の文化がかなり違うということがある。これをいかに乗り越えていくかが大事。小選挙区で勝つ、というのはどういうことかを意識して進める必要がある。市民間、野党間で、真摯に話をしていくことが大事だと考えている。」

元SEALDsの柴田さん「初めて選挙でボランティアをする人が多かった参院選。選挙戦にあたって何ができるのかを分かりやすく示した。 また、webポスターやネットプリントの活用など、政策や候補者を分かりやすく伝えるツールを作成した」

元SEALDsKANSAIの塩田さん「アメリカ大統領選を見に行った。開放的で明るい事務所の中で、スタッフやボランティアが一緒に候補者の討論会を見たりして、結び付きを強めていた。初めてのボランティアへのレクチャーも親身に行われていた」

塩田さん「演説会などで、支持の呼びかけと共に、ボランティア参加の呼びかけが盛んに行われていたのが印象的。 また、戸別訪問は日本では行うことが出来ないが、「対話」の重要性について、改めて感じた。初めて参加するボランティアでも訪問活動ができるよう、マニュアルも整備されている。」

塩田さん「どのように、有権者からの支持を獲得するかについても、陣営でルールが共有されている」 芝田さん「選挙が始まる前から、対話を通したコミュニティの形成、強化を図ることが大事だと、アメリカの大統領選や参院選を経験して感じた。」

元SEALDsの諏訪原さんより「各地からの報告で大事だと思ったこと。選挙区ごとに課題も状況も違うなかで、いかに選挙区ごとに地に足をつけてやっていくか。都道府県レベルからいかに歩を進めていけるかが大事だと感じた。」

諏訪原「そして、いかに野党共闘を深化させるかがもう1つ大事な点。それは選挙の戦い方の面と、政策の面と。安保法廃止に加えて、地域の課題などを、どう野党と市民で一致点のもとで組み立てていけるか。 同時に、市民がそれらの政策を、どのように身近な人に伝えていくかは、市民の腕の見せどころ」

学者の会の中野晃一さん「トランプ氏の当選から見てとれること。歯に衣着せぬ本音トークを行う政治勢力がやや現実化するだけで、奇妙にも安心してしまう、という状況がある。一方で、民主主義や立憲主義を掲げる勢力は、期待値が高すぎて、まどろっこしい、 進まない、という評価をされてしまう」

「一気に、私たち市民が望んでいる状況へは持っていけないかもしれないが、見せ方や伝え方も工夫しながら、各地域かで野党共闘を引っ張っていって頂ければありがたい。やきもきすることもあるとは思うが、例えば新潟県知事選のように、ある種絶妙なタイミングでの共闘成立、ということもある。」

【ご参加ありがとうございました!】 今日は約200名の皆様にご参加頂き、誠にありがとうございました!動画のアーカイブはこちらのfacebookページにてご覧いただけます。ぜひ、ご覧ください!そして、一連のツイートも必見です。