また元旦にNHKにっぽんのジレンマを見てしまった。
「格差を超えて 僕らの新たな働き方」というテーマ。論客たちが、ノマドなど自分の生き方を語っているが、正直、聴き飽きた感がして、陳腐だった。
しかし最後の最後に宇野さんの話が面白かった。
我慢して聞いていてよかった。
今の日本は「昼の世界」的な社会観をもって生きている人と、「夜の世界」的な社会観をもって生きている人が、同じ列島に二つの世界が重なり合って存在しているというのである。
「昼の世界」とは、戦後のものづくりと日本的経営に支えられた「企業社会」を中心にした世界。
対して「夜の世界」というのは、ポスト戦後的な社会らしい。ここでは“失われた20年”に逆に伸びていったインターネットやエンターテインメントの世界に才能が集まっている世界。
規制や既得権益など既成の企業社会に対して、インターネットや漫画やファッション、ゲームなど新しい世界に想像力あふれる自由な日本人(若者)が集まってイノベーションを起こしている。
彼らは持ち家志向も低いし、家族構成も多様。共働きが基本で、情報収集もソーシャルメディアが中心、買い物もネットで……といった新しいライフスタイルを持つ人たちで構成されている。
しかしいまのニッポンの制度はそう言う前提で作られておらず、じいさんばあさんが有利なように社会福祉制度も作られているから、疲労を起こした今のシステムを変える必要を感じているがどうすればかえられるか?という問いかけに対する答えが見つからなかった。番組内でさいごになって宇野さんなどからコメントが出た。
宇野さんいわく、体制内で改革するのはむづかしいので、「夜の世界」の論理と想像力にワクワクしてくれる「昼の世界の人」を味方につけてから、外部から疲弊したいまのニッポンのOSをつくりかえようというのである。
おもしろいが本当に夜の世界の隆盛が、昼の世界を替えられるのか?宇野氏のたとえ話で、鎌倉幕府みたいに外部から朝廷をコントロールできるのか?
以前フィギュアで有名な海洋堂の社長が、メディアが言うクールジャパンは嘘だと一刀両断していた。
「おたく文化ってのは、役所とか行政とかの援助をもらってぬくぬくと育つのではなくて、くそー今に見ていろと蔑まれた中で情報発信してきたもんだ」と言っている。
中世の悪所で生まれ育った歌舞伎のようだな…
僕の地元の金沢の温泉を舞台に「花咲くいろは」ってアニメができて、湯涌く温泉にイタ車が全国から集まるようになった。そのアニメを作ったPAワークスも、行政が近寄るのを警戒しているようだと聞いたことがある。以前、行政が過熱ぶりに目を付け、まちおこしにつなげようとPAのファンクラブを管理した結果、オタクが一人二人と抜け、壊滅的打撃を受けたそうだ。つまりおたくは行政のような管理や、商業主義などの香りを極端に嫌うのだ。
ニッポンの誇るおたく文化は、夜にひっそりと咲く。勝手に夜の世界の才能が、世界という天空に、ジャックと豆の木のようにすくすく伸びていくには、行く手を遮る規制を取っ払うしかない。援助もしない代わりに、自由にさせてほしいのが本音だろう。
海洋堂は大英美術館など世界と取引している。海洋堂やキティーちゃんのサンリオは行政の援助でそうなったのではない。おたく文化は行政の援助や管理を嫌う。
経済産業省によると、530兆円の世界のクリエーティブ産業のうち、日本はわずか2.3兆円に過ぎない。今後クリエーティブ産業は900兆円の市場になると予測されているそうだ。
いち早くK-POPやドラマを国家ぐるみで輸出して、その後ドラマで使った電化製品の売り上げを新興国で伸ばしている韓国や、新文化帝国主義を夢見る中国のアニメへの自国産業化の激しさはきな臭く、マネーが飛び交うのも事実。
世界に産業として押し出すことで国内のサブカルに携わる夜の住民たちの雇用を生み出したり、海外から観光客を呼びたいと役所は考えるのだろう。管理などでは育たないおたく文化のジレンマがそこにある。
宇野氏の言う外部からの変革も、昼の世界の象徴である政治力なしには解決しないと思う。ジレンマだ。
東京特区化計画はどうだろう?中央線沿線やアキバを特区に指定、特区内では、クリエーターを縛る規制から一切自由で、解放区となる。夜の住民のサンクチュアリなのだ。
世界中からクリエーターが集まる自由国家「トーキョー」が生まれるとすごい。
「格差を超えて 僕らの新たな働き方」というテーマ。論客たちが、ノマドなど自分の生き方を語っているが、正直、聴き飽きた感がして、陳腐だった。
しかし最後の最後に宇野さんの話が面白かった。
我慢して聞いていてよかった。
今の日本は「昼の世界」的な社会観をもって生きている人と、「夜の世界」的な社会観をもって生きている人が、同じ列島に二つの世界が重なり合って存在しているというのである。
「昼の世界」とは、戦後のものづくりと日本的経営に支えられた「企業社会」を中心にした世界。
対して「夜の世界」というのは、ポスト戦後的な社会らしい。ここでは“失われた20年”に逆に伸びていったインターネットやエンターテインメントの世界に才能が集まっている世界。
規制や既得権益など既成の企業社会に対して、インターネットや漫画やファッション、ゲームなど新しい世界に想像力あふれる自由な日本人(若者)が集まってイノベーションを起こしている。
彼らは持ち家志向も低いし、家族構成も多様。共働きが基本で、情報収集もソーシャルメディアが中心、買い物もネットで……といった新しいライフスタイルを持つ人たちで構成されている。
しかしいまのニッポンの制度はそう言う前提で作られておらず、じいさんばあさんが有利なように社会福祉制度も作られているから、疲労を起こした今のシステムを変える必要を感じているがどうすればかえられるか?という問いかけに対する答えが見つからなかった。番組内でさいごになって宇野さんなどからコメントが出た。
宇野さんいわく、体制内で改革するのはむづかしいので、「夜の世界」の論理と想像力にワクワクしてくれる「昼の世界の人」を味方につけてから、外部から疲弊したいまのニッポンのOSをつくりかえようというのである。
おもしろいが本当に夜の世界の隆盛が、昼の世界を替えられるのか?宇野氏のたとえ話で、鎌倉幕府みたいに外部から朝廷をコントロールできるのか?
以前フィギュアで有名な海洋堂の社長が、メディアが言うクールジャパンは嘘だと一刀両断していた。
「おたく文化ってのは、役所とか行政とかの援助をもらってぬくぬくと育つのではなくて、くそー今に見ていろと蔑まれた中で情報発信してきたもんだ」と言っている。
中世の悪所で生まれ育った歌舞伎のようだな…
僕の地元の金沢の温泉を舞台に「花咲くいろは」ってアニメができて、湯涌く温泉にイタ車が全国から集まるようになった。そのアニメを作ったPAワークスも、行政が近寄るのを警戒しているようだと聞いたことがある。以前、行政が過熱ぶりに目を付け、まちおこしにつなげようとPAのファンクラブを管理した結果、オタクが一人二人と抜け、壊滅的打撃を受けたそうだ。つまりおたくは行政のような管理や、商業主義などの香りを極端に嫌うのだ。
ニッポンの誇るおたく文化は、夜にひっそりと咲く。勝手に夜の世界の才能が、世界という天空に、ジャックと豆の木のようにすくすく伸びていくには、行く手を遮る規制を取っ払うしかない。援助もしない代わりに、自由にさせてほしいのが本音だろう。
海洋堂は大英美術館など世界と取引している。海洋堂やキティーちゃんのサンリオは行政の援助でそうなったのではない。おたく文化は行政の援助や管理を嫌う。
経済産業省によると、530兆円の世界のクリエーティブ産業のうち、日本はわずか2.3兆円に過ぎない。今後クリエーティブ産業は900兆円の市場になると予測されているそうだ。
いち早くK-POPやドラマを国家ぐるみで輸出して、その後ドラマで使った電化製品の売り上げを新興国で伸ばしている韓国や、新文化帝国主義を夢見る中国のアニメへの自国産業化の激しさはきな臭く、マネーが飛び交うのも事実。
世界に産業として押し出すことで国内のサブカルに携わる夜の住民たちの雇用を生み出したり、海外から観光客を呼びたいと役所は考えるのだろう。管理などでは育たないおたく文化のジレンマがそこにある。
宇野氏の言う外部からの変革も、昼の世界の象徴である政治力なしには解決しないと思う。ジレンマだ。
東京特区化計画はどうだろう?中央線沿線やアキバを特区に指定、特区内では、クリエーターを縛る規制から一切自由で、解放区となる。夜の住民のサンクチュアリなのだ。
世界中からクリエーターが集まる自由国家「トーキョー」が生まれるとすごい。
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