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あなたの人生の伴走者、古都金沢のふるほん・古道具・骨董商「ふくもも文庫」。買い出しいたします。

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なぜ中国の骨董は、毛沢東に破壊されなければならなかったのか?

2016-04-16 10:24:33 | 骨董
●中国はかつて

世界中の憧れの国だったんだ。

そのことを調べてみた。

その頂点は唐の時代。

当時科学技術も世界中で最も先端に立っていた。

そのため、ヨーロッパ、中東、日本から多くの学生が唐の都である長安に留学したのだ。

阿倍 仲麻呂らエリートたちが日本から留学している。


●1949年、中国共産党が政権を奪い取った後、残念だが、一部の美術館を除く多くの骨董は破壊された。


中国の伝統文化は「天命」を敬い、畏れる。

孔子は「死生有命、富貴在天(死生は命に有り、富貴は天に在り)」と考えている。

★一方、共産党は無神論を信じているだけではなく、無法無天と主張している。

ゆえに伝統的価値観やそれをモノとして体現している「骨董品」は徹底して破壊された。

1966年5月、“文化大革命”が始まった。

同年8月以降、「破四旧」という破壊の動きは中華大地の隅々まで広まった。

寺院、道観、仏像、名勝遺跡、字画、骨董などは

「封、資、修」として紅衛兵たちが主に「破壊」する対象となった。

共産党を恐れる人々は、あらそって先祖伝来の蔵を開き、裏の小川に骨董品を投げ捨て、

先祖伝来の骨董品の割れる音は、明け方まで続いたという。

なんともったいない…


「破四旧」において、多くの学識者が保存していた古本書や書画が燃やされたり、紙くずのように破られたりしていた。

たとえば章伯鈞の家には一万冊の書物を収蔵していたが、国宝級の書物は紅衛兵たちによって

彼らの体を温めるために燃やされ、また一部の書物は造紙工場に送られた。


毛沢東は特に学識者を一番嫌っていた。

彼は「彼たちは一つの真理を知らなければならない。

それは、いわゆる学識者は実に一番無知な人であることだ。労働者と農民の人々が持っている知識はときに彼らより多いのだ。」

◎日本に来る中国人骨董商は、「文化面に限っては、毛沢東は悪魔ですね」と言っていたが

この微妙なニュアンスは北京に行ってわかった。

友人となった中国人に僕が「毛沢東が骨董を完膚なきまで破壊しましたね」というと、

こう答えたのだ。

「よくご存知ですね、共産党は悪いこといっぱいしたんですよ。

でも、今の老人たちの中には、中国共産党に感謝する人たちが多いです。

まずしかった中国人が短い間に、こんな裕福になったんですから。」

たしかにWEEKENDの北京の紫竹院公園をのんびり歩いてそのことを実感した。

幸せそうな釣りをする老人、

お菓子を買い笑いあう親子、

いろんな音楽をかけてダンスする中年おばちゃん軍団、

中国の伝統楽器を思い思い練習する若者たち、

壁新聞には日本軍と勇敢に戦った英雄たちの記事が飾られ、

熱心に読む人たち

無視する人たち…



トイレは地獄的に臭いが

北京五輪前はウンコがむき出しで溝に流れていた話を聞いたので、それから見れば急速に進歩したのだろう。


◎歴史は不可逆。

しかし

学ぶ限り

前に進むことができるのだ。

お互いに…


目利き養成ギブス…古美術商は自分の子供をどう鍛えるのか?

2016-03-07 19:05:06 | 骨董
1 サラブレット


ある古美術商2世がこういっていた。

「僕は、ごみ市場にはいかないよ。眼が腐るから。」


いいものしか見ずに育った彼の言うセリフは

癇に障るなあ。

でも真実の一面を突いているかもしれない。。。


おそらく彼の父は息子に

いい骨董品だけを徹底して見せ、五感を養ったのではないか?

幼いころから一流のものだけを見て育つと

経年変化・時代、作品全体の品格、仕事の細やかさ、手ざわり、味などが

感じ取れるようになる。自然と。

その結果、

ニセモノを見た時の違和感・引っ掛かりが、直感で感じとれるため、怪しいものは

腹に入らないことになる。

知識だけでは防ぎようがない精巧なニセモノを、高値でつかまないための高度な防御法…五感。

市場の競りという特殊な激しい戦場で、ややもすると儲けに目がくらむことがおおいのですが、

一流の目利きたちは、欲望の崖っぷちで、ニセモノ師のしかけた巧妙な罠に落っこちずに済むのだ。

かれらはあえてニセモノだらけのごみ市場にはたとえ拾い物があっても積極的に出向かない。研ぎ澄まされた「眼力」を維持するためだ。

●逆に中途半端なプロは、知識が心眼を曇らせるから、ごみ市場はかえって二流品が、祭り状態で高くなったりする。

たとえば、

「この井戸茶碗は武家屋敷のうぶ荷だよおおお、400年前から伝世する名物でっせ!」と発句されると、

今までため込んだ知識が総動員される。

チェックポイントをあたまの中で必死に復唱するのだ。

・琵琶色の釉薬(酸化焼成で琵琶色、還元で青っぽい焼き上がり)→クリアーや

・総釉(そうぐすり)(うつわ全体に釉薬をかけている)→クリアー

・魚子貫入(ななこかんにゅう)(細かい貫入の事で魚の小さい鱗のたとえ)→クリアー

・竹節高台(竹の節のように高さのある高台)→クリアー

・轆轤目(3段~5段ほどのロクロ目が残る)→クリアー

・梅花皮(かいらぎ)(高台周辺の釉薬の縮れ)→クリアー

・渦巻き兜巾(高台裏の刳り貫き部分の中心に兜巾状の突起)→クリアー

・見込の目跡(重ね焼きをする際、複数のうつわがくっつかないようにある跡)→クリアー

欲望で胸がはちきれそうになり、ダメ押しとして、

・鑑定書につい騙される

・落款に騙される

・供箱に騙される

・約束事に騙される

・仕覆に騙される

・薬品や土に埋めておいたために意図的に突けられた古色に騙される…ETC


もし約束事を全て満たす作品があるとすれば、それは意図的に作られた注文茶碗である可能性を疑わねばならないのに…

こうして二流骨董商の眼力は、半端な知識があるばっかりに罠にかかりやすいのです(わたしどすえ♪)。


2 人育て&自分育て


老舗古美術商の人育ての方法は、一流の仕事師になりたい人や、人材を育成する人にとっては参考になるのではないか?


何かの分野で、突出するときはこの方法が使えそう。


たとえば、和食の料理人の世界で一流になりたいのだったら、

和食で有名どころの本物の料理を一度は食してみることを繰り返す。

なぜなら頂点を知れば、自分が何合目付近にいるかがわかるから。


3 自己流は、サラブレットの及ばぬ世界と未来を切り開く?


でも9割の人はサラリーマン家庭か零細自営業者の子供だしなあ。

財力のある一流どころの商売人の息子には、残念ながら生まれつかないだろう。

駄馬の編み出した「自己流」には限界があり、学ぶスピードは遅く、だまされる確率も高い。

ニセモノをつかまされるため、お金のロス、時間のロスは

サラブレットに比べるとでかい。


それでも…

一番いい答えが、BESTとは限らない。

決められた安全な道を進むことは、僕は嫌い。

どうも虫がすかない。

「自己流」で身に付けるものこそが、新しい未来を切り開く可能性を内包するし、

新しい美を見つける可能性がある。


なにより一人で立ち向かってこそ、生きてるって思えるのではないか?

それに超一流の経営者は、息子にわざと失敗させ、何も助言をしないというし。



4 村上隆「スーパーフラット展」、見たい。

村上氏は、モダンアートの旗手なんだけれども、骨董品やニックナックなものなど

感性に引っ掛かったものをコレクションする、凄い収集家らしい。

僕から見ると〝玉石混淆〟と思えますが…


村上氏視点からすると

ボロ布もキーファーも

同じ価値、両方大切な宝物、同列だ。


村上氏はまさに「自己流」。価値は自分が決める。

しかし、世界の賞賛をうける村上氏の「自己流」は

未来の「主流」に成ってゆくやもしれませんね。価値の逆転現象?!

いつだって時代の先端は常識の上を超えてゆく。

ああ、五感は、

映画を見ても、本を読んでも、人と会っても、小商いでも、美術館でも、旅行でも、オタクから学んでも磨かれる…。


◎目利きとは、日常の中で意識というアンテナを360度動かし、五感を研げば、ゆっくりではあるが養われる(はずと信じたいです)



なでしこジャパンと芸術家から、人のピークを考える…

2016-03-03 08:24:04 | 骨董
陶磁器の作家モノの値段がひどく落ちている。

そんななかで、一定の値段を保持しているのは、初代徳田八十吉とその孫の三代。

初代はあまりに腕が立つので、美術館が古九谷と間違えて彼の作品を収納したとのうわさもあるくらいだ。

陶画業をいとなみながら釉薬(ゆうやく)の研究をすすめ,深厚釉というあたらしい色調の彩釉を創製した。

重厚感のある宝石の様な深い渋みのある色合いが魅力。

1873 石川県小松市生まれ

1953 国指定無形文化財技術者に指定される
1956 逝去(享年82歳)

市場の競りで、初代なのに、あまりワクワクしないお皿があった。

初代だからという理由で高値となったが、

「若いころの作品やちゃ」といって、目利きの爺さんが捨て台詞を吐いた。


どうやら、すべてが素晴らしいというわけではないらしい。

人にはピークというものがある。

上り坂、ピーク、下り坂、まさか…

深厚釉というあたらしい色調の彩釉を極めた頃、以降の作品が素晴らしいのであって、

なんでもかんでもいいというわけではない

一般にはどんな作家も、 若いころや晩節は、最盛期の作品と比べると劣るのだろう…

目利きとはひとのピークを推定できることを言うので、

目利きになるって、洞察力のいる深い世界だね



さて、なでしこ

1敗1分けと大ピンチ。

「なでしこ」には、ワクワク感が無かったなあ…

「なでしこ」の最盛期はワールドカップ優勝のころかもしれないね。

若さは、怖いもの知らずの武器だった。

何か奇跡を起こせそうな予感が、最後まで見るものを釘づけにし、決勝でも米国相手に1点ビハインドにもかかわらず

何かが起きそうな予感がして僕は最後まであきらめずに見ていたら

沢の同点ゴールが生まれた。


いまは「なでしこ」ブランドで、アジアなんて突破すると簡単に思っていたが、目が曇っていた。

本予選メンバー発表時、ノリオ監督が苦楽を共にしてきたメンバーばっかり選ばれ、若手の多くが切られることになった。

いわゆる事前に安全策を計算し、無難な選手を「置きに行った」感じがして嫌な予感をもっていた。

人にはピークがある。監督も選手も、そして芸術家も。

右サイドの川澄はすっかり色あせてしまった。仕掛けがない。オオギミも漂うばかり。大野は得点の香りがしないのは
この間のWカップで証明されていたのに。

突破力は横山にしか感じられなかった。

若手を入れるべきだった。

同じ実力なら確変する可能性のある「若手」を起用する…アギーレなど男子の外国人監督ならそうするだろう。

しかし、奇跡的なことが起きた。北朝鮮と中国が引き分けたようだね。





日本は残り3試合に全勝すると勝ち点は10。

現在2位の中国は4日の日本戦以外の残り2試合に勝つと同10。

両国は勝ち点10で並ぶ。その場合、得失点差、総得点の順で順位を決める。

 中国は現在最下位のベトナムに2-0の2点差勝ちだったが、

日本はその格下と思われるベトナムとの対戦(7日)を残す。

ここで大量得点差での勝利が期待できると考えると、

中国と勝ち点で並んでも、得失点差で上回れる可能性は高い。

選手層の薄い韓国はOGと中国に、二連勝はできない。


なでしこが勝つための条件は

キンガの再生に見えた。

第一線、先発を外れたキンガはオーバーラップを仕掛けていた。

やはり中1日だと女子はきつい。


●条件

ノリオ監督は思い切った

ターンオーバーでコンディション管理ができるか?


川澄もオオギミも宮間も休ませたい。キンガのように休ませれば、コンディションの優位さを生かせるかもしれない。

仮にも元女王である。

ノリオ氏はいままでを見ていると、固定メンバーが大好き。

ノリオ監督自身が、男子のU23の手蔵森監督みたいに、「割り切る」選手起用、采配ができるかがカギ。

高瀬だって、コンディションもいいだろうし「たのむぞ、この一戦はお前にかかっているんだ」と送り出せば

モチベーション高く、1トップを張れるだろう…

○流れを、逆転させろ。


猫屋敷VS骨董屋…

2016-02-16 19:11:55 | 骨董
買出しで一番嫌なのは、猫屋敷。

マスクをしていても、猫の匂いはやってくる。

脳みそに沁み、しまいには目じりに涙が。

マスクで眼鏡が曇り、現場を早く終わらせようと、運びながら何かを呪いたくなる。

目に見えぬ何かと戦っているんじゃないかこれ。

10匹以上走り回る、床が糞尿でコーティングされた猫屋敷にて途切れそうな意識を立て直しながら

遺品や古道具のごみから売れそうなものを掘り出し短時間でハイエースに運び出す。

鍋島緞通発見!

猫の小便がしみ込んでいるが、骨董屋には必殺技がある。

1WEEKほど雨ざらしにした後、匂いや毛が無くなってきた頃を見計らって、競り市場に放り出すのだ。

経緯を知らないものが競り落とす。

古民家を再生する不動産屋さんは言ってた。

「特殊清掃に出しても描臭ってなかなか取れないんだ。特にクロスにしみこんでるからね。
屋根と柱だけにして、3か月ほど、ほっとくしかないかな。」





そういえばもっとすごいはなしがあった。

遺品整理や「何でも買います」のチラシを古い街にまいて、

ヤフオクで売って生きているネッターの若い友人が

「不動産業者に呼ばれて、アパートの1室を整理したら、

異臭がして、よく見ると、じゅうたんに人の形のシミがあったんだよおおお。

いいものがあったけど荷物はやまにして、市場に ブン投げた!

結構売れた」と笑っていたっけ。

奴らのたくましさ・なんとかなるさよのなかは的な感性を見ていると、

猫屋敷VS買い取り業者って、

エイリアンVSプレデターに似ている…


にっぽん文化救出隊の 報われない任務も また楽し。。。

2016-02-04 16:17:05 | 骨董
雨に打たれる中

100年たった

醤油屋さんの

蔵出しをした。

幅40cmの急な木製階段から二階に上がると

金目のものは親戚が持ち去った後だった。

がっかりしながら

懐中電灯を照らすと

まるいガラスが紐で柱にぶら下げられていた

電気の笠かとおもったら、ハエトリガラスだった。

水金の豆ざらを30個ほどゲット。

色の悪い蒔絵のお椀や、ベロ藍の茶碗は申し訳ないけど放置した。一度階段を下りたが、

チドリが二羽、虹の下に描かれたお皿を思い出した。

昭和のモノ、売れ筋ではないかもしれないけど かわいらしいデザインで、

「みすてないでおくれ」と囁くので 引き返して救出した。

人間よりでかい醤油の入った木の樽が何個も並ぶ屋敷内の土間に、

小さい道具部屋があり、なにげに懐中電灯の光を照らすと


浮き上がった光景は、まさに時代劇だった。

間口半間の、両側にある土壁に打ち付けられた釘には

いろんなものがぶら下がっていた。

背負子



草鞋

藁で編まれた腰巻?





ああ、ここは時が止まっていたんだね

昔はこれで旅をしたり外仕事をしていたんだろうが

だれも見向きもしないデッドスペースとして

ここ数十年は忘れられていたのだろう


和の暮らしはこうして


ユンボでぐしゃりとゴミになる。


「みつかってよかった…」


あたまからチリをかぶりながらこいつらを取り外して、ハイエースに積んだ。


カネにはならないが、こうして


にっぽん文化救出隊の 任務を終えた。