これは昨日の話である。
インターネット上にこのようなことを書いていいのかわからない。
しかしあえて書くことにする。
午前9時 東京地裁に到着。
後輩と供にとある裁判を傍聴しに来たのだ。
被告は一時期世間を騒がせたスーパーフリー元代表の和田サンである。
面白半分だったのは事実だ。
残りの半分は真面目に裁判とはどういうものかを見たかった。
注目された事件であるから傍聴は抽選で行われるという。
しかし集まった人数は傍聴席数の78人にも満たなかったため抽選は無し。
軽く拍子抜けした。
かつて全国にいくつもの支部を置き、7000人もの人数を動かした男は求心力を失っていた。
午前10時 開廷。
裁判官は三人。
検事は中年男性。その隣に20代前半と思われる男と女。たぶん事務官だろう。
和田被告側の弁護人席には・・・おばあちゃんが座っていた。
70歳は超えていると思われる完全にお年寄りである。
あの人が本当に弁護士なのか疑問であった。
そしてひっそりと彼は入廷してきた。
三人の制服を着た人間に付き添われいる。
白いワイシャツにスーツ。ネクタイはしていない。
典型的な被告人スタイルだ。
一瞬ざわめく場内。
すぐにそれも静まった。
私は登場のときにはちょっと笑う準備さえしていた。
しかし・・・。
わ、笑えない・・・。
とてもそんな状況ではなかった。
彼は腰に縄を巻かれ、後ろでそれを持たれていた。
かつて長く茶色だった髪は、短く刈られていた。
髪全体の量が少なくなっているように感じた。
何よりも目についたのはその色だ。
白髪が多い。
それが側頭部に偏っている。
顔色も悪い。
長いあいだ太陽にあたっていない者の顔だった。
街でもし出会うことがあっても気付くことは出来ないほど変貌していた。
弁護人は最終弁論で、被告に主犯性はないということを主張していた。
彼の生い立ちや人間性などを情に訴えかけるように述べ、減刑を求めていた。
その間、彼は体を動かさず、表情も変わらなかった。
ただしきりに瞬きをしていた。
もしかしたら、弁護人はそれほど頭が良くないのでないかと思ってしまった。
自分が用意した文章を読み上げているにもかかわらず、何度か漢字の読みを間違えているのだ。
高齢であるからなのか、それとも元々漢字が不得手なのか。
厳粛な法廷での読み間違えは、その場を不思議な空気に変えていった。
この事件に関して本来の「記録」という役割にとどめ、個人的見解は述べないことにする。
また新聞社が発表したものと同じにはならないように、意図的に異なった視点から書いた。
しかし最後にこれだけ書いておく。
様々な人間の思いが交錯する中、11月2日に判決は言い渡される。
産経 読売 毎日 日経
インターネット上にこのようなことを書いていいのかわからない。
しかしあえて書くことにする。
午前9時 東京地裁に到着。
後輩と供にとある裁判を傍聴しに来たのだ。
被告は一時期世間を騒がせたスーパーフリー元代表の和田サンである。
面白半分だったのは事実だ。
残りの半分は真面目に裁判とはどういうものかを見たかった。
注目された事件であるから傍聴は抽選で行われるという。
しかし集まった人数は傍聴席数の78人にも満たなかったため抽選は無し。
軽く拍子抜けした。
かつて全国にいくつもの支部を置き、7000人もの人数を動かした男は求心力を失っていた。
午前10時 開廷。
裁判官は三人。
検事は中年男性。その隣に20代前半と思われる男と女。たぶん事務官だろう。
和田被告側の弁護人席には・・・おばあちゃんが座っていた。
70歳は超えていると思われる完全にお年寄りである。
あの人が本当に弁護士なのか疑問であった。
そしてひっそりと彼は入廷してきた。
三人の制服を着た人間に付き添われいる。
白いワイシャツにスーツ。ネクタイはしていない。
典型的な被告人スタイルだ。
一瞬ざわめく場内。
すぐにそれも静まった。
私は登場のときにはちょっと笑う準備さえしていた。
しかし・・・。
わ、笑えない・・・。
とてもそんな状況ではなかった。
彼は腰に縄を巻かれ、後ろでそれを持たれていた。
かつて長く茶色だった髪は、短く刈られていた。
髪全体の量が少なくなっているように感じた。
何よりも目についたのはその色だ。
白髪が多い。
それが側頭部に偏っている。
顔色も悪い。
長いあいだ太陽にあたっていない者の顔だった。
街でもし出会うことがあっても気付くことは出来ないほど変貌していた。
弁護人は最終弁論で、被告に主犯性はないということを主張していた。
彼の生い立ちや人間性などを情に訴えかけるように述べ、減刑を求めていた。
その間、彼は体を動かさず、表情も変わらなかった。
ただしきりに瞬きをしていた。
もしかしたら、弁護人はそれほど頭が良くないのでないかと思ってしまった。
自分が用意した文章を読み上げているにもかかわらず、何度か漢字の読みを間違えているのだ。
高齢であるからなのか、それとも元々漢字が不得手なのか。
厳粛な法廷での読み間違えは、その場を不思議な空気に変えていった。
この事件に関して本来の「記録」という役割にとどめ、個人的見解は述べないことにする。
また新聞社が発表したものと同じにはならないように、意図的に異なった視点から書いた。
しかし最後にこれだけ書いておく。
様々な人間の思いが交錯する中、11月2日に判決は言い渡される。
産経 読売 毎日 日経