或るひとつの記録

昔と違い、最近は完全に子供のために生きています。

追悼、藤原伊織

2007年05月30日 00時02分20秒 | Weblog
今年に入って既に何人もの直木賞作家が亡くなった。

たいていは野に消えた作家なのでメディアの扱いはかなり小さい。

しかし、藤原伊織への扱いは違う。

大ベストセラーをかっ飛ばした作家は、死後も追悼企画が組まれ、その著書はさらに売り上げを伸ばす。


紀ノ国屋書店でも、Book1stでも追悼フェアが組まれていた。


この直木賞受賞作『テロリストのパラソル』も今、再び売れているだろう。

写真のはだいぶ前に買った講談社文庫のものだが、店頭に並んでいるのは角川文庫だった。


再読したが昔より面白かったのは、東京に詳しくなったからかもしれない。



ZARDの坂井泉水とか松岡農相とか、世間は死の話題ばかりなので、文学ブログと化しつつあるこのブログも死の話題。

セクシーボイスアンドロボ

2007年05月23日 23時38分23秒 | Weblog
今クールで予想外の面白さだったのが、セクシーボイスアンドロボ。

面白いってのはあくまで俺の主観なので、平均視聴率は8%ですが。


このドラマの主演は、
リア・ディゾンの誘いを、人見知りだからという理由で断った男、松山ケンイチと、
志田未来、福田麻由子ともに今もっとも輝いている大後寿々花。


そして脚本は木皿泉。

五年ぐらい前の『すいか』で、俺が勝手にドラマ界の直木賞だと勝手に思っている向田邦子賞を受賞したのが木皿泉。

『すいか』も視聴率は全然とれなかったけど。


木皿泉って若い女かもって思ってたら、実は関西在住50代男女二人組の共同執筆名でした。



さて本題、昨日は第七話が放送される予定だったんだけど、急遽第二話が再放送されたんだ。

先週の次回予告で楽しみにしてたんだけどなー、第七話。

拳銃片手にファミレスに人質とって立てこもり、警察とやり合う話。


どうして放送中止になっちゃたんだろう。

祝!佐藤友哉、三島賞受賞1

2007年05月19日 10時34分59秒 | Weblog
佐藤友哉デビュー作
『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』


サリンジャーのグラスサーガを踏まえて書かれた作品。

(グラス=鏡)


サーガものは中上健次、阿部和重も書いてるよね。

ていうかサーガって何だよって人はウィキペディアを活用してほしい。
ウィキ推進派なもんで。

ヒントはゲームの『SAGA』。
このゲームのタイトルの意味がわかっていればサーガってのもわかるはず。



やっぱ目を付けていた人物が出世していく様を目の当たりするのは格別だよね。

もちろん某アイドルのことも含む。

筒井先生ありがとうございました

2007年05月16日 23時55分18秒 | Weblog
佐藤友哉が『1000の小説とバックベアード』で三島由紀夫賞を受賞!

筒井先生、誠にありがとうございます!
信じておりました。
先生のご尽力の賜物です。
目から汗が出てとまりません。


正直なところを申しますと、本谷有希子とのダブル受賞が最適でしたが、文句は申しません。

佐藤友哉の受賞だけで十分でございます。


筒井先生が実際に佐藤を推したのかは定かではありません。

それは毎月七日発売の「新潮」を待つことに致します。

第二十回三島由紀夫賞4

2007年05月15日 08時50分55秒 | Weblog
選考委員は五人いるけど、受賞の鍵を握っているのは、第一回からずっと選考委員をやってる筒井康隆と宮本輝。

ちなみに第一回の他の選考委員は、大江健三郎、江藤淳、中上健次。



選考会での筒井と宮本のバトルは凄まじいらしい。

特に舞城が受賞したときの選考会は有名。

舞城を推す筒井と舞城の受賞には大反対の宮本。
己の文学感をかけて相対する二人。


このときは結局、筒井が勝ち、舞城の受賞と相成った。

そして今回も同様の構図が予想される。

だから、今もう一度言う。

筒井先生、お願いします!

第二十回三島由紀夫賞3

2007年05月13日 11時10分08秒 | Weblog
佐藤友哉

1980年生まれ。
北海道出身。

高校卒業後、フリーター生活を経て、メフィスト賞を受賞。
受賞は舞城王太郎の二期後のことである。


作品はライトノベル寄り青春エンタに位置づけられる作風で、同世代のサブカルチャーがふんだんに盛り込まれており、特定層に人気を有する。


愛称はユヤタン。



若くして純文学作家となった島本理生と今年結婚した。
島本理生は1983年生まれ。
綿矢りさ世代。



この結婚は、編集者が開催している若手作家合コンの成果のかもしれない。

現代若手作家はインターネットの普及により、編集者ともメールでのやりとりが主であると聞く。

ましてや文壇バーが消滅し、文士劇も廃れた昨今、作家同士の交流の場など皆無に等しい。

作家同士の交流により
新たな作品が生まれる可能性があると考えているからなのか、若手作家合コンは頻繁に行われているのだという。

やっぱり合コンは大切なのだ!



って話が脱線したので本線に戻る。

サリンジャー、中上健次を影響を多大に受けたこと知られる佐藤。

メフィスト賞から二人目の三島賞受賞なるか!?

第二十回三島由紀夫賞

2007年05月10日 23時15分59秒 | Weblog
文藝春秋の芥川賞に対して、新潮社が創設したのが三島由紀夫賞。

知名度は無いが、純文学系文学賞として文壇での地位は高い。



その三島賞の発表が来週15日に迫っている。

候補作の五作品のうち、俺が受賞して欲しいと思っているのは、

本谷有希子『生きてるだけで、愛』

と、

佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』


三島賞の発表は年に一回なので、一年近く前の芥川賞の候補作となった『生きてるだけで、愛』も今回の対象なのだ。