都会の喧騒

「ああ、また垣根を作る。あなたのそういうところが嫌なの」
「まあ、そういわず、、、酔ってるでしょう、、」
「ええ、酔ってるわよ。でも、もっとあなたのことを知りたいわ」
「う、、、、、」

こんな会話が、聞こえてきた。

都会の居酒屋で、私の耳にきこえてきた。隣のブースの会話だ。

ちらちらと横目で年齢を伺ってみる。
女性の方は、５０代後半の主婦のようだ。男性の方は、７０代位かジャケットをきちんときている。大学の教授か、カルチャースクールの講師かといったところだ。

「う、、」と言って、席を立った男性がいなくなった。すると、女性は、ハンドバッグをとり、携帯電話を耳にあてた。
「あ、今ね、お友達とお茶を飲んでるところ、お鍋、材料あるからね。」

これは、家族に電話をしてる様子だ。

男性が帰ってきた。すぐ席を立って行った。

この二人は、どこに行くのだろう。

この居酒屋に来るまで、いったい何人の人を見たのだろうか。
観光のひともいた、若い男女のグループの楽しそうな様子、コスプレファッションの女の子、実に刺激的な町の喧騒だった。

都会は刺激が多い。若い人達が、その渦の中にひかれていくのが分かる気がする。