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国立劇場に「狂言三代 野村万作・萬斎・裕基」を観に行く

2023年08月05日 | 歌舞伎

国立劇場で第四回 古典芸能を未来へ~至高の芸と継承者~「狂言三代 野村万作・萬斎・裕基」を観てきた。今日はS席8,000円。客層は女性が多い感じがした。一人で来ている人も多いようだった、平日なので会社帰りに観に来たのであろう。良いことである。

この公演は、日本の大切な古典芸能である狂言の伝統を正しく伝え、現代に生かす野村万作家三代の芸と継承を披露するもの、人間国宝で日本芸術院会員である野村万作(92歳)、人気と実力を兼ね備え最も勢いのある狂言師・野村萬斎(56歳)、次代のスターとして期待を集める若き狂言師・野村裕基(23歳)の三代の狂言の伝統を未来へ生かす芸を見せるものだ。

野村万作は恥ずかしながら、むかしネスカフェ・ゴールドブレンドの宣伝に「違いがわかる男」として出ていたことしか知らなかった。萬斎は映画の「のぼうの城」や「七つの会議」に出て良い演技をしているなと思った。「七つの会議」では、一番最後の調査委員会のヒアリングで役所広司演じる委員長から萬斎演じるダメ社員が「今回の不正の根本原因は何だとお考えですか」と聞かれて、「そんなこと言っていいんですか」と、「どうぞ」と言われて言ったセリフが良かった。これは池井戸潤の原作にはなかったと思う。

狂言・能はいままで接する機会が無かったが、今回良い機会だと思って観に行ってみた。国立劇場も今年10月に閉場し、建替えをするので、見納めに行ってみたかったこともある。狂言について全く知識が無かったので、この公演の公式ページや国立劇場のHPを見て予習してみた。国立劇場のHPにはいろんな勉強の材料がアップされており驚いた。日本の伝統芸能を普及させようとの意欲を感じるり、事前予習に大変参考になった。

その上で、今日の狂言を見た感想を述べてみよう。

  • 初めての公演見物だったが、面白かった。第一部の小舞は古典用語でわかりにくかったが、解説があったのは有難い。また、船渡聟は現代語でわかりやすかったし、物語としてもわかりやすかった。
  • 今日の公演で一番面白かったが第三部の「鮎」だ。台詞も口語体でわかりやすいし、ストーリーもわかりやすい、また、人が鮎を面白く演じていたのがおかしかった。
  • 能や狂言というと、どうしても堅苦しいものだとの意識があったが意外と親しみ安いものだとわかったのは良かった。これは野村萬斎がいろいろ新しい試みをしているからなのか、狂言界全体の傾向なのかはわからないが、良いことだと思う。
  • 演じている役者さんたちも若い人が多く、後継者がなかなか集まらない悩みはあまりないのかな、と感じたが実際はどうなのだろう。
  • 野村万作さんは92才でなお現役で舞台を務めているのはすごい。解説の方の説明だと、若さを保つ秘訣は後進の指導などであるという。生涯現役でいつまでも頑張ってほしい。

さて、今日の公演は5時半開演、休みを含め約3時間の公演で、終演は8時半くらいだった。最後の演目のボレロは15分の演技で、その前に30分の休憩があったので、そこで食事をした。歌舞伎座のように近くにデパートもないので、今日は国立劇場内の売店で買ったサンドイッチを食べた。3階に休憩所がありテーブルがいっぱいあったのでそこで食べた。

また、機会を見つけて能・狂言を観に行きたい。

<演目と出演者>

一、狂言三代による小舞

  • 「鮒」野村裕基、地謡:高野和憲・野村太一郎・中村修一・内藤連・飯田豪
  • 「通円」 野村萬斎、地謡:高野和憲・野村太一郎・中村修一・内藤連・飯田豪
  • 「住吉」 野村万作、地謡:高野和憲・中村修一・内藤連・飯田豪

二、狂言「舟渡聟(ふなわたしむこ)」
船頭・舅 野村万作
聟 野村裕基
姑 高野和憲

三、新作狂言「鮎」
池澤夏樹・作
野村萬斎・演出/補綴
国立能楽堂委嘱作品

小吉 野村萬斎、才助 石田幸雄
大鮎 深田博治
小鮎 月崎晴夫・高野和憲・内藤連・中村修一・飯田豪
笛 竹市 学
小鼓 大倉源次郎

四、「MANSAIボレロ」 野村萬斎



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