今年も8月15日を迎えた。江戸末期から昭和の敗戦にいたる日本の歴史は若いころから興味があり、時間を見つけては勉強してきた。今回は東京大学の加藤陽子教授の著書を読んで見ようと思った。今まで加藤教授の本は読んだことがなかったが、本屋の歴史書のコーナーには加藤教授の本が目立つので一度読んでみたいと思っていた。今回はAmazonを見て一番レビューコメントが多かった本書(朝日出版、2009年)をKindleで購入した。
本書を読み終わってからウィキで調べたのだが、加藤教授は1960年生まれ、日本の歴史学者、専門は近現代史、歴史学研究会委員長、東京大学教授、主な作品には本書が掲げられていた。
歴史学研究会をホームページで調べると、委員会活動の基本方針の第1項には「学問研究の自由と独立を擁護する歴史学研究会創立以来の活動を受けとめ、歴史学分野の自由な雰囲気をさらに広める」とある。また、第2項には「日本の侵略と植民地支配に対する国民の歴史認識を歪めようとする動きに反対する。象徴天皇制やそのあり方の問いなおしを利用した、社会の権威主義的統合および国家主義的傾向を容認しない。」とある。
この第2項は第1項と矛盾してないか。学問研究の自由を擁護する、歴史学分野の自由な雰囲気をさらに広めると言いながら、この委員会の歴史認識と異なる学問研究は認めない。学問の自由が無いように見える。
更に、改憲、アジア太平洋諸国に対する戦争責任、「日の丸」「君が代」の強制、メディア規制など、民主主義に関わる諸問題に対しなどに、積極的な行動をとる(⇒改憲に積極的に行動をとるとはどういう意味か?)、不当な教科書攻撃に反対し、新しい歴史教科書をつくる会などによる歴史認識を歪めようとする活動を批判し、あるべき教科書制度について議論する、行政機関が所蔵する公文書の公開の問題に、歴史学の立場から取り組むとともに、「特定秘密の保護に関する法律」の撤廃をめざすという条項もある。
このように見てくると、この研究会はイデオロギー色が強い研究会だと言える。学術団体が政治的な動きなどするのは如何なものか。
また、研究会のホームページで委員長や委員の氏名・肩書きなどの情報は見つけられなかった。このような情報公開の姿勢は如何なものか。加藤教授はこの研究会の委員長なのか確認のしようがない。研究会のホームページには学術会議に関する声明などがあるが、代表者の名前くらい出すのが普通ではないか。
(その2)に続く