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「Saul Leiter, origin in color」(ソール・ライターの原点)を観に行く

2023年08月14日 | 美術

渋谷ヒカリエホールで開催中の写真家ソール・ライターの生誕100周年記念の展覧会を観に行ってきた。前売り1,600円。いろんな年代の人が来ていた。

ソール・ライターという人を全く知らなかった。偶然、テレビの美術番組で彼の写真や人生を取り上げた番組を立て続けに観たばかりだったのでこの展覧会を知った。

展覧会のホームページの説明では、「ソール・ライターは、1923年ペンシルバニア州に生まれ、1946年画家を志しニューヨークへ移住。1958年、ハーパーズ・バザー誌でカメラマンとして仕事を始める。その後、80年代にかけて多くの雑誌でファッション写真を撮影。1993年、カラー写真制作のためイルフォードから資金提供を受けたことにより、カラー写真のプリントが初めて可能となる。2006年、ドイツの出版社が初の写真集『Early Color』出版。2012年、ドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」を製作。2013年ニューヨークにて死去。享年89歳。」とある。

展覧会の構成は

  1. ニューヨーク1950-60年代
  2. ソール・ライターとファッション写真
  3. カラーの源泉 — 画家ソール・ライター
  4. カラースライド・プロジェクション

1には、1950~60年代頃、黄金期のニューヨークを写し撮った未公開スナップ写真(モノクロ)が多数展示されている。題名はほとんど「無題」。また、撮影活動を始めたころ、ソール・ライターは身近なアーティストたちのポートレートを数多く残しており、その写真が展示してある。

2は、ファッション雑誌『ハーパーズ・バザー』の表紙などに使われたカラー写真が展示されている。写真のネガについての所有権がハッキリしない時代なので、展示作品としては、掲載された雑誌が展示されていた。

3は、写真家ではなく、画家としてのソール・ライターの作品が展示されていた。色彩豊かなきれいな絵が多かった。ソール・ライターは、日本の浮世絵の影響を受けた印象派やボナールなどのフランスのナビ派の絵画を愛したと言う説明は日本人としては嬉しい。

4は、厳選したカラースライドの複製を多数展示し、覗き込んで写真を楽しむというソール・ライターの鑑賞方法が追体験できた。また、ここではこの展覧会の一番の目玉として、ヒカリエホールの大空間の10面の大型スクリーンに彼の作品約250点がスライドショーとして次々と投影されている。これは圧巻であった。この迫力の展示によってソール・ライターの写真の魅力が一層輝いて見えた。

雨の日の曇りガラス越しに見える外の景色や人を撮った写真が良い雰囲気を出している。写真好きでなくても楽しめました。