美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

twitterフォロワー50,000人。つぶやき140字では伝えきれないことをこのブログに残していきます。

「主人公」とは

2017年01月14日 23時44分27秒 | 日記
⑯「主人公」とは
「本当の自分=主人公」といった意味をもつ禅語。中国の唐時代、瑞巌(ずいがん)禅師は 毎日座禅をする時に いつも独り言で「主人公よ!」と自分に呼びかけては 「目を覚ましているか?」「だまされるな」などと問い 「はい」と自ら返事をしていた。
いつも主人公でいること。

⑰できるようになると、できなかった頃の気持ちが分からなくなる。できていないことは意識するが、できていることには意識しなくなる。できていることを意識したほうが、今の自分を活かせる。
いつでも主人公であれ!

⑱筋を通す人
頑固で融通が利かない人ではなく、思い描いた目的に向かってブレずに行動している人。真実や現実、問題に直視し まずは具体的な理想のビジョンを思い描く。その将来像に至るまでの筋道を立てる。そして、他者と協働しながら問題を解決していくために
筋を通した生き方をする。

⑲何者にもこびないで生きている聡明で文化レベルの高い人たちがたくさんいる。
中央やトップにいると思い込んでいる人ほど そのことに気づいていない。田舎や自然、現場で生きる人たちの中に入り、
現実を直視することで、それが分かる。

日本人を見直す言葉

2017年01月14日 23時33分59秒 | 日記
⑪日本人を見直す言葉。
坂東玉三郎氏の芸の目的は「お客様に生きていてよかったとおもっていただくこと」

⑫脳や身体を最も進化させる体験。
創作することは一気に色んな感覚を連携して使う。どんな仕事だって脳と身体の連動と進化が必要。
真実は教えられるものではなく、
体験することでしか理解できない。

⑬みんな「あれもできないし、これもできない」 実は「これもできるし、あれもできるようになっている」と考えて、今の自分も相手も褒めてあげた方が、
上を向いて前進できる。

⑭素直にやりたいことは始める。
専門知識やスキルがないと表現することが出来ないと勘違いをしている人が沢山いる。創作にしても遊びや仕事にしても まず必要で大切なことは、突き動かす衝動があるということ。
その想いを達成したい、誰かに伝えたい、残していきたいという欲求があるということ。

⑮手紙の匂い。
メールと手紙とは、使う感覚が違う。メールよりもアナログの手紙の方が、五感を使っていたことを思い出す。手紙を開くときの音、読むときに指先で感じる紙の質感と匂い、目に飛び込んでくる手書きの文字や便箋の印象。
五感を使うことの脳や体へ及ぼす、良い効果が実証されてきた。

好きなことが才能

2017年01月14日 23時23分43秒 | 日記
⑥好きなことが才能。
続けられることが実力。 癖は魅力。 磨かれた感覚が、幸せを見つける力になる。誰もがやっていること、できることでも自分らしい新鮮な組み合わせで 相対性を実感し充実した時間を過ごせる。
自分という人間は自分だけ。

⑦物足りなさや空しさは
創造性を磨く時間を増やすことで解消されていく。絵を描いたり観たり、ブログ、料理、園芸、筋トレしたり音楽を聴いて、ぼ~とイメージするだけでも創造性は磨かれる。穴を掘るだけでも可視化される創作は更に心が満たされていく。
そんな時間を無駄だと思い込まないこと。

⑧これまで 今いるA地点からB地点をめざし、
「効率」を第一に考えて、B地点という正解に速くたどり着くことが求められてきた。これからは 今いるA地点から、先に見えているB地点をめざすのではなく、まだ存在しないB地点を創造するための思考力が求められていく。
「効率」よりも「想い」

⑨物も事も人によって価値が違う。
「こんなことしかできない。こんなものしかもっていない。」
といった自分の勝手な思い込みで価値を下げている。好きなこと、楽しんでいたこと、続けてやってきたことの価値は
自分が考えている以上に高い。

⑩最近、荒れている海を泳いでいる感がある。
だから、うまく波の動きを捉えてスピードに乗れた時には 成長の加速を感じて、幸せを感じられる。穏やかな海に揺られていたいけど 荒れた海も捉え方によっては、常に新鮮な気分を楽しめて面白い。
自分次第で、荒れた海でも穏やかな気持ちでいられる。

ポテンシャルの高い人は

2017年01月14日 23時18分50秒 | 日記
①ポテンシャルの高い人は
不安な点や分からないことは悩む前にすぐ調べて、集めた情報で洞察し予測し行動計画を設計する。後は迷わず問題を解決するための工夫を繰り返す。余計な心配や悩んでいる時間が少なく、
目的に前向きな明快な生き方。

②好きなことや人とできるだけ長い時間を過ごすことで
自分を活かせる思考力や感覚が磨かれていく。 できることや やりたいことを見付けて 楽しめた時間や物や人たちは
生涯の財産になる。

③誰かの出した答えを目指す必要はない。
答えはいつも自分で創造していくもの。近代絵画の巨匠ピカソは、ライバル画家の新作からインスパイアされて 真似ではなく、自分の答えを創造していった。だから成長を止めることなく
進化し続けられた。

④普段、目にしている物事を絵に描くつもりで観てみるといろんなことに気づきだす。
絵は、思い込みや見たつもり、知っているつもりでは描けない。物事は「見る」のではなく「観る」ことが重要で、書物と様に「読みとく」「理解」する感覚が大切。

⑤手紙もそうだが、描く絵にはその人の気持ちが表れる。
誰かのために絵を描くことは、思いを伝えるために意外なほど効果がある。本人が気にするほど上手さ(技巧)はそれほど問題ではなく、言葉で説明するよりも親切に感じる。自分のために手描きの絵を描いてもらったら
想像以上に嬉しいもの。

アートヒストリー閑話 印象派

2017年01月14日 12時36分13秒 | 日記
師匠から「君はなぜ描いているのだ」とかいった問いに対して「楽しいから」と答え、破門されたルノワールは、モンマルトルのカフェで芸術論をぶつけ合い苦悩する前衛画家たちの中で幸せそうに絵を描いていた。そんなルノワールは絵画に輝きを与えた。

絵を描くことを生涯、修行ではなく楽しみ続けた画家
印象派の巨匠、病床のピエール・オーギュスト・ルノワールは最後にアネモネの絵を描きました。
「ようやく何かがわかりかけた気がする。」という言葉を残し、その夜に亡くなったそうです。78歳でした。


印象派の父といわれる画家マネのスキャンダルをまねいた作品『オリンピア』。 新しい視点の作品、開発、考え方は、クリエイターの思惑、思いとは違ったものとして誤解されてしまうことがある。


その時代の発明・発展と美術の展開との関連性は強い。 19世紀 印象派の時代。 チューブ入り油絵具、写真技術、電球、電話の発明。 電気で明るく照らされたアトリエ。 絵具チューブをもって、野外で油絵が描けるようになり色も輝きだした。


19世紀後半 印象派の時代。 モネ、ドガ、ルノアール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン。 チューブ入り油絵具、写真技術、電球、電話の発明。 美術史も通史で学ぶとアートが面白くなる。


気持ちがいい晴天。こんな日は野外で絵でも描きたい。
19世紀にチューブ入りの絵具が発明されてから、野外の日の光の中で絵具を使って描けるようになった。 この発明が、輝くような色使いをする印象派の画家たちを生んだといってもいい。


バロック、ロマン主義時代の威圧的で重厚な絵画と比べて 印象派画家たちの絵画はいきなり軽やかに輝きだす。 これはチューブ入り絵具が開発され、暗く閉鎖された工房やアトリエから解放されて、光に満ちた野外へ飛び出していたこともその理由の一つ。


19世紀に写真が発明され、それまで依頼されてきた肖像画、風景画などの仕事が減少し、印象派の画家たちは、失業していった。いわゆる宝の持ち腐れとなった。クライアントがいないのだったら自分が好きなもの、信じる絵を追求しようということになる。


印象派の時代。絵具チューブの開発で野外などどこででも描けるようになったが、写真に発明で絵の依頼が減り、画家たちは失業する。クライアントを失った画家は自分の描きたいもの信じるものを描き出す。題材も日常生活や家族、友達の姿を描き出した。


画家の失業。 印象派時代、映像(写真)の発展により画家が失業していく。 クライアントを失った画家たちは自分が描きたいものを追求し始める。 絵具チューブの開発で野外などどこでも描けるようになり描く題材も日常や家族、友達の姿を描いている。

画家のオディロン・ルドンは、鮮烈な色彩で花を描いた。 若い頃は印象派の色彩表現に惹かれながらも あえてモノクロの版画を利用し想像力を磨いた。 ルドンが色を使い出したのは、50歳を過ぎてからである。


鮮烈な色彩で花を描いたオディロン・ルドンが色を使い出したのは、 50歳を過ぎてからである。 ルドンは若い頃に印象派の画家たちの色彩表現に惹かれながらも、 あえてモノクロの版画を制作することで、想像力を磨いた。


クリエイターの発想の源にジャンルの隔たりはない。画家オディロン・ルドンは植物学者アルマン・クラヴォーと知り合い、顕微鏡下の世界に魅せられ、その出会いが画風にも影響していく。個性とは環境に造られていく。氾濫する情報からの選択眼が重要。


クリエイターは色んな側面を持つ。
生命力にあふれる『ひまわり』の絵で有名なゴッホは、 彼を支えてくれた弟テオの生まれたばかりの息子のために、 日本の梅のような 春を待つ希望の花『花咲くアーモンドの枝』を最後に描いた。


”思い”の強さで違いがでる。
画家になる前にゴッホは牧師だった。ゴーギャンは25歳頃までは株の仲買人。 ルソーは”税理士”で世に出ている作品は50歳過ぎに描いたもの。 歴史に残る作家は特別な才能があったということより”伝えたい思い”といったモチベーションが極めて高かったといえる。

株式仲買商の仕事を辞め、家族も捨ててタヒチに渡り、絵を描いたゴーギャンの遺作、最後の作品『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』1897-1898年。 このタイトルの真意、描いた心中がとても気になる。


追及したいといった執念が感覚を鋭くする。
印象派の画家ドガ。 彼は晩年、視力をほとんどなくしながらも経験と記憶で絵具の色の違いを 嗅覚で嗅ぎ分けて描いた。


画家ルドンの描く絵は、肖像画や花瓶に生けられた花でさえ神秘的にみえる。 なぜなら彼の興味は、周りで騒がれる売れっ子の画家たちの作品や世の中の風潮より、幼い頃から大好きだった神話の世界や顕微鏡でのぞきみる世界に向かれて大切にしていた。